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卒業研究中間発表会

2019年8月26日 (月) 投稿者: メディア技術コース

少し時間が経ってしまいましたが、8月の初めに卒業研究の中間発表会を行いました。我々の研究室はポスター発表の形式で例年行っています。ポスター発表とは、研究内容をポスターで掲示して説明する発表形式です。スライドを利用した口頭発表だと、特定の発表は、指定された時間帯で10分程度の割当時間だけの発表になってしまいますが、ポスター形式では2時間程度の時間内ではいつでも好きなだけ質問や議論をすることができます。当日はお日柄もよく、とはいかず、講義も定期試験も終わってしまった後だったので、研究室以外の参加者がかなり少なかったのが残念でしたが、卒研生はなんとか間に合わせて前期の成果を報告しました(間に合わなかった若干名は後日)。学期中にも数回、互いの研究内容の発表を聞く機会があるのですが、その際は、スライドによる発表を行っています。ポスター形式とすると話しやすくなるのかと思いますが、そうした機会より互いの研究について色々議論が弾むようです。我々の研究室では、コンピューターによるインタラクティブな仕組みを扱うことが多いので、できれば当日にデモを体験できるようにしておきたいところですが、前期でそこまでできるようになっているプロジェクトが今年度は少なく、それもちょっと残念なことでした。後期に頑張ってくれることを期待しています。2つほどのプロジェクトはそれでもある程度の成果をだすまで進んだため、9月に予定されている学会で発表する予定です。こちらもポスター発表なので、今回作成したものを修正して臨みます。学内の発表とは違った緊張もあるでしょうが、口頭発表よりは気楽にできるのではないかと思います。大学院生も同じ学会で発表しますが、こちらはスライドによる口頭発表の予定です。大勢の前で一人で話すのは初めはすごく緊張すると思いますが、これまで体験した学生は、終わった後は「よい経験だった」と言っていますので、ポスター発表を経験した後には是非口頭発表もチャレンジして欲しいです。それには、研究をきちんとまとめないといけませんが。

 

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ところで、学生の卒業研究への取り組み方には歯がゆいところがあります。大学生活の集大成であるし、一生の思い出にもなることでしょうから、もっと情熱を傾けて欲しいと教員の立場からは思いますが、嫌々やらされている感に溢れている学生もいます。自分自身や友人達のことを振り返ってみると(例の年寄りの昔話が始まった)、研究のマネごとをしていっぱしの研究者気取りができることがすごく嬉しかった記憶があります。無駄に難しそうな専門書を買って満足したりということもありました。研究職に就きたいと思っていたせいもあるので「研究」というものにあこがれがあったのだと回想いたしますが、メディア学部の大半の学生はそういった仕事に進むわけではないので、「研究」というものは今後必要の無いものという感覚があるのではないかと推測いたします。しかしながら卒業研究で学ぶことは研究者になるためのものではありません。もちろん、研究者になりたい人にとっては研究を学ぶ第一歩ではあります。しかし、卒業研究で行うことは、どのような仕事に就いても必要な、仕事を進めるプロセスを習得することに繋がっています。それは、目標を設定し、必要な多様な情報を集めて理解し、それらをいかに組み合わせて目的を実現するかを考察し、実践、評価をして対外的に説明をするということです。こうした、仕事を遂行するためのプロセスを実践して習得することが卒研の大きな目的です。また、それらの局面で必要なことは、3年生までの様々な講義で学んできています。それらを今度は有機的に組み合わせて活用する力が求められるのです。それまでに、個々の講義の内容を、それぞれ閉じたものとして理解してきた人には認識を改めることが要求されることになるのでしょう。しかし、こうした頭の使い方が、社会にでてからは必要になります(私も一応、社会(会社)で働いておりましたのでウソではありませんよ)。学園祭で卒業生達が訪問してくれることがありますが、会社に入ってから卒業研究のときに指導されたことの重要性が理解できたと言ってくれることが多々あります。願わくは、在学中にその重要性を理解してもらえるといいのですが、なかなかそうはならないようですね。再び自分の学生のころどうだったかを振り返ってみると、忘れてしまいました。都合の悪いことは忘れてしまうようです(単に大昔なだけか?)。

 

 

太田高志

 

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