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学会ってどんなとこ?

2019年9月11日 (水) 投稿者: メディア技術コース

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今は学会シーズンです。連続して3つの学会に行ったので、それぞれの特色を比較しつつ、学会ってどんな雰囲気なのかについて紹介します。

(1)国際会議IEVC2019

  1. 画像がテーマ
  2. インドネシアバリ島で行われた

サウンドの研究が専門の私はこの画像の学会で、画像と音を両方使った研究の発表を行いました。VRなどを目指した360度映像・画像で臨場感の高いバイノーラル録音を活用する研究プロジェクトです。学会発表には大きく分けて、口頭発表とポスター発表の二種類があります。私は今回ポスター発表を行いました。口頭発表は通常の座学形式の発表で、プレゼンテーション+会場からの質疑応答で構成されます、それに対し、ポスター発表とは、研究内容を印刷したA0サイズ程度の大きなポスターを壁に貼ってその前に立ち、見に来た学会参加者に対して直接説明するという形式です。一対多の口頭発表に比べてよりインタラクティブでありたくさんの意見を聞くことができます。今回は、画像やゲームなどに関わる研究者とそのコンテンツに付与する高臨場感がある音とはどういうものかについて活発に議論する機会を得ることができました。

ところで、IEVCは画像を扱う学会であることもあり、ポスター発表の発表者にも、全員の前で自分の発表の概要を1分で述べる時間(ファスト・フォワード)があります。例えばCGについての研究であれば、画像を載せたスライドを出して、聴衆の興味を引いてたくさんの人に聞きに来てもらうことができます。一人1分しかないため、発表者が列になって次々と入れ替わって話すという光景が見られます。

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さらに、余談ですが、お昼休憩には地元のインドネシア料理の食堂に行きました。写真のようなスープを注文しました。あっさり味でのスープと、ご飯と、激辛唐辛子ソース(左上)の組み合わせがとてもおいしかったです。たいていの料理にライムが添えてあったり、レモングラスというハーブがふんだんに使われていて、辛さの中にも爽やかな清涼感を感じることができます。この学会参加を通じてインドネシアの食文化の奥深さとすばらしさを体験することができました。

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(2)JSSFD(日本吃音・流暢性障害学会)

  1. 医療系学会
  2. 当事者(患者)・家族参加型
  3. 今回は神奈川県

次は、がらっと変わって、国内の医療系学会です。筆者が助成金を受けて行っている研究プロジェクトに関わるテーマであり、特定の疾患を扱っている珍しい学会です。また、当事者と家族が参加しているという意味でも特色があり、患者にとっては自分たちの疾患の会に自分たちが参加せずに専門家だけで話し合われる、という従来の形の学会にはない画期的な交流が行われます。とくに、お昼にマイメッセージというプログラムがあり、経験談が語られて生の声が患者と専門家の間で共有されました。

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(3)ASJ(日本音響学会)

  1. 音がテーマ
  2. 学際的・文理融合型
  3. 今回は滋賀県

最後は、音響・音声・音楽など音を扱った学会についてです。音についてなら、言語を研究する人文系の専門家の話、音響教育、建築物での音の響きなどを扱う話、騒音の話、超音波の話など、なんでも含まれています。つまり、聞きたい音、消したい音、聞こえない音、色々な話題があるのです。たくさんの部屋に分かれて口頭発表やポスター発表が行われていて、色々聞いて回ることができます。質疑応答では、結構厳しく鋭い質問が飛んだりします。音を流す発表が多いので、いざ発表時に音が出ないということがないよう、発表者は入念に確認して発表に臨みます。

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学生の皆さん、このように学会には様々な独自の特色があります。発表の時はドキドキ緊張すると思いますが、是非チャレンジして学外の人と意見交換して自分の研究に磨きをかけてください。

 

メディア技術コース 越智

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