レポートを上手に書くには読書がおすすめ
2019年8月19日 (月) 投稿者: media_staff
技術コースの羽田です.
春学期に私の担当したメディア基礎演習(HCI実験)では実験を行うこと以上に,レポートを書くことを重視しました.レポートの書き方については,普段学生が書いているSNSのメッセージや,高校までの作文やエッセイなどとは異なり,いくつかのルールが存在します.
まず,実験のレポートですので,自分の感想や意見といったものではなく事実に基づいた判断のみが必要とされます.簡単に言うと「実験が難しかったけど頑張った」「楽しい実験だった」ということは,自分の日記や感想としては有益ですが,実験レポートとしては必要のない文章になります.頑張ろうが頑張らなかろうが実験は手順どおりに行わなくてはならないですし,楽しいかどうかは実験内容に関係ないからです.
文章そのものについても,長すぎる文章や短すぎて何を言っているのかわからないようでは困ります.レポートなどの技術文書では修辞的なテクニック,すなわち文章を感動的にみせたり印象を強めたりといったことを行わないのでそういったテクニックも使ってはいけません.一番よく出てくるのは文章の最後が名詞で終わる体言止めです.そのほかにも「ものすごい」「非常に多い」などといった抽象的な表現もよく使われるようですが,こちらも定量的に評価できない文言ですので使わないようにしなくてはなりません.
授業では3回の演習で3つのレポートを書きましたが,さらに文章が書けるようになるにはどうしたらいいのでしょう.学生なら良いレポートが書けると「お得」なのは間違いないですよね.
まずは,本を読むことからはじめてみて欲しいと思います.このBLOGでも何度も「本を読もう」という言葉は出てきますが,卒業研究にしろ期末のレポートにしろ,大学生活において文章を書くというのは切ってもきれないものなのです.そして,私も含めて多くの人はまったく知らないことを上手に行うことができません.お手本となるような文章を沢山読んでいるかどうかによって,書ける文章のレベルは変わってきます.
このとき読んで欲しいのは小説やエッセイではなく,いわゆる「ノンフィクション」にあたる分野の書籍になります.特に科学技術について書かれた本,科学者の書いた本はよい勉強になると思います.自分の興味ある分野について書かれた科学や社会の本を読んでいくことで,知らず知らずのうちに文章を書くための基礎が身につく筈です.夏休みも中盤をすぎましたが,まだ授業が始まるまで1ヶ月くらいはあるので,時間をとってなるべくいろんな本を読んで置いて欲しいとおもいます.
(羽田久一)
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