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大学院生がエンターテインメントコンピューティングシンポジウム2019(EC2019)

2019年9月25日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です

 

本日は,私が指導する大学院生の研究発表についてちょっと簡単に紹介しようと思います.

その前に,この学会「エンターテインメントコンピューティングシンポジウム」は国内最大のコンピュータ系の学会である情報処理学会のエンターテインメント研究会という研究会が主催するシンポジウムです.「エンターテインメント」と「コンピューター」の名前からわかるように,デジタル技術を活用した新たな娯楽を追求する分野です.

メディア学部でも,コンテンツコースや技術コースの多くの先生が所属していて,一つの重要なテーマになっています.私の研究室ではゲームの体験の拡張や向上のために行う研究などを発表してきました.

今回,大学院生の沼崎君はいわゆるVRコンテンツを対象にしました.アミューズメント施設などでは,シミュレーションライドなど油圧式の装置でユーザーが登場した座席そのものの角度を変化させ,VR空間の動きと一致させて体感を高める装置があります.

沼崎君は,この手法を使う際により少ない角度変化でも楽しめる安全なVR表現を検討しました.実際に傾いている傾きを小さくして,見せる映像だけを誇張しても自然に感じられるのであれば,より安全に激しい演出ができることになります.

そうした,一種の「錯覚」を利用する際に,ユーザーにばれてしまっては意味がありません.沼崎君の研究はどれぐらいの誇張ならユーザーに気づかれずに済むかを調査した研究です.

2019ec01

こちらが開発した装置です.船型のライドVRにして,下にエアーベットを敷いてユーザーの姿勢で本当に船が傾くような表現をするように心がけました.

2019ec02

こちらが実際のコンテンツの様子です.

ゆったり流れる船の上で,様々な動作をする際に船が傾くのですが,その傾きを誇張(場合によっては減衰)して提示し,その誇張や減衰に気が付いたかどうかを回答してもらいました.

2019ec03

まだまだ,これから論文誌への投稿なども控えているので,これ以上はちょっと内緒なのですが,やはり人間の感覚は意外とあいまいだなということがわかりました.それから,絶対的な感覚よりも差分を強く意識する傾向があることがわかってきました.

あと卒業まで半年,これからの研究の発展が楽しみです.

文責:三上浩司

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