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2019年9月

アダダへGo!(ADADA Japan 2019)

2019年9月30日 (月) 投稿者: メディア技術コース

アダダ、アダダ?、学会の名前です。本当はADADAと書いて、Asia Digital Art and Design Associationの略です。デジタル、アート、デザイン、という単語が入っているように、コンピューターの技術を利用したアート作品や新しいインタラクションのデザインなどを対象としている学会で、毎年全国大会を開いています(昨年は東京工科大学で行われました)。今年度は9月20日に福岡の九州大学において開催され、当研究室から4名の大学院生と学部卒研生が参加いたしました。

 

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会場となった九州大学のキャンパス

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学会のポスター

 

大学では4年生は卒業研究、大学院の学生は1年生から研究に取り組みます。研究というのは自分だけで行って終わりではなく、対外的に発表しなければ価値がありません。ということで、可能の限り学生にも学会などで発表することを求めます(大学院生は必須ですね)。学会参加については他の先生方からもいくつも記事がありましたので、また参加しましたという報告ですが、今回は地方での開催ということで、参加する学生にとっては発表することの御褒美として旅行気分を味わえます。自身の研究について他の人からの評価を聞きたいということはもちろんあるはずですが、学会で発表ということに若干怯む人にとっては、参加への良いモチベーションになる要素です。

 

今回は一名が口頭発表でした。口頭発表とは、パワーポイントなどを用いて作成したスライドをプロジェクターで映しながら、その前に立って説明をするという形式の発表方法です。慣れないうちは前提を抜かしてしまったり、自分自身の研究のメインな部分を抜かしてしまっていたりと、他の人に通じないものを用意してしまっていることが頻繁に見られます。したがって、発表の数週間前からスライドの構成、作成の指導を行い、発表練習も前日まで繰り返して行いました(初回の発表練習時に聴講してもらった学生の感想は「ちょっと何をいっているか、全部わからない」という感じでした)。この状態からどうなったかは乞うご期待

 

他の学生はポスター発表でした。もともと、ポスター発表とは、研究内容を一枚にまとめたポスターを貼り出して、その脇に立っていて興味を持たれた方に一対一で直接説明したり質問を受ける発表形式です。口頭発表のように、大勢の前で話すのではない分、若干緊張せずにできるのではないかと思いますが、質問などを受けるときには時間制限が無いため(口頭発表は時間が決まっています)、質問者が納得するまで説明をきちんとしなければならず、これはこれで大変です。説明も大変ですが、興味を持ってくれないと説明を聞きに来てくれる人がいないことになってしまうため、ポスターのデザインも非常に重要です。私達の研究室では中間発表会をポスターで行っているため、今回はそのときからポスターの構成やデザインについても修正を繰り返して作成いたしました。

 

さて、今回は会場が福岡ということで、参加する学生達は前日に飛行機で移動しました(私は大学の仕事の関係で付き添えませんでした、残念)。前日に無事着いたことを知らせるメッセージとともに、数枚の写真も送られてきましたが、発表の前日なのに随分余裕だなF。羨ましいながらも、当日、大丈夫なのか?と不安を抱かずには居られませんでしたが、もはや遠くから祈るしかできません。まあ、リラックスすることも大事ですからね

 

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羨ましいですな、の数々

 

翌日ですが、昼過ぎ頃に、今度は発表の様子がいくつか送られてきました。なんとか見た目にはちゃんと説明しているように見えますね。まあ、とりあえず最低限の仕事はしたんだなと安心いたしました(ポーズとってるだけじゃないよね)。

 

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ポスター発表の会場の様子

 

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発表中の勇姿!

 

さて、「発表はうまく行きました!」とか、「質問もいくつかもらえました!」とか元気な報告(調子のいい報告?)を受けて、残りは懇親会だけになったので、まあ終わりにして帰ってもいいよと伝えましたが、その数時間後に新たなメッセージが!

 

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嬉しそうな方たち

 

なんと!「学生発表奨励賞」と「優秀ポスター発表賞」を受賞したとの連絡がありました!「マジか?!」と思わず返してしまいましたが、やってみるものだなあ。帰らずに懇親会に参加していて良かったね(帰ってしまっていたらもらえないわけではありませんが)。その後、屋台に繰り出して祝杯を挙げに行ったようですが、私も一緒に行ってたら大分出費させられてたかも、と思うと行けなくてラッキーだったか?屋台での上機嫌な写真もあるようでしたが、ここでは割愛いたします。真面目な話をすると、発表を準備して学会に参加し、実際に発表を行うだけでもかなりの経験が得られますのでそれで十分なのですが、受賞のように対外的に評価されると、すごく自信になるのではないかと思います。特に、大学院のF君は修士の1年生ですから、さらに研究を進めてまた発表や論文に繋げて欲しいと思います。学生たちは、翌日の帰りの飛行機まで少し観光もできたようで、「すごく楽しかった」との感想でした。学会参加というと、緊張もするし、嫌だと思う場合もあるかもしれませんが、地方に大学の予算で行くことができて成果もでると楽しい経験になりますね。ただ、それができるようになるまで研究を進めることが大前提ではありますが。

 

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表彰状。ちょっとミニサイズ。

 

 

太田高志

 

 

 

 

 

 

 

紅華祭[10月13日(日)・14日(月・祝)]で音楽系研究室の研究発表を行います!

2019年9月29日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤です。

10月13日(日)・14日(月・祝)に八王子キャンパス紅華祭が開催されます。

私の研究室「ミュージック・アナリシス&クリエイション」[研究棟C419]は毎年、紅華祭に研究発表で参加していますが、今年も研究室を解放して、4年生14名、大学院生2名の研究紹介ポスター発表を行います。
今回発表を行う16名の研究テーマは以下の通りです。


【4年生】
・「乃木坂46の楽曲の分析 ~発売時期に見る作曲・編曲の特徴~」
・「麻枝准「My Soul, Your Beats!」の旋律分析」
・「ガンダムSEEDシリーズにおけるストーリーと音楽の構造分析 〜ライトモチーフに着目して~」
・「beatmaniaⅡDX収録曲の特徴とゲーム性に関する研究」
・「日本におけるジャズの受容と変容の研究 ~第二次世界大戦による影響を中心として~」
・「シティ・ポップの分析 ~70年代/80年代と現代を比較して~」
・「近藤浩治のゲーム音楽における楽曲制作手法に関する研究 〜スーパーマリオシリーズのステージ比較を通して〜」
・「ホラーゲームの非戦闘シーンにおける音響演出に関する研究 ~廊下マップにみる「隠した表現」~」
・「日本における恋愛を題材にしたポピュラー音楽の分析 〜1970年代と2010年以降〜」
・「キングダムハーツシリーズにおけるBGMの音楽的特徴 ~プレイヤーの感情を誘導する場面に着目して~」
・「カーペンターズの楽曲の分析 ~トップ・オブ・ザ・ワールドを中心に~」
・「音楽における反復要素に関する研究 ~Black Eyed Pilseungの楽曲を中心として~」
・「Data Musicalizationによる楽曲制作 ~数値化された「人の属性」を素材として~」
・「メロディーとコード進行で見る二次元アイドル ~アイドルマスターミリオンライブ!とアイドルマスターSideMを中心に~」

【大学院生】
・「コンピュータを用いたモーダルジャズ音楽の生成 〜ジャムセッションにおけるインタープレイに着目して〜」
・「POVショット型オーディオドラマの演出手法に関する知的基盤構築の試み」

ご覧の通り、ポピュラー音楽やゲーム音楽・サウンドの分析、音楽の歴史に関する研究、数理的操作やプログラミングによる楽曲制作・生成、ストーリーを伴うコンテンツの音響演出に関する研究・・・など、本研究室で扱うテーマは多岐にわたります。当日は、それぞれの研究の研究目的や研究方法について丁寧に説明いたします。
また、研究紹介ポスターのほか、研究室での「和声」や「ソルフェージュ」のレッスンに使われているグランドピアノ(メディア学部設立時から20年間使用されている東京工科大学唯一の生ピアノです)も展示します。
これは一般的なグランドピアノに消音システムを取り付けたもので、消音システムに切り替えるとハンマーが弦に当たらず、ピアノ本体から音が出なくなります。鍵盤の動きをセンサーが感知し、そのデータが消音システムの音源部に送られることで、ヘッドフォンを通して演奏を聴くことができます。学生たちがレッスン時間外にピアノを練習したり作曲したりするときは、周囲の研究室の迷惑にならないよう消音にしています。このピアノもぜひ触れていただきたいと思います。
下の写真は、今年7月のオープンキャンパスで研究発表を行ったときの様子です。(※左端にグランドピアノが少し写っています)

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他の研究室でも研究発表や制作物の展示が行われているほか、学園祭ならではの模擬店やライブコンサートなど楽しいイベントが盛りだくさんです。10月13日(日)・14日(月・祝)は、ぜひ紅華祭にお越しください!

(伊藤謙一郎)

Tokyo Game Showに合わせた教育イベント

2019年9月28日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

「Tokyo Game Show」は毎年幕張メッセで開催される世界でも最大規模のコンピュータエンタテイメント産業に関する総合展示会です。

大手企業の販売するきらびやかな最新ゲームタイトルの展示はもちろんですが、ゲームを開発するツールや機材、ゲームエンジン、ミドルウェアなども展示されます。そして東京工科大学メディア学部などに代表されるゲーム教育に携わる大学、各種コンピュータプログラミング、ゲームアート・サウンド制作系の教育機関や企業も、それぞれの学校、教育現場で制作した学生の作品を展示するブースを出展しています。
近年、学校や教育機関の集まるエリアは、年ごとに拡大を続け、展示される作品群は従来のゲームジャンルの枠にとらわれない斬新なアイデアのものが多く、プロのゲーム関係者も多く訪れるとても活気のある場所となっています。

 

Tokyo Game Showはそのような業界の注目度の高いゲーム制作を指導している全国の教育関係者が一堂に集まる機会でもあります。ゲーム制作エンジンを制作しているUnity社は、日頃から授業にUnityを使っていただいていることから、その機会に何か教育者のコミュニティに貢献できることはないか?と考えて、TokyoGameShowにあわせて「Unity道場幕張スペシャル-education編」と題した、ゲーム教育に携わる先生たちのための勉強会を毎年開催しています。

自分は毎年その催しで、ゲーム教育の教材と、Unityを用いた本学でのゲーム授業の資料と実践の様子を、全国のゲーム教育機関の教員の皆様に向けてプレゼンテーションさせて頂いています。内容は自分がUnityで作成した授業教材を使い、ゲームデザイン授業の方法や、学生が陥りやすい気を付けるべき点などの実体験の報告です。。授業で使われた資料はその場で公開されていて、自由にダウンロードできるようになっています。全国の多くの教育現場で自分の作成した授業カリキュラムを実際に利用していただき、そのフィードバックを得られるのも大きな喜びの一つとなっています。寄せられたプロの皆様からのご意見を次の教材開発に反映させ再び授業の実践に生かし、次のプレゼンテーションで成果をお返しするという、ゲーム教育コミュニティに還元するサイクルを続けていきたいと思います。また、Unityに興味のあるけど授業は取っていない、という学生のみなさんにも、その教材のたのしさを感じてもらえればと思いますので、一度、手に取ってみていただきたいと思います。

 

メディア学部 安原広和

 

 

メディア学部らしいプロセス重視のデザイン関連授業もあります

2019年9月27日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

後学期が923日から始まりました。これまでにこのブログで何回もお伝えしていますが、メディア学部にはデザインに関する授業も少なからずあります。その多くは情報系のデザインを対象としたしたものですが、立体系の授業もあります。

私も主に立体系を扱うデザイン関連授業を担当していますが、毎回、スケッチを描きながらテーマの理解を深めてもらうようにしています。スケッチといってもデザインを専門的に学ぶ学部や学科の学生さんが描くようなものではなく、考察手段としてのスケッチです。物事の理解に視覚表現はとても役立ちますので、巧みさは気にせずに自由な表現方法で授業時間内で気軽に描いてもらっています。こんな感じのスケッチです。

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メディア学部はデザイナーをめざす学生さんが集まる学部ではありませんが、上手なスケッチやデザインを専門に学ぶ学校の学生さんには新鮮に映るかもしれないアイデアに出会うことがあります。そんな時はワクワクしてしまいます。今学期もワクワク感に期待しながら授業開始しました。

メディア学部 萩原祐志

Houdini ハンズオンセミナーで講師を担当しました

2019年9月26日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

去る 2019 年 9 月 14 日(土)に,「CG-ARTS セミナー」で「Houdini ハンズオンセミナー」を開催しました.

このセミナーは,SideFX 社 のプロシージャルな CG 制作ソフトウェアである Houdini を活用するための初心者向けのハンズオンセミナーで,まさにこれから Houdini を始めてみようという方や,企業や学校で Houdini を導入したいという方が「どのようなシラバスで学習工程を組み立てたらいいか?」とお悩みの方などに向けた内容で構成しました.

セミナー当日は 15 名を超える受講者の方々にお集まりいただき,午前 9 時 20 分から午後の 5 時過ぎまで,Houdini の基本的なオペレーションからモデリング,レンダリング,アニメーション,そして流体シミュレーションまで,濃密なトレーニングを行いました.

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図.セミナー当日の様子(その1)

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図.セミナー当日の様子(その2)

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図.セミナー当日の様子(その3)


Houdini は「学習コストが高い」と思われがちなソフトウェアですが,その概念や基本的なことをじっくりと学習することによって,とても理解しやすい楽しいソフトウェアです.

またこのようなセミナーの講師を担当する機会がありましたら,その時は皆様をお会いできることを楽しみにしております.


文責:菊池 司

大学院生がエンターテインメントコンピューティングシンポジウム2019(EC2019)

2019年9月25日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です

 

本日は,私が指導する大学院生の研究発表についてちょっと簡単に紹介しようと思います.

その前に,この学会「エンターテインメントコンピューティングシンポジウム」は国内最大のコンピュータ系の学会である情報処理学会のエンターテインメント研究会という研究会が主催するシンポジウムです.「エンターテインメント」と「コンピューター」の名前からわかるように,デジタル技術を活用した新たな娯楽を追求する分野です.

メディア学部でも,コンテンツコースや技術コースの多くの先生が所属していて,一つの重要なテーマになっています.私の研究室ではゲームの体験の拡張や向上のために行う研究などを発表してきました.

今回,大学院生の沼崎君はいわゆるVRコンテンツを対象にしました.アミューズメント施設などでは,シミュレーションライドなど油圧式の装置でユーザーが登場した座席そのものの角度を変化させ,VR空間の動きと一致させて体感を高める装置があります.

沼崎君は,この手法を使う際により少ない角度変化でも楽しめる安全なVR表現を検討しました.実際に傾いている傾きを小さくして,見せる映像だけを誇張しても自然に感じられるのであれば,より安全に激しい演出ができることになります.

そうした,一種の「錯覚」を利用する際に,ユーザーにばれてしまっては意味がありません.沼崎君の研究はどれぐらいの誇張ならユーザーに気づかれずに済むかを調査した研究です.

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こちらが開発した装置です.船型のライドVRにして,下にエアーベットを敷いてユーザーの姿勢で本当に船が傾くような表現をするように心がけました.

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こちらが実際のコンテンツの様子です.

ゆったり流れる船の上で,様々な動作をする際に船が傾くのですが,その傾きを誇張(場合によっては減衰)して提示し,その誇張や減衰に気が付いたかどうかを回答してもらいました.

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まだまだ,これから論文誌への投稿なども控えているので,これ以上はちょっと内緒なのですが,やはり人間の感覚は意外とあいまいだなということがわかりました.それから,絶対的な感覚よりも差分を強く意識する傾向があることがわかってきました.

あと卒業まで半年,これからの研究の発展が楽しみです.

文責:三上浩司

2019年8月28日インドネシアUDINUSのConvocation Graduation Ceremonyにて来賓あいさつ(2019インドネシア出張報告その6)

2019年9月24日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース


インドネシア出張の最後は、2013年から交流があるUDINUS( Dian Nuswantoro University)のConvocation Graduation Ceremony(卒業式)における来賓あいさつです。

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国際会議IEVCに参加する機会にSemarangの提携校UDINUSを訪問しようという計画をして、こちらの日程を示してご都合をお伺いしました。訪問していいよという返事でした。しばらくしてから、実は卒業式なので、参加しますか?とのことです。もちろん大変貴重な機会ですので、ぜひ参加したいと伝えました。その後、せっかくだからあいさつをしてほしいという連絡がありました。あいさつくらいならいいかと思って挨拶はいいですよという返事をしました。あいさつの時間を聞いて、びっくりしました。30分ということです。

さすがに、最初からいろいろな条件をきちんと確かめておくべきだったと思いつつ、ここまで来たら、やるぞとばかりに、研究発表で利用するようなスライドを使えるか聞いてみました。何もない状態ではなかなか30分は持ちません。スライドがあれば大丈夫と考えました。すぐにOKが来ました。日本の卒業式などであいさつでスライドを使っていることを見たことがないので、少し心配でしたが、使っていいということで安心しました。

さて、その次は、あいさつの中身をどうするかでした。依頼者のpulung先生は、学生を励ましてもらえればいいということが希望でした。
いろいろ考えた末に、次のようにしました。

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2019年8月27日インドネシアTelkom大学にてAcademic Writingの講義(2019インドネシア出張報告その5)

2019年9月23日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

ID.GAGAでの講演を終えた次の日は、はじめのSemarangに移動予定でした。ところが、昨年バンドン工科大学でワークショップを行っているときに、時間を見つけておじゃましたTelkom大学の先生からバンドンに滞在している間に時間が取れれば、講義をしてほしいという依頼が来ました。
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27日の月曜日はすでに講演予定でしたので、日曜日か移動日の午前は時間があるということをお伝えしたら、27日の午前に講義をしてほしいということでした。Semarangへの移動は6時近くの飛行機ですので、午前ならいいかと思って引き受けました。

講義内容案を考えてお伝えしたら、実は、国際関係のコースの学生の講義なので、論文執筆経験が豊富だから、Academic Writingのことを説明してほしいとのことでした。論文の書き方は卒研生、大学院生にたくさんしてきましたが、講義のような形式で資料を準備しておらず、その準備がとてもいい経験になりました。

講義のタイトルは、「Implementation Academic Writing for International Journals」ということで打ち合わせの結果なりました。写真は講義後にいただいた講義の実施の証明です。


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さて、内容、構成をどうしようかと考えること2,3週間、いくつかの資料を調べたり、自分たちの論文や投稿論文のある学会論文誌をみて、説明に使うといいような論文を探したりしました。内容を考えるときに思い浮かんだことは、私の話だけではつまらなくなるかと考え、演習を取り入れることにしました。
講義の内容は、本題に入る前に、本学とメディア学部、大学院メディアサイエンス専攻の説明をしました。そのうえで、つぎのような構成にしました。

Outline of Today’s Lecture
1.Why publish research Journal papers?
2.Structure of Journal paper and Category of paper
3.Exercise:Analysis of Article structure
4.Group Discussion:Find the common article structure
5.How to write Good Journal paper
6.After Submit your paper: Review Process

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コンテンツマーケティングについて その7

2019年9月22日 (日) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。コンテンツマーケティングの続きをお話します。今回は具体的な対象としてキャラクターマーケティングを取り上げます。キャラクターとは、さまざな作品、広告、商品などに出てくる、人、動物、などのことで、キャラクターマーケティングは、こうしたキャラクターを使って行うマーケティングのことです。キャラクターを使う理由は、まず、日本人は非常にキャラクターが好きだからです。日本では大人でもキャラクターのついた商品を持っている人が多くいますが、世界的に見るとこれは例外的なことと言えるのです。キャラクターが付いた商品は人々に好感を持って迎えられ、多少高くても買ってもらえます。しかし、そのビジネスが簡単かというとそうではありません。多数のキャラクターから選んでもらわなければなりませんし、流行もあり、ビジネスの継続は非常にむずかしく、ロングセラーのキャラクターは様々な工夫があって生き延びているのです。

コンテンツマーケティングについて その6

2019年9月21日 (土) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。コンテンツマーケティングの続きをお話します。今回は具体的な業界として出版業界を取り上げます。出版業界は、1996年の販売額をピークに、減少傾向が続いており、特に、雑誌が苦境にあり、取次、書店の倒産も続いています。人々は、空いた時間に本や雑誌を読むことに時間を使わなくなり、スマートフォンに多くの時間を使うようになりました。博報堂DYメディアパートナーズメディア環境研究所(2019)によると,生活者のメディア総接触時間(1日あたり,東京)は,テレビ153.9分,ラジオ25.0分,新聞16.6分,雑誌10.7分,パソコン59.0分,タブレット端末28.8分,携帯電話/スマートフォン117.6分となっています。出版社のなかには、こうした状況下でもライツビジネスや電子コンテンツに注力して売り上げを伸ばしているところもあります。

(出所)博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所(2019). 『メディア定点調査2019

2019年8月26日インドネシアバンドン工科大学 ID.GAGAにてkeynote speech(2019インドネシア出張報告その4)

2019年9月20日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース


IEVCのあとは、バリ島からバンドンに移動して、バンドン工科大学を訪問しました。昨年、Game workshopで学生らと一緒に訪問した大学です。IEVCの前後に3つの大学を訪問する計画を立てて、予定を伺ったところ、昨年訪問した時に開催されていたID.GAGAを開催するので、keynote speechをしてほしいという依頼が来ました。

偶然とはいえ、昨年は三上先生がkeynote speechをしており、様子もわかっていましたので、アニメやゲームのための制作技術について紹介すればいいかなと思って、お引き受けすることにしました。承諾の連絡をしたあとに、届いたメールには、日本における産学連携のIntellectual Propertyに関することを紹介してほしいということでした。

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少し考えてから、この機会にいろいろ調べてみようと考えて、このテーマでお引き受けすることにしました。
ちょうど、キャラクターメイキングの研究や講義で、著作権やコンテンツの知的財産については少しづつ紹介していましたので、それらを種に国内での産学官のコンテンツ制作、ゲーム制作に関するさまざまな連携を調べました。

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コンテンツマーケティングについて その5

2019年9月20日 (金) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。コンテンツマーケティングの続きをお話します。では出来上がったコンテンツはどのようにして人々に知られるのでしょうか。今ではインターネットの広告やソーシャルメディアの上で拡散することが良くあります。加えて、広告が必要になることがあります。広告とは、アメリカマーケティング協会による定義では、「メッセージの中に識別可能な営利企業や営利組織または個人が、特定のオーディエンスに対して、製品、サービス、団体またはアイデアについて、伝達または説得をするために、さまざまな媒体を通して行う、有料の非人的コミュニケーション」とされています。広告には、具体的には、インターネット広告、テレビコマーシャル、新聞広告、雑誌広告、屋外広告、など、多様な形態で提供されおり、コンテンツを人々に知ってもらうためには必要なことです。

コンテンツマーケティングについて その4

2019年9月19日 (木) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。コンテンツマーケティングの続きをお話します。ではコンテンツと芸術はどうちがうのでしょうか。コンテンツマーケティングは芸術を作るためにあるものではありません。あらかじめビジネスとしての計画があり、そのなかで制作が行われます。しかし、芸術はそうではなく、芸術家が生み出す時に生まれるものです。とはいえ、コンテンツマーケティングの結果、できあがった作品が、芸術として認められることは多くあります。ポピュラーミュージックとして作られた曲が今やオーケストラの演奏会で演奏されたり、マンガが芸術作品として博物館で展示されたりすることも多々あります。目的と違った結果を生み出すということがあるといえます。

コンテンツマーケティングについて その3

2019年9月18日 (水) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。コンテンツマーケティングの続きをお話します。コンテンツのビジネス構造を考えるとき、大きく、制作(create)と製作(produce)の段階があることに気が付きます。制作(create)とは作者が著作物としての作品を作ることです。これを行う人はクリエイターと呼ばれます。一方、製作(produce)とは、製作者(コンテンツホルダ)が大量生産品、複製品である製品に変容させることです。これを行う人はプロデューサーと呼ばれます。この、クリエイターとプロデューサーは、一緒に仕事をしていますが、本質的に追及していることが異なります。クリエイターは作品が第一の場合が多く、お金を得ることも大事にしますが、そればかりではないことが多いです。一方、プロデューサーは基本的にビジネスパーソンとして、お金や著作権を守ることを主体に考えます。

コンテンツマーケティングについて その2

2019年9月17日 (火) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。コンテンツマーケティングの続きをお話します。コンテンツはこれまではあまりマーケティングの対象になってきませんでした。なぜならマーケティングの手法であつかいにくい特性をそなえていたからです。ではコンテンツはどのような特性をもっているのでしょうか。コンテンツは、著作物としての作品を源泉としており、製品は、企業の中だけで作ることはむずかしいという特徴を持っています。コンテンツという製品の核になるのは作品です。この作品は企業の中では生み出しにくいことがあります。たしかに、ゲームや映画は、多くの場合、企業の中で生み出されています。しかし、小説やマンガ、楽曲などは、個人の作者が生むことが多くあります。

2019年8月21-24日インドネシア、バリ島IEVC2019参加(2019インドネシア出張報告その3)

2019年9月16日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

このインドネシア出張もその3になりました。画像電子学会が主催するIEVC2019にはメディア学部からたくさんの教員、学生が参加しており、私が紹介することもないかと思いますが、とてもIEVCとは関係が深いので紹介したいと思います。

IEVCの正式名称は
The 6th IIEEJ International Conference on Image Electronics and Visual Computing (IEVC 2019)
です。2つの分野があることが分かります。Image Electronics と Visual Computing です。

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IEVCの歴史は、このページを見てください。
IEVC2007 Cairns, Australia
IEVC2010 Nice, France
IEVC2012 Kuching, Malaysia
IEVC2014 Koh Samui, Thailand
IEVC2017 Danang, Vietnum
というように、2年か3年おきに開催しています。私は画像電子学会の会長も経験したこともあるために、すべてのIEVCに参加しております。いろいろな国で多くの研究者との交流をしてきました。

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コンテンツマーケティングについて その1

2019年9月16日 (月) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。今日から7日間にわたりコンテンツマーケティングについてお話します。ここでいう、コンテンツマーケティングとは、コンテンツ、すなわち、作品を核にしたマーケティングのことです。具体的には、人間の創作活動の成果である作品を核に、「コンテンツ」、すなわち製品をつくり、その製品を著作権法上の権利をもとに、様々な形態に変容させ、コンテンツホルダが、様々なメディアを経由して、顧客に提供するマーケティングのことをいいます。メディア学部では、コンテンツのクリエイション、技術に加えて、販売したり広めたりするために必要な手法も学んでいます。

学会発表の楽しさ

2019年9月15日 (日) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

秋の学会シーズンですが、最近は学部生でも学会発表をする人が増えてきました。初めての学会発表のときには、緊張して不安そうな人も多いですが、学会が終わって帰ってくると、ほとんどの人が「発表して良かった」と言います。そこで、まだ学会発表をしたことがない人のために、学会発表の楽しさを紹介したいと思います。

第一のメリットは、発表が何よりの自己紹介になるということです。学会では、懇親会があったり、あるいは先生の人脈で他の研究室の人と一緒に食事に行ったりすることがありますが、発表をすませた人には、いろんな人が話しかけてくれます。話しかける側からしても、「あの研究おもしろいですよねー」なんて声をかけやすいですよね。初対面の人と仲良くなるのは、普通は大変なことですが、発表のあとならそのハードルがぐっと下がるのです。

もちろん、研究そのものに関するメリットもあります。自分の研究テーマに関して、普段から研究室内ではいろいろ議論しているでしょうが、メンバーが限られると、どうしても似たような議論に終始してしまいます。しかし、その話を始めて聞いた人からは、思いがけない視点でのコメントをもらえることがよくあります。学会でもらったコメントをきっかけに、研究が思わぬ方向に発展していくということはよくあります。

そして何より、自分の発表に大勢の人が注目してくれるというのは、他になかなかあることではありません。みなさん、ロックスターやオリンピック選手になって聴衆の注目を集めるのって、あこがれますよね。でも学会発表だってそれに近いものだと思えば、何だか楽しそうな気がしてきませんか?

それはわかりにくい文ではないかと考えられる

2019年9月14日 (土) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

卒研生や大学院生の研究成果を国際会議に投稿し、英語で学会発表をすることがあります。そういうときは、まず学生さんに原稿を書いてもらって推敲するのですが、そんなときに私が真っ先に削るのが、"It is considered that ..."という表現です。

英語での執筆に慣れていない人が論文を書くと、この表現が本当に良く出てきます。たぶん日本語の論文でも「~と考えられる」という表現を多用していて、それをそのまま英訳しているんでしょうね。しかし、こうした曖昧表現が文末に来る日本語の場合とは違い、英語では文の出だしがいきなり曖昧になり、わかりにくさが倍増してしまいます。

翻訳ソフトの精度向上で、英文論文の執筆そのものの敷居はずいぶん下がった気がします。しかし、上の例のように、わかりやすい論文を書くためには、やはり多少のコツが必要ですね。でも、こういうことに注意してわかりやすい英文を書くよう心掛けていると、ふだん日本語で書く文章もわかりやすくなると考えられます。じゃなくて、わかりやすくなります。

東京ゲームショウビジネスデイ2日目

2019年9月13日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

本日,東京ゲームショウビジネスデイ2日目です.朝方,昨日の来場者数の報告がありました.メディアを含めて33,000人強ということで,歴代最多人数が来場した昨年よりも1,000人以上多い結果となりました.

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昨日,今日とブースにいて感じるのは卒業生の活躍と母校愛ですね.

様々な企業の人事の方がお越しになるのですが,皆様卒業生の名前を挙げていただいたうえで,活躍の様子を聞かせていただいております.卒業した皆さんが,これまでの学びをしっかりと生かして,企業に入っても学び続けて成長している姿がはっきりとわかります.

ゲーム業界は大変変化の激しい業界ですから,大学時代に得た知識やスキルだけではその変化についていくことはできません.勉強の仕方研究の仕方をきちんと身に着けることで,新しい技術を理解して職場に取り入れることができるようになるわけで,そうした実践ができていることと,それができる職場の環境があることが大変喜ばしいです.

前回のエントリーにも書きましたが,大変多くのOBが会場で東京工科大学ブースを見つけ,後輩の作品に対して貴重なアドバイスをくれたり,現場でのいろいろなお話を聞かせたりしてくれています.

上下のつながりも大切にできていて,本当に卒業生たちには感謝しています.全員紹介することはできないのですが,来場した人の一部を写真でご紹介しておきます.

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東京ゲームショウ向けの作品は,おおよそ1年をかけて制作します.これまで多くの苦難を乗り越えて何とか形になった作品を展示して意見を聞く機会は大変貴重です.ぜひ,この経験を生かして,自分の目標を実現すべく頑張ってほしいと思います.

 

文責:三上浩司

バリ島・番外編

2019年9月13日 (金) 投稿者: メディア技術コース

先日IVEC2019の国際学会のことを書きました。今回は、開催地のバリ島で見た物について書きたいと思います。

(1)バリ島のデザイン

建物の中や町中に像があり、祀られています。写真は学会会場にあったカエルの形をした照明器具です。ユーモラスですね。

Frog

(2)生き物

至る所で様々な花を見ることができ、良い香りもしています。下側の写真はよく歩いていたハトです。日本のキジバトと大きさは似ていますが少し色合いが違い、鳴き声も違います。会場の庭にはリスも来ていました。

Flowers

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(3)バリ島の風景

会場近くの浜辺です。サンゴの塊が散らばっているので泳いだらケガをしないかと心配になりますが、海水浴をしている人も少しいました。夕方に馬で散歩している人がいる場所もありました。

Coral

Seashore

次の写真は、各商店の入り口に置いてあるお供えです。バナナの葉っぱのようなもので正方形や花形の皿を作って、そこに花や線香、お菓子が置いてあります。

Misesaki

(4)学会中に食べた物

学会中は基本的に近所のモールや町中の食堂に出て昼食をとりますが、図は近くのフードコートで食べたミーゴレン(焼きそば)とサテ(焼き鳥)のセットです。料理にはよく下半分にあるようなエビせんを思わせるようなチップスがそえてあります。魚味や野菜味があるようで、フードコートの隣のスーパーでも売られていました。

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Chips

 

あと、日本からの参加者に好評だったのは空心菜(中が空洞の茎を持った菜っ葉)の料理です。ソースのようなものでほどよい味付けがされていて歯ごたえもあり、おいしいです。Vegetablem

 

筆者が感動したのは、料理と一緒に注文したジュースでした。ドラゴンフルーツ(左)、スターフルーツ(右)などさまざまなものがあり、どちらも爽やかな酸味と甘みで非常に感激しました。材料のフルーツを食べてみたくてスーパーで買ってみました。赤いタイプのドラゴンフルーツは中身も赤紫です。スターフルーツはその名の通り、断面が星形です。どちらもジュースとは違い甘みは想像より少なかったのですが、これはこれで、さっぱり目のスイカとナシみたいな味で味わい深かったです。Fruitm

メディア技術コース 越智

 

いよいよ開幕東京ゲームショウ

2019年9月12日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

本日いよいよ東京ゲームショウが開幕しました.本日はビジネスデイということで一般日と比較すると来場者は少ないのですが,それでも朝から多くの方がブースを訪問してくださり,学生の開発したゲームを試遊し貴重なコメントを残していってくれました.

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また,研究開発コーナーで熱心に研究について聞いてくださるなど,多くのお客様に恵まれております.

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メディア学部はゲーム業界に就職する学生も多く,またその内容や経験が現場に出てからも大変有用であることから,実にたくさんのOBの方がブースに訪れてくれます.

皆さん,ゲーム業界になくてはならない人材に成長してくれているようで,企業の人事の方も多く訪れて,優秀な卒業生の後輩をぜひ採用したいとおっしゃっていただける機会も増えました.大学としてはありがたい限りです.

 

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明日もビジネスデイが開催されます.

また速報をお伝えしたいと思います.

 

文責:三上浩司

本の量り売り(Re:Design #1)

2019年9月12日 (木) 投稿者: メディア技術コース

私は本が好きで、学会や旅行で行った先で本屋を見かけるとつい入ってしまいます。本が好きということについては、本の内容についての「好き」の他に、紙で綴じられた「本」という形態が好きであるという面もあるのではないかと思います。表紙のデザインや文字の印刷、挿絵などが魅力的で、外国語で書かれていて内容が読めなくてもモノとして素敵だと感じます。本はかさばるので電子書籍がいいという人も多いかもしれませんが、それは本の内容だけを対象とした考え方ですね。造形物としての本が好きな場合は、電子書籍では満足できないのです。といっても、格別の綺麗な本でなくて一般的な文庫本でも、新品のきれいな装丁の本で十分魅力的なものを感じてしまうことがあります。また、本が沢山並んでいるところを見ること自体も楽しく感じます。

 

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左:台湾(台中)の書店、右:スペイン(バルセロナ)の書店

 

さて、色々な書店や図書館に行って共通することは、本の配置でしょう。普通、本はジャンル別に分けられ、さらに細かい分類や、小説などであれば著者別になって置かれています。そうすることで希望の本を見つけやすくなっているわけです。これは、本をその内容によって選ぶということを前提とした方法ですね。当たり前のように思いますが、世の中には少し異なったアプローチをしている例があります。

 

近畿大学の学生用の施設の工夫として、本が置かれている場所を迷路のようにしているというものがあります。道筋が斜めに入り組んでいてあえて迷うように作られているとのことです。本自体はジャンル別に配置しているようですが、あえて目的の場所にスムースに進めないようにすることで、興味あること以外の本との出会いがあるようにしているのです。大学という場であるため、学生により広い教養を持つようになってほしいということからこのような設計をしているのです。

 

別のアプローチは、どこの国だったか忘れてしまったのですが(スペイン?)、市場の中で本を売っている店があって、なんとそこでは肉のように本が量り売りされています!そうした値段付けが可能なのは中古本を扱う店だと思いますが、内容や元の定価などによらず、グラム当たりいくらというように値段付けがされています。普通、本の値段を重さで決めるなんてことはしませんね。本の価値を内容に依って決めているのではないことが明らかです。しかしながら、これは本の内容を無価値なものと考えた結果ではありません。店主によると、自分で選んで店に置いてある本はどれも価値のあるもので内容によって差別できるものではないため、内容でなく単純に物体としての違いとして重さによる値段付けをしているのだそうです。これは配置とは関係無いことでしたが、この考え方を適用して、重さ別に本を並べて置くということができそうですね。そうすることで、本の選び方が変わってきそうな気がします。外出のときに持ち歩く用に軽い本が欲しいと思って選ぶのであれば軽い重量の棚から本を探し、部屋に飾る重厚な本が欲しいという場合には最重量級の棚を探す、なんて選び方がでてくるかもしれません。

 

私達は、様々な事柄や方法について、現在のものを当たり前のものとして疑いもなく受け入れてしまっていることが多いと思いますが、そこに従来とは違う対象との関わり方を導入してみることによって、全く新しい価値が提示されることがあるのです。これは、人とモノとのインタラクションをデザインするということです。こうしたインタラクションのデザインという考え方で物事を見直すことによって従来のアプローチを便利にしたり楽しくしたりする可能性が多々あります。また、そうした人との関わりという視点を全く考えられていないなと不満に思うことが世の中には多々あります。私の研究室では、既存のものをデザインしなおす新しい視点、面白い視点を見つけるようなことをテーマとして取り上げたいと考えています。

 

 

太田高志

 

明日から開幕「東京ゲームショウ2019」

2019年9月11日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

 

いよいよ明日9月12日から,「東京ゲームショウ2019」が開幕します.

東京工科大学は先に出展を始めていた専門学校と合同展示する形で,2007年から展示をはじめ今年で13回連続での出展となります.オープンキャンパスなどで来場者にプレイしてもらった意見を踏まえさらにブラッシュアップしたゲームや,ゲームに関する卒業研究や大学院生の研究を展示します.

出展のお知らせWebページ

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展示準備の様子

 

今年はPCゲームが3チーム,スマホゲームが2チームの合計5チームが作品を展示します.ギリギリまで作品のチェックや展示素材のチェックなどをして何とか出展にこぎつけました.

今年の出展ゲームのWebサイト

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最後のチェックの様子

9月14日(土),15日(日)は一般の方も来場できる一般デーです.ぜひ興味のある方は幕張メッセ

場所は幕張メッセ1ホール ゲームスクールコーナー 1-N14です.

文責:三上浩司

学会ってどんなとこ?

2019年9月11日 (水) 投稿者: メディア技術コース

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今は学会シーズンです。連続して3つの学会に行ったので、それぞれの特色を比較しつつ、学会ってどんな雰囲気なのかについて紹介します。

(1)国際会議IEVC2019

  1. 画像がテーマ
  2. インドネシアバリ島で行われた

サウンドの研究が専門の私はこの画像の学会で、画像と音を両方使った研究の発表を行いました。VRなどを目指した360度映像・画像で臨場感の高いバイノーラル録音を活用する研究プロジェクトです。学会発表には大きく分けて、口頭発表とポスター発表の二種類があります。私は今回ポスター発表を行いました。口頭発表は通常の座学形式の発表で、プレゼンテーション+会場からの質疑応答で構成されます、それに対し、ポスター発表とは、研究内容を印刷したA0サイズ程度の大きなポスターを壁に貼ってその前に立ち、見に来た学会参加者に対して直接説明するという形式です。一対多の口頭発表に比べてよりインタラクティブでありたくさんの意見を聞くことができます。今回は、画像やゲームなどに関わる研究者とそのコンテンツに付与する高臨場感がある音とはどういうものかについて活発に議論する機会を得ることができました。

ところで、IEVCは画像を扱う学会であることもあり、ポスター発表の発表者にも、全員の前で自分の発表の概要を1分で述べる時間(ファスト・フォワード)があります。例えばCGについての研究であれば、画像を載せたスライドを出して、聴衆の興味を引いてたくさんの人に聞きに来てもらうことができます。一人1分しかないため、発表者が列になって次々と入れ替わって話すという光景が見られます。

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さらに、余談ですが、お昼休憩には地元のインドネシア料理の食堂に行きました。写真のようなスープを注文しました。あっさり味でのスープと、ご飯と、激辛唐辛子ソース(左上)の組み合わせがとてもおいしかったです。たいていの料理にライムが添えてあったり、レモングラスというハーブがふんだんに使われていて、辛さの中にも爽やかな清涼感を感じることができます。この学会参加を通じてインドネシアの食文化の奥深さとすばらしさを体験することができました。

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(2)JSSFD(日本吃音・流暢性障害学会)

  1. 医療系学会
  2. 当事者(患者)・家族参加型
  3. 今回は神奈川県

次は、がらっと変わって、国内の医療系学会です。筆者が助成金を受けて行っている研究プロジェクトに関わるテーマであり、特定の疾患を扱っている珍しい学会です。また、当事者と家族が参加しているという意味でも特色があり、患者にとっては自分たちの疾患の会に自分たちが参加せずに専門家だけで話し合われる、という従来の形の学会にはない画期的な交流が行われます。とくに、お昼にマイメッセージというプログラムがあり、経験談が語られて生の声が患者と専門家の間で共有されました。

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(3)ASJ(日本音響学会)

  1. 音がテーマ
  2. 学際的・文理融合型
  3. 今回は滋賀県

最後は、音響・音声・音楽など音を扱った学会についてです。音についてなら、言語を研究する人文系の専門家の話、音響教育、建築物での音の響きなどを扱う話、騒音の話、超音波の話など、なんでも含まれています。つまり、聞きたい音、消したい音、聞こえない音、色々な話題があるのです。たくさんの部屋に分かれて口頭発表やポスター発表が行われていて、色々聞いて回ることができます。質疑応答では、結構厳しく鋭い質問が飛んだりします。音を流す発表が多いので、いざ発表時に音が出ないということがないよう、発表者は入念に確認して発表に臨みます。

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学生の皆さん、このように学会には様々な独自の特色があります。発表の時はドキドキ緊張すると思いますが、是非チャレンジして学外の人と意見交換して自分の研究に磨きをかけてください。

 

メディア技術コース 越智

タイピングの話

2019年9月10日 (火) 投稿者: メディア技術コース

大学の1年生の前期には「情報リテラシー演習」という、大学の授業あるいは将来必要になるであろうIT関連の基礎知識をトレーニングする演習が用意されています。この演習を担当していると昨今の大学生のコンピュータースキルの変化も分かって興味深い面があります。

授業前にアンケートを行って各学生がどの程度のパソコンの習熟度があるかを調べるのですが、近年はパソコン教育も充実して使い慣れた学生ばかりになっている…かと思いきや、逆にスマホなどの普及によってパソコンを日常で使う習慣が薄れてきているような印象を受けます。そうですよね、スマホがあれば大抵のことができるので、わざわざパソコンなんて使わないのです。

ちなみに、パソコンを持っている人へのアンケートをしたところ、「パソコンでメール操作を行うか?」という項目では、メールを扱う学生はパソコン所有者の43%に留まる結果になりました。現代の若者はメールより身近なLINEなどのツールに流れているようです。

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さて、パソコンの一番のハードルとして四苦八苦するのがタイピングです。大学1年の「情報リテラシー演習」では、タイピング練習も必須になっています。パソコンに普段触っていないと訳が分からないのがこのキーボードのキーの並びですね。

1980年代のSF映画を見ているとしきりに未来のコンピュータの仕様として、音声で命令というのが出てきます(あとよくわからないチカチカ点滅するランプも)。映画「スタートレック4/故郷への長い道(1986)」の中では、80年代に戻った未来人が、パソコンの操作インターフェースを見て、音声入力が無いのに驚き、キーボードを見て「なんて原始的な」と面白がってタイピングをする様子もあります(未来人は習わなくても、さくさくキーボード打てるのです)。この映画の製作から30年以上経っていますが、いまだにパソコンの操作はキーボードです。

文字を印字するタイプライターの発明自体は19世紀中ごろですが、商業的に量産され始めるのは20世紀初めくらいで、この時、タイピングの効率化を図るために、1882年に作られたQWERTY配列のキーボードが使用されます。このキー配列は上段にAIUEOの母音を配置し、残りを“アルファベット順〟に中段左から右に、下段右から左に並べたもので、さらに当時の年号19XXや18XXが打ちやすいように数字の8,9の近くにIを配置(数字の1と兼用)したり、モールス信号の翻訳結果を打鍵しやすいように似た符号のZ,S,Eが並んだり(さらに下段からTQPRYが上段に)、という経緯で現在の並びになっています。一見、キーの並びはランダムに見えますが中段は左から右、下段は右から左にある程度アルファベット順に並んでいるのが観察できると思います。決してランダムというわけではないのです。

タイピングの速度は早い人は1秒間に25打鍵!くらいできるようなので(1分間に25×60…)皆さんも頑張ってその域に達するように心がけましょう。わたし?私はいまだにキーボードを見て打っている派です。

…と、この記事を書いていたら、“脳波でタイピング〟をする技術のニュース記事が目に留まりました。(ソースはこちら
天津大学の大学院生の方が1分あたり691.55バイトの情報伝達速度を記録したとか(そして、普通の人のスマホ操作が1分に600バイト程度とか)。もっとも、打鍵には結構集中力が問われるようなので、まだまだ思っただけで簡単に文字が打ち込める世界は遠いようです。

(以上 文責:1年次「情報リテラシー演習」担当 永田)

 

ゲーム理論とゲームについて(2) 「ナッシュ均衡」と「囚人のジレンマ」

2019年9月 9日 (月) 投稿者: メディア技術コース

渡辺です。こんにちは。
7/5の記事で「ゲーム理論」に関する解説を掲載したのですが、そこから随分間が空いてしまいました。当初は二週間くらいで投稿するつもりだったのですが、学生の研究発表やら採点やら学会やらが続いてしまい、ズルズルとこの時期まで延びてしまいました...
さて、この記事は前回の続きとなりますので、まずは前回記事をご覧下さい。そちらでは、「ゲーム理論」という学問領域の紹介を簡単に行っています。
ジョン・フォン・ノイマン(1903-1957) とオスカー・モルゲンシュタイン(1902-1977)により創始された「ゲーム理論」は、当初は社会や経済の世界の事象を数学的に記述していくことに重点が置かれました。これにより、これまで論述的にしか分析がなされなかったことを数学的に分析することが可能となったことは確かなのですが、それはあくまで「問題を数式として記述できた」ことを意味するだけで、具体的にどのように最適な解を求めることは困難と言えました。
これに対し、1950年にジョン・ナッシュ(1928-2015)が今では「ナッシュ均衡」と呼ばれる画期的な手法を発表しました。このナッシュ均衡を説明する前に、ゲーム理論における用語を先に説明しておきます。
まず、ゲーム理論とは「複数のプレイヤーが様々な行動を行いながら自身の利益を追求する様子を記述する」というものです。ここでいうプレイヤーは、通常のゲームのように各プレイヤーを指すときもありますし、企業同士の競争の場合は各企業、国同士の争いのときには各国が「プレイヤー」となります。また、プレイヤーは利益を得るために様々な行動を行っていきますが、この行動を「戦略」と呼びます。
ナッシュ均衡はこの「プレイヤー」「利益」「戦略」という用語を用いると、「どのプレイヤーも、現在選択している戦略と別の戦略を選択しても利益が上昇しない」という状態のことを言います。なぜこれが画期的だったかというと、多くの場面でこの「ナッシュ均衡」こそ全プレイヤーが合理的に判断した様子を表すからです。つまり、「シミュレーション」を行うことができるというわけですね。この考え方が提案されて以降、ゲーム理論ではまず最初にこの「ナッシュ均衡」を求めることがセオリーとなりました。また、ゲーム中のキャラクターAIを実現する上でも重要な考え方となっています。
では、プレイヤーはこの「ナッシュ均衡」に基づいた行動を取っていれば、常に最大の利益を得られると言えるのでしょうか?それについて、1950年にアルバート・タッカー(1905-1995)が「囚人のジレンマ」という強烈な事例を提示しました。

続きを読む "ゲーム理論とゲームについて(2) 「ナッシュ均衡」と「囚人のジレンマ」"

次世代アニメ制作手法の研究について、国際会議「IEVC2019」にて研究発表

2019年9月 8日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さんこんにちは。メディア学部 特任講師の川島です。
今回は、少し前になりますが、インドネシアのバリ島で開催された国際会議「IEVC2019」での研究発表について紹介します。
ADVANCED SCENE CONSTRUCTION AND COMPOSITE SYSTEM FOR JAPANESE COMMERCIAL ANIME PRODUCTION
私の研究室では、次世代アニメ制作手法の研究をテーマの1つとして取り組んでいます。近年のアニメ作品では、作画と3DCGを組み合わせてダイナミックで複雑なショットを作る機会が増えていますが、3DCGデザイナーと撮影(映像合成のことをアニメ業界では「撮影」といいます)の担当者の両者の負担が増して、トラブルが起きやすいのが現状です。そこで本研究では、バラバラだった3DCGと撮影の作業工程を1つにまとめる、画期的なシステムを提案しています。

Pipeline

これを実現するツールを、近年の映像コンテンツ制作で多方面から期待されているゲームエンジン「Unreal Engine 4」をベースに開発しています。ゲームエンジンでは美しいCGをリアルタイムで表現できますので、この新しいツールを活用することで、制作作業の大幅なスピードアップが期待できます。

Tool

※ 権利関係の都合により、画像の一部をぼかしています

 

本研究は老舗で数々の有名アニメ作品を手掛けている旭プロダクション様との共同プロジェクトとして取り組んでおり、今後も実際の作品制作での活用を前提に開発に取り組んでいきます。
ところで、IEVC2019では、教員や研究者の方々だけでなく、多くの学生が口頭発表やポスター発表を行っていました。在学中に国内外の学会で発表することはハードルが高く感じるかもしれませんが、発表の前後では素敵な懇親会があったり、会場付近の散策などリフレッシュできる楽しみもあります。就職のアピール材料にもなりますので、ぜひ、チャレンジしてみてください!
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2019年8月20日インドネシア、iSTTS訪問、講義を実施(2019インドネシア出張報告その2)

2019年9月 7日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

INSTITUT SAINS and TEKNOLOGI TERPADU SURABAYAとは昨年提携をしたばかりです。

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提携はITS(スラバヤ工科大学)の博士課程学生として2013年にEndang先生が来学して、三上先生、柿本先生、近藤らが研究指導したことがきっかけです。その後、iSTTSのEsther先生もITS博士課程の学生として来学して藤澤先生のもとで研究をしています。

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今回のインドネシア訪問で、スラバヤ工科大学を訪問することを知ったEndang先生が、講義をしてほしいということを依頼してきました。提携してまだ本学の教員はどなたも訪問しておりませんでしたので、この機会に訪問して講義をすることにしました。

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日本認知科学会第36回大会の紹介(2)

2019年9月 7日 (土) 投稿者: メディア技術コース

今日の午後のオーガナイズドセッションの紹介(榎本)

 

7日午後からは,いろいろな大学の先生が企画したオーガナイズドセッションというものが開催されます.こんな発表を募集します,こんな議論がしたいです,というような企画を自由にしてよいというものです.午後一には次の4つが開催されます.

 

OS06「新しい認知科学には何が必要か(諏訪,青山,伝)

情報処理モデル

・心の内側を

 ・知識を格納

 ・世界情報に対して知識を適用

 ・計画,アイデア,仮設を得る

と表現

・環境は心に相対する存在

 

情報処理モデルの限界

Representation をづてkぃな物事としてとらえていない

  ーRepresentation :世界を動見るか,どういう側面に着眼するか

CF. 認知の本来のあり方(状況依存)

 ・知覚は受動的ではない.自己,心の状態,行動に応じてその場できまる.

・身体を持たない(身体性を扱えない)

 

これまでの認知科学は「科学」にならんとするあまり,上記をあまり使ってこなかった

近代科学の普遍性,客観性,論理性を重視

⇔ 生きるということ

・「私」が世界の中で行動し,世界を捉える(身体性)

・「他」に出会い,「影響を受ける」

実践の場に出た研究者はその実践の対象をどのように記述すべきか?

 

他者の研究成果をどう理解すべきか?

 -> 臨床的な(物語的な)理解をすべき

個別具体の物語として,そのエッセンスを「味わう」

 ⇔ Cf. 普遍的な/検証された知見やモデルを求める

 

 

OS08プロジェクションの理論とモデルへ向けて(島田,久保,川合)

モノマネやカリスマ,フリ遊び,物語,自己イメージ的な「プロジェクション(投射)」という概念を用いるとうまく説明できる現象は何かを中心的テーマに取り上げ,プロジェクションの理論とモデルの構築を目指します.

投射とは

・トップダウンの予測=投射

・双方向的

・単なる知覚ではない,主観的「意味」を帯びた世界

Projected Reality = 世界と内部モデルが混合した主観的経験としての「世界」

 

うまく説明できそうなこと

・なぜ我々は墓石に対して経験な気持ちをいだくのか?

・なぜスポーツ選手やカリスマに鉄橋的な応援・支持をするのか?

・なぜなにもない所に人の気配を感じるのか?

・なぜ小説は読むたびにその印象が変わるのか?

・なぜ人類は神々を生み出したのか?

 

身体的投射と物語的投射

Gallagher(2000)

・身体的自己(minimal self)

    ー身体所有感

 ー運動所有感

 「現在】における感覚運動的な自己感

・物語的自己(narrative self)

ー時間的に拡張した自己の一貫性

ー人生の連続性を感じさせるには「物語」が有効

 

 

OS09 ゲーム研究の新展開と認知科学(伊藤,松原,山本,狩野,大澤)

Deep Blue vs カスパロフ(1997)

AlphaGo vs 柯潔九段(2017)

Ponanza vs. 佐藤天彦(2017)

 

古くからゲームを題材とした思考(問題解決,学習)研究が行われてきた

ーパズルや4枚カード問題

ー囚人のジレンマなどのゲーム理論

ーチェス,将棋,以後などの二人完全情報確定ゲーム

ー麻雀,カードゲームなど

 

1997年から今日までの20

1997年:コンピュータチェス Deep Blue(IBM)がカスパロフ氏に勝利

1997年:ロボカップサッカー大会

1998-2001年:さきがげ「情報と知」将棋プロの熟達化の研究

2006年 コンピュータ将棋:Bonanza

2006年 コンピュータ以後 モンテカルロ木探索の登場

2017年 コンピュータ将棋 Ponanza

2017年 コンピュータ囲碁 AlphaGo

新しい機械学習手法の登場で人工チノが扱えないとされてきた問題が解決可能になる

この後の課題

  1. より複雑なゲームをプレイする人言の認知過程(人狼,ロボカップ,カーリング)
  2. 賢くなったゲームAIと人間の新しい課題(人間らしさの変化,価値観(美意識)の変化)

 

OS10 言語コミュニケーションにおける階層性と意図共有の統合:人間性の進化的理解へ向けて(橋本,小林,岡ノ谷)

 

階層性

人間言語の特質

例) 大きな 縞々の 服

     ー大きな縞なのか大きな服なのか?

概念構築物の形成

 

意図共有

・人間のコミュニケーションの特質「相手が実現したい状態(意図)を理解し,自分もそれを実現しようとすること,相手も自分がそれを実現しようとしていることを理解すること」共になにかを成す

 

言語の起源,コミュニケーションの進化

 

人間の進化的理解へ

 

日本認知科学会 第36回大会での講演の紹介

2019年9月 7日 (土) 投稿者: メディア技術コース

おはようございます.榎本です.

ただいま,静岡県の浜松市にある静岡大学で開催されている日本認知科学会 36回大会に参加しています.

今朝は,田中悟志(浜松医科大学)のご講演で,「研究成果の社会還元ー医療応用を具体例として」というものです.

医学では,効果のあるとわかる結果をどのように実践に結びつけているかというお話です.大変興味深いないようだったので,ご紹介します.

 

ランダム化比較試験で効果を確かめるというのが基本だそうです.

例)脳卒中患者の下肢筋力に対する軽頭蓋脳刺激実験です.実際に刺激を脳に与えたグループが偽の刺激を与えたグループより,良い効果が得られたら,効果があったとみなすものです.

 

システマチックレビューとメタ分析

・データベースから抽出した研究から,目的に合わない研究,基準にあわない研究をのぞいて,平均効果量を抽出して,やはり軽頭蓋脳刺激に効果のあることを確かめて,実際に医療現場で用いるそうです.

 

認知科学研究の社会還元への提案

1.  研究デザインのエビデンス・レベルを意識する

2. エビデンス・レベルを高める工夫をする

3. 成果を還元したいのは集団か個か,明確化する

4. 成果を個に還元するための方法を考える

5. シングルケース・デザインを活用する

ランダム化比較試験であれば,何でも高いエビデンス?

GRADEシステム

  1. 初期評価
  2. グレードダウンさせる要因:バイアス,結果の非一貫性,まばらなエビデンス,非直接生,不精度,出版バイアス
  3. グレードあ@p@うさせる要因:効果量が多いなど
  4. 最終判断

エビデンスレベルを高める工夫

・研究計画の事前登録:UMIN 臨床試験登録システムに事前に登録して公開する.

 ⇒データ取得中に目的,デザイン,患者選択基準,データを変えることができないようにするため.浜松医大だとこの登録をしないと学内での実験が倫理委員会で通らない.

・ネガティブ・データの報告:ネガティブ・データは出版されにくい

 インパクトファクターの高くない論文でも7rejectされた経験がある.

ネガティブデータの報告は,システマチックレビューを行う上で重要

・多国間研究

  話し合いで記憶変わる(目撃証言)

   10ヶ国,N=486 という研究,外的妥当性が高い(一般化可能性が高い)

 

エビデンスを還元するのは集団か個か?

母集団サンプルを抽出グループ研究(エビデンス)個人 or 集団

例) 2型糖尿病を予防するための保健指導

  ・プラセボ群(偽刺激群),メトホルミン群,集中保健指導群 で調査

  発症率-> プラセボ群(偽刺激群)>メトホルミン群>集中保健指導群

集団に適用(◯)

・保健指導を医療政策として導入

・糖尿病予備群700万人

・約101万人の予備軍を救済

 

個人に適用(☓)

・予防効果は個人では評価できない

・治療効果:効果のばらつきが大きい場合,その個人で効くかは試してみないとわからない

 

個の治療にどのように落とし込むか?

・研究によるエビデンス

・医療者の専門性・経験

・患者の価値観

この3要素を統合する.

  1. 患者の問題の明確化
  2. 室の高いエビデンスの収集
  3. 得られたエビデンスの批判的吟味
  4. エビデンスの患者への適用(医療者の専門性・経験,施設の設備状況,患者の意向や価値観)
  5. 適用結果の評価(帝王結果を評価し,次のプロセス改善に役立てる)

=その患者で計画・実行・評価・改善を繰り返す

 

例) 1,2,3は「認知症疾患診療ガイドライン」で代用できることもある

  アルツハイマー型認知症の診断にアミロイドPET検査は有効か  ーー 効果A

      アルツハイマー型認知症の診断にアミロイドAPOE遺伝子検査は有効か  ーー 効果C

 

シングルケース・デザインの重要性

  1. 応用現場における効果の計測と評価
  2. 個人レベルにおける効果のエビデンス

個人における治療効果を直接推定でき,その参加者自身の治療の決定に役立てられる

 

方法

 ・AB法:ベースライン(A)に対し,介入(B)が効果的かどうかを調べる

 ・反転法(ABA法):介入時のみ効果があることを確かめる

 ・多条件反転法,複数の介入を比較する(ABCBCACACなど)

 

など.

2019年8月19日インドネシア、スラバヤ工科大学(ITS)訪問、講義を実施(2019インドネシア出張報告その1)

2019年9月 6日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

2019年8月19日ITSで先生方と交流の打ち合わせ、午後は私が講義をして、その後、研究室見学をしました。
8月後半は新学期で学生もいろいろな行事や講義があり、私の講義の日程調整が大変であったとのことでした。

午前には、提携活動についてお互いに今までの内容を確認して、今後のことを議論しました。今まで博士課程の学生を2009年から2018年までに11名受け入れて、20編の研究論文を共同で出しています。今後も博士課程の学生の受け入れによる研究交流を進めたいこと、さらには、学部や大学院のダブルディグリーが話題になりました。

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私の講義は「Content Production Technology for Animation and Game」という題目でした。この講義はいくつかのプロセスがあって、開始時にはインドネシア国歌も皆さん歌っていました。

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IEVC2019:国際会議が開催されるまで

2019年9月 5日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

すでに何名かの先生が報告されていますが、2019年8月21日~24日にインドネシアバリ島で開催された国際会議The 6th IIEEJ International Conference on Image Electronics and Visual Computing (IEVC2019) に参加してきました。

本会議は、画像電子学会主催の国際会議で、ほぼ隔年に1回の割合で開催されています。
本学部からは、学部長の柿本先生がExecutive Advisor として、私、竹島がTechnical Program Committee Chairとして運営に参加しました。
国際会議自体には、教員10名、大学院生4名が参加しています。

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個々の発表については、それぞれの先生方からご報告があると思うので、バリ島で国際会議を開催するまでのお話をしたいと思います。

まず、国際会議を開催するための候補地、期間を決定します。そのときの1つの重要なポイントは、発表者が投稿したい、参加したいと思える場所であるかどうかです。例えば、授業期間中に国際会議を開催しても、多くの先生方は大学の講義などで参加することができない可能性があります。また、治安が悪い場所や、旅費が高い地域などは、学生に発表させることを躊躇する場合もあります。と、考えたとき、今回の8月末のバリ島開催は絶妙なタイミングと場所だったと思います。

場所の候補が決まった段階で、下見に行きます。今回の会議に先駆け、昨年4月にバリ島に下見に行きました。会場とするホテルを何件か下見をし、周囲の環境や空港からのアクセス、会場の大きさ、宿泊費などなどから、今回は、Bintang Bali Resortという老舗のホテルで開催することにしました。

と、ここまで聞くと、下見に行ったり楽しそう~という感じがしますが、これからが怒涛のごとく忙しくなります。

投稿を募集するためのHPやシステムの作成、投稿が始まったらその査読の割振、結果の送信、プログラム・予稿集の作成など、枚挙に暇がありません。日ごろ、〆切ギリギリに活動している私ですが、提出してもらう側になると、きちんと〆切とフォーマットは厳守してほしい!と心の底から思います。ちなみに、学会の運営は多くの場合、ボランティアで成り立っています。なので、通常の大学の業務+学会の仕事をしなくてはいけなくなるので、かなり忙しいです。これから論文を執筆される学生さん、是非、〆切とフォーマットは厳守してください!(笑)

今回のIEVC2019は、例年の1.5倍の方に参加していただき、また、様々な分野から画像に関する発表をしていただけました。ありがとうございます。1年半におよぶ準備期間が報われた気がします。

これから、学会に参加される学生さんもたくさんいるかと思いますが、裏でいろいろな人がその準備に携わっていること、たくさんの興味深い発表をしてもらえることを望んでいることを覚えておいて、是非、よい発表をしてください!

(文責:竹島)

ゲーム業界の国内最大の技術カンファレンス「CEDEC」がいよいよ開催

2019年9月 4日 (水) 投稿者: media_staff

メディア学部の三上です.

9月4日から6日にかけて,神奈川県横浜市のパシフィコ横浜において,ゲーム業界の国内最大の技術カンファレンスCEDEC2019が開催されます.ゲームやインタラクティブエンタテインメントの開発に関わるカンファレンスで,技術的な話題だけでなくビジネス的な話題やスタジオのマネージメントなど幅広い分野の最先端の講演が数多く催されます.

三上は2011年から運営委員としてアカデミック・基盤技術分野とインタラクティブ展示の統括や運営を続けています.

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そして,このCEDECで私が仕掛けるもう一つのイベントが「ペラコン」です.

ペラコンとは,紙一枚にまとめられたゲームのコンセプトシートの質を競い合うコンテストのことです.2011年から始め,今年で9回目の開催になります.ゲームデザインの有識者がその時々の時事的な話題を取り込みつつ,ゲームにするには工夫がいるテーマを出題し,そのテーマに沿ったゲームを考えて,そのコンセプトを紙一枚(A4サイズ21mm×297mm)にまとめます.

本学の学生も参加しています.もっとも有名なのは,ベストアマ(アマチュアの中で1位)になり,その後ゲーム業界へ就職し,合計3度ペラコンでベストテンになった「やしろあずき」氏(現在は著名Web漫画家).そのほか2017年もなんと1年生がベスト10に入賞したりしました.

作品はCEDECの会場に張り出され,Webでの一般投票と,著名なゲームデザイナーたちによる審査員審査で順位が決まります.特にプロのゲームデザイナーによるコメントは非常に興味深く,どのような視点でゲームの企画に対して意識をしているのかを垣間見ることができます.ゲームデザインや企画は実に多様性があり,その評価の多様性を知ることができて大変勉強になります.こうしたコメントは審査結果とともにWebで公開されており,ゲームデザインの大変な参考になっています.

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張り出された作品

 

今年は審査投稿システムを本学メディア学部の助教の戀津先生が開発されていて,近年にない投稿・審査環境も構築できました.また大学院生の沼崎君にも運営メンバーに加わってもらっています.こちらはぜひ戀津先生に紹介してもらいたいと思います.

 

文責(三上)

 

「CG-ARTS セミナー」で Houdini ハンズオンセミナーを開催します

2019年9月 3日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.

2019年9月14日(土)に,「CG-ARTS セミナー」で「Houdini ハンズオンセミナー」を開催します!


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このセミナーは,SideFX 社 のプロシージャルな CG 制作ソフトウェアである Houdini を活用するための初心者向けのハンズオンセミナーです.
Houdini はノードベース型の 3DCG ツールとしてその活用の範囲を広げています.
私は東京工科大学で Houdini を講義や研究で活用しており,今回のセミナーの講師を担当することとなりました.

セミナーの内容は,本当に初めて Houdini をやってみようという方向けで,まさにこれから Houdini を始めてみようという方や,企業や学校で Houdini を導入したいという方が「どのようなシラバスで学習工程を組み立てたらいいか?」とお悩みの方などに適したものとなっております.
セミナーで使用する教材一式はお持ち帰りいただき,皆様の学習用としてご活用いただけます.

まだ空席があるようですので,ご興味のある方は是非ご参加ください.

本セミナーへのリンクは,「ここ」からジャンプできます.


文責:菊池 司

「かわいい象」を作ってみました 【おもしろメディア学】

2019年9月 2日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部コンテンツコースの鶴田です。

8/5のタオルで制作された象の記事はご覧になったでしょうか?気になったので自宅のバスタオルとフェイスタオルで作ってみました。

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タオルのサイズは違うと思いますが、おおよそ復元できたかなと思います(頭が大きめ?)。頭部分のタオルが柔らかすぎて鼻や耳の辺りがうまく形成できませんでした。特に鼻の部分は少し水に塗らすとキュッと絞れて良さそうですね。

というか元のモデルを見直すと、かなりしっかりと形成されているので、濡らして絞った状態で乾かしているのかもしれません。実際に手を動かしてみると、意外な気づきがあるものです。

ちなみに、折り紙の世界でもウェットフォールディングという技術があります。気になった人は調べてみてください!

 

写真で体験する8/25のオープンキャンパス!(メディア学部 藤崎実)

2019年9月 1日 (日) 投稿者: メディア社会コース

メディア学部社会コースの藤崎実です。

2019年8月25日(日)、今年最後のオープンキャンパスが行われました。その様子を写真でお届けします!Photo_20190826212401
当日は朝から暑い1日でした。早速会場に入ってみましょう!

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受付です!

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現役の学生が迎えてくれました!いろいろ聞いてみましょう!

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現役の学生から、大学生活の様子を直接教えてもらえるのが、オープンキャンパスの良いところですね!

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メディア学部の説明会も大盛況でした!みなさん熱心に柿本学部長のお話しを聞いていました。

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東京工科大学への入学をご検討中の保護者と生徒のみなさん。
当大学には学びと研究を深めることができる環境と教員、設備などが整っています。
入学後は一緒に学んでいきましょう!

(メディア学部 藤崎実)

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