本校の学生も参加。広告とクリエーティブ研究に向けた足がかりとしての日本広告学会「クリエーティブフォーラム」(メディア学部 藤崎実)
2019年6月13日 (木) 投稿者: メディア社会コース
メディア学部社会コースの藤崎実です。
先日もこのブログで紹介させていただきましたが、日本広告学会ではクリエーティブ委員会が主催となり、毎年「クリエーティブフォーラム」を開催しています。12年目を迎えた今年は、2019年5月11日に虎ノ門ヒルズ森タワーのADKにて開催されました。
このフォーラムは研究者と実務家の接点の場として設けられました。研究者にとっては実務における最新の状況を知ることができる場であり、実務家にとっては、研究者からのアドバイスを受けることで、本格的な広告研究への足がかりを得ることができる場です。
また、2011年からは「ポスター・セッション」が行われています。
今日はその「ポスターセッション」についての記事です。今年の発表は全24研究。うち、一般部門が12人(組)、学生部門が12人(組)でした。発表者は年々増加傾向にあり、今年も大変な活況でした!
では、現在の広告研究にはどんなテーマがあるのでしょうか? 以下の発表タイトルをご覧ください。近年の広告研究がいかに多様性に満ちているか、おわかりいただけるのではないでしょうか。
「クリエーティブフォーラム2019」ポスターセッション発表タイトル
■「インフルエンサーへの消費者期待と広告主の理解不足、そして炎上リスク」
■『広告が届く人、届かない人』 ー行動特性から導くマーケティング感応度」
■「都市経済を変貌させる中国版TikTok(料音)のパワー 〜西安の事例から見た都市ブランディングの新しい広告のカタチ〜
■「共創ラベル効果:『お客様のアイデアで生まれました』と書かれた製品は、なぜ売れるのか?」
■広告表示の社会的責任を問うーいわゆるフェイク広告をふまえて一」
■「消費者に受け入られるオンライン動画広告とは何か」
■「ミュージアム·コミュニケーションを活用した広告コミュニケーション拡大についての考察」
■「魅力的に見える顔の角度について」
■「アンビエント·プロモーションの重要性についての一考察 -駅ビルを例に-」
■公共広告の研究一里親制度の普及を題材として一」
■「コミュニケーションの二段の流れ」を巡る社会学界と広告業界 〜1950 年代広告業界における「産学連携」の一事例〜」
■「ウェブルーマーに向けたSNSコミュニケーションの効果とマーケティング課題」
■「ASMRの広告利用による購買意欲の変化と展望」
■「東京都におけるヘルプマークのメディア広報展開の提案」
■「人と街をつなげるコラボエンターテインメントの提案 桜丘町まちじまい企画」
■「他者の存在がCRM製品の購買に与える影響」
■『報告:若者(高校·大学生)に現れ始めている新しい価値観』〜広告とマーケティングの未来を人間中心に考えたい〜
■「ファッションと建築の相関性〜ライフスタイルコミュニケーションの検討」
■「リアル店舗におけるVMDとコミュニケーション課題の考察」
■「広告コミュニケーションにおける職業制服の役割の研究」
■あなたはどのタイプ?テレビ視聴別診断」
■「好きなタレント大図鑑 〜好きなタレントから見えてくる消費者像を可視化する〜」
■「誰をお供に戦う? 6人のインスタ戦士たち〜現代版桃太郎の教え〜」
■「instagram に秘められた消費行動に影響を与える力」
毎回、参加者の投票により「一般部門」・「学生部門」でMEP賞が決まります。MEP賞とは、Most Expectative Presentationの略で「最も期待の持てる発表」の意味です。
そして、今年の「一般部門」MEP賞には、法政大学大学院 経営学研究科博士後期課程(株式会社 博報堂)の岡田庄生さん(研究テーマ「共創ラベル効果:『お客様のアイデアで生まれました』と書かれた製品は、なぜ売れるのか?」)が受賞しました。おめでとうございます!!
全24研究からの金賞にふさわしい、本当に素晴らしい研究だと思います。岡田さんとは大変親しい関係です。私も自分のことのようにうれしい気持ちになりました。
なお、今年の「クリエーティブフォーラム」には、本学からも学生が見学に来てくれました!!
このような積極性はとても大切だと私は思います。社会の最先端で活躍する人たちの話を聞き、良い刺激を受け、知見を高めることは自分を豊かにすることにつながります。学生のみなさんにとっても、大変有意義な経験になったことと思います。これからも今の姿勢を大切に頑張ってくださいね!
みなさんも、良い研究ができるように、良質な経験と良質な刺激をどんどん受けて、知的好奇心や研究マインドをどんどん高めていって欲しいと思います。自分ひとりでは気づかなかった研究への糸口やヒントは、自分の行動範囲と経験を広げることで意外と見つかるものです。
広告分野の研究は、社会という場で企業と生活者の間のコミュニケーション全般を扱っています。普段からアンテナを張って社会をよく見ると、この分野で疑問に思うことがたくさんあるはずです。広告分野の研究に、多くのみなさんが興味を持っていただけるといいな、と私は願っています。
(参考サイト)
■「日本広告学会 クリエーティブフォーラム」
■日本広告学会
(メディア学部 藤崎実)
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