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大学院進学のススメ

2019年5月 2日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

この 4 月から,大学院メディアサイエンス専攻長を仰せつかりました菊池です.
本日は,「大学院進学のススメ」と題してブログを書きたいと思います.

皆様もご存知の通り,大学の学部を 4 年間で卒業したあとの進路は大きく分けて「就職」か「進学」の 2 つになります.
この「進学」にあたるのが「大学院進学」になります(各種専門学校への進学という道もありますが...).

大学院とは,学部までの知識をもとにより広く深い知識と研究能力を身につけ,高度な専門性を担う人材を育成することを目的とするところです.学部のときとは異なり,研究活動が中心の生活の中でも,少人数でのより専門性の高い講義を受講し,TA( Teaching Assistant )として授業サポートを行うなど,教員からの指示を待ってから行動するのではなく,自らが考えて研究を進め,後輩を指導することも多くなります.

研究活動においては,学術論文・学会発表などを目指して,各自の研究テーマにおける関連研究の調査,現状の解決すべき課題や明らかにしたい事項の洗い出し,それに対する仮説立て,仮説を実証するための実験や開発を行うことになります.
そこには,論理的な展開が求められます.

私が考える「大学院進学のススメ」は,上記に集約されます.

将来的にどのような職種に従事することになろうとも,上記のような「自ら考え行動する」こと,「論理的に考え,進める」こと,および「後輩の面倒をみる」ことは必ずや役に立ちます.

内閣府・経済社会総合研究所の分析レポート ESRI Discussion Paper によると,理工系学部の大学院進学率は国立大学で 50 ~ 90%,有名私立大学で 30 ~ 70% になります.
また,学部卒と大学院卒の賃金プロファイルを比較した結果では,男性においても女性においても大学院卒の生涯賃金収入は学部卒のそれよりも高いことが報告されています.大学院卒の賃金は高年齢層になっても年齢とともに上昇し,それが学部卒の生涯賃金収入との差を広げる大きな要因であることも明らかになっています.さらに,大学院進学に関する内部収益率を計算した結果,博士前期課程(修士)に進学した場合,男性は11.4%,女性は10.1% となることが示されています.

日本ではこれまで,大学院に進学することの経済的価値に疑問が投げかけることも多かったのですが,大学院卒が収入面でのプレミアムを持つことが上記の報告からも明らかとなりました.

人生は長いです.
「社会に出て働く」,「海外で活躍したい」などの将来の目標を考えた際,「人生の価値観を何に持つのか?」を今一度立ち止まって,ゆっくり考えてもいいのではないでしょうか?

昨今の就職活動という世の中の急流に,文字通り「血眼になって」押し流されていく学生たちを見ていて,フッとそのようなことを考える専攻長でした.
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文責:菊池 司

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