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2019年8月27日インドネシアTelkom大学にてAcademic Writingの講義(2019インドネシア出張報告その5)

2019年9月23日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

ID.GAGAでの講演を終えた次の日は、はじめのSemarangに移動予定でした。ところが、昨年バンドン工科大学でワークショップを行っているときに、時間を見つけておじゃましたTelkom大学の先生からバンドンに滞在している間に時間が取れれば、講義をしてほしいという依頼が来ました。
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27日の月曜日はすでに講演予定でしたので、日曜日か移動日の午前は時間があるということをお伝えしたら、27日の午前に講義をしてほしいということでした。Semarangへの移動は6時近くの飛行機ですので、午前ならいいかと思って引き受けました。

講義内容案を考えてお伝えしたら、実は、国際関係のコースの学生の講義なので、論文執筆経験が豊富だから、Academic Writingのことを説明してほしいとのことでした。論文の書き方は卒研生、大学院生にたくさんしてきましたが、講義のような形式で資料を準備しておらず、その準備がとてもいい経験になりました。

講義のタイトルは、「Implementation Academic Writing for International Journals」ということで打ち合わせの結果なりました。写真は講義後にいただいた講義の実施の証明です。


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さて、内容、構成をどうしようかと考えること2,3週間、いくつかの資料を調べたり、自分たちの論文や投稿論文のある学会論文誌をみて、説明に使うといいような論文を探したりしました。内容を考えるときに思い浮かんだことは、私の話だけではつまらなくなるかと考え、演習を取り入れることにしました。
講義の内容は、本題に入る前に、本学とメディア学部、大学院メディアサイエンス専攻の説明をしました。そのうえで、つぎのような構成にしました。

Outline of Today’s Lecture
1.Why publish research Journal papers?
2.Structure of Journal paper and Category of paper
3.Exercise:Analysis of Article structure
4.Group Discussion:Find the common article structure
5.How to write Good Journal paper
6.After Submit your paper: Review Process

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特に講義で用いる資料を考えているときに、How to write a Great Paperand Get it Accepted by a Good Journalという題名でプレゼンテーション資料がElsevierのもと、公開されていました。私が構成を考えていて、それにぴったり合うようなスライドを何枚か活用することにしました。
https://slideplayer.com/slide/4864285/

1.Why publish research Journal papers?

まずはじめに、なぜ論文を書くのかを説明しました。必要性をきちんと理解しておくことと、どういう論文がいいのか、論文を書く前に何をしておくべきかなどを確認しました。

2.Structure of Journal paper and Category of paper

そのうえで、論文の構成を私たちのADADA Jouenalを用いて説明しました。論文に必要な情報は共通部分も多く必ず必要な情報をまず抑えることにしました。そのうえで、研究内容に応じて主要な部分の内容は考える必要があることと同時に、書かなければいけない項目を取り上げて紹介しました。
そのときに、タンスの画像を利用して、引き出しが各セクションに対応するから、そこにいろいろな情報をうまく入れていく必要があるということを言いました。構成とそのセクションの内容をきちんとすることが大事だからです。従来研究の内容をいたるところに入れると、自分の研究と他人の研究が分かりにくくなります。それをきちんと区別するためにも、「引き出し」に入れるといいのです。
それを理解してもらったうえで、Journal for Geometry and Graphicsの論文の構成も例として挙げてみました。
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3.Exercise:Analysis of Article structure
4.Group Discussion:Find the common article structure

その次は、演習とグループでの議論です。各自で論文を探して、各セクション名を取り出し、論文の構成をまとめる演習です。そして、取り出した論文の構成を紹介しながらいろいろな構成を知ってもらうことを目的とした議論の時間にしました。

 

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5.How to write Good Journal paper
ここでは、私がいつも言っていること、論文を書く時には図や画像、表を用意することをうまくまとめたスライドを利用しました。このタイトルや概要は一番最後でいいというElsevierのスライドです。タイトルなどは仮に決めておいたとしても書いているときにいろいろなイデアが出てきて、より良くなっていきますので、最後になっているということです 。

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もう一点は、各セクションの長さとそのバランスです。限られた紙面ですから、何が重要かをよく考えたうえで、論文のページ数を見たうえで、各セクションの内容を踏まえて、それらの長さを考えることが大切であることを説明しました。そのうえで、さらにADADA論文を2つ例にして、セッション項目と長さのバランスを紹介しました。

 

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6.After Submit your paper: Review Process

最後は論文を投稿したらどういうプロセスで査読が行われるか、採択、条件付き採択、不採録などはどういう判断で行われるかを紹介しました。また、条件付き採録には査読者のコメントがたくさんあるので、それらにきちんと答えて修正論文を仕上げることが大切であるということを我々の査読者への回答例を紹介しました。

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最後は、
What leads to acceptance ?
というElsevierのスライドを使って、論文採択のために何をするといいかを示しました。

演習の時間を議論を含めて20分を予定しましたが、30分以上かかってしまって、講義の予定時間を大幅にオーバーしてしまいました。演習時に質問を受けたりしていましたので、講義内容に興味を持ってもらえたと思います。

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今後はより詳細に、各セクションで何を書くか、どう書くかなどを整理したいと改めて思いました。

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講義の最後には、みんなで集合写真を撮りました。
なお、Telkom大学は2019年のインドネシアの大学ランキングで私立大学の第1位になったということです。

2019年8月19日インドネシア、スラバヤ工科大学(ITS)訪問、講義を実施(2019インドネシア出張報告その1) 2019年9月 6日
http://blog.media.teu.ac.jp/2019/09/post-b690f6.html

2019年8月20日インドネシア、iSTTS訪問、講義を実施(2019インドネシア出張報告その2) 2019年9月 7日
http://blog.media.teu.ac.jp/2019/09/post-b8d0a2.html

2019年8月21-24日インドネシア、バリ島IEVC2019参加(2019インドネシア出張報告その3) 2019年9月16日
http://blog.media.teu.ac.jp/2019/09/post-c0f742.html

2019年8月26日インドネシアバンドン工科大学 ID.GAGAにてkeynote speech(2019インドネシア出張報告その4) 2019年9月20日
http://blog.media.teu.ac.jp/2019/09/post-7dd7e6.html

2019年8月27日インドネシアTelkom大学にてAcademic Writingの講義(2019インドネシア出張報告その5) 2019年9月23日
http://blog.media.teu.ac.jp/2019/09/post-9c614c.html

2019年8月28日インドネシアUDINUSのConvocation Graduation Ceremonyにて来賓あいさつ(2019インドネシア出張報告その6) 2019年9月24日
http://blog.media.teu.ac.jp/2019/09/post-ec25bf.html

大学院メディアサイエンス専攻 近藤邦雄

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