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2018年度の寺澤研卒研総括

2019年5月 8日 (水) 投稿者: メディア技術コース

皆さんこんにちは。

メディア学部の寺澤です。
時期を逸してしまいましたが、今回は2018年度の卒業研究と3月にあった学会での発表について2回に分けて書こうと思います。私の研究室は年によって人数の多寡が変動するのですが、2018年度に卒業した4年生は5名でした。この記事では彼らの研究テーマとその内容について簡単に説明します。

  • ネットワーク起動型IoTデバイスの研究
    この研究は家庭でもよく使われている無線LANルーターやネットワーク接続型の監視カメラなどのセキュリティ対策に取り組むものです。従来の対策の発想とは異なるアプローチで解決案を示しました。このテーマは学会で発表したので、もう一つの記事で詳しく述べます。
  • 安全に歩きスマホをするための衝突回避アプリの実装
    歩きスマホはその危険性や周囲に与える迷惑から、社会的な問題となっています。様々な啓蒙活動が行われていますが、無くなる気配はありません。そこで、逆に歩きスマホ自体を認める代わりに、安全性を増す方法を考えようとしたのがこのテーマです。現在のスマートフォンには搭載されていないセンサーを追加し、アプリとの組み合わせで衝突回避を目指す仕組みを実装し、実証実験を行いました。現状では、まだ、電波状況や人混みへの十分な対応ができておらず、改善の余地が残りました。
  • トラフィック分散の為のキャッシュ間連携システムの提案
    インターネットは様々なレベルでの技術の発展により、以前に比べて動画の視聴なども快適に利用できるようになってきています。しかし、そうなればなったで、高精細動画の視聴や巨大なファイルのダウンロードなど、さらなる大容量のトラフィックが発生するようになります。多くの人が利用するファイルやコンテンツに対しては、従来からキャッシュという対応策がありますが、この研究では、これらのキャッシュ同士を連携させることで、トラフィック量を減らそうというアイディアを実現し、評価実験をおこなったものです。実験の結果、効果を示すことはできましたが、現状では効果は限定的であることがわかりました。
  • 単語の学習済みモデルと同時出現数を利用した検索補助システムの提案
    皆さんは日常的にインターネットでの検索を行なっていると思います。しかし、自分があまり詳しくない分野のことを調べようとすると、検索してもなかなか思ったような情報(サイト)に出会えないのではないでしょうか。この研究では、キーワードを入力して検索をした結果画面に情報を付加し、より早く適切な情報にたどり着けることを目指したものです。doc2vecというソフトウェアを使って検索結果画面に表示されているサイトの内容と検索キーワードとの関連度を計り、それらの情報を検索結果画面に付加します。観光に限定してシステムを作りましたが、doc2vecの学習済みモデルが不適切で十分な性能を発揮できませんでした。
  • BBC micro:bitを用いた情報教育の研究
    2020年から小学校でいわゆるプログラミング教育が始まります。それに対応するように様々なプログラミング教室が開かれています(小学校でのプログラミング教育はプログラムを書けるようになることを目指したものではありませんが、長くなるので、それについては書きません)。また、どのような道具を使うのかについても様々なものが試みられています。micro:bitはイギリスで開発され、子供向けに配布もされている小型のコンピューターボードです。この研究では、これを用いて、文部科学省が想定しているような教育に取り組むことを前提に、どのような科目・単元のどのような内容に対応できるかを検討し、いくつかの実例を示しました。

2019年度は12人の学生が卒業研究に取り組みます。今年もそれぞれのテーマで学会発表ができる成果を目指して研究を進めたいと思います。

(メディア学部 寺澤卓也)

 

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