出会ってほしい映画はコレだ! 連載#2
2019年10月 8日 (火) 投稿者: メディア社会コース
こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
月曜日から始まった、一週間限定の連載二回目。
今日も映画の話をしていきたいと思います。
今回紹介するのはドイツ映画の『グッバイ、レーニン!』。
私は延べ約2年ほどベルリンに住んでいた経験があるのですが、私がベルリンにいる間に公開され記録的大ヒットをした作品です。
皆さんもご存知のように、かつてドイツは西と東に分断されていました。
西側はアメリカに管理され、資本主義市場を形成。
東側は旧ソ連に管理され、社会主義計画経済を採っていました。
ベルリンは東ドイツ側に位置していましたが、この街だけは特別に西と東で分割統治されました。
西と東は自由な行き来が認められず、殊に西側と東側の経済格差がはっきりと出始めてからは、壁が築かれてドイツ分断の象徴ともなったわけです。
私のドイツ人の友人の中にも、旧東ベルリン出身の人がいましたが、ベルリンの壁崩壊前の子供の頃は、カラー写真もなかったし、バナナを食べたこともなかったと言っていました。
『グッバイ、レーニン!』は、そんな壁があったベルリンが舞台です。
東ベルリンに住むアレックス。
父は家族を置いて西ドイツに亡命してしまい、それがきっかけで母は極端な社会主義者になっていました。
そんな中、アレックスが反体制デモに参加しているのを見た母は、ショックで心臓発作を起こし、昏睡状態に陥ってしまいます。
時は1989年。
8か月後、母が奇跡的に目を覚ました時、既にベルリンの壁は崩壊し、東ベルリンから社会主義は消え去っていたのです。
しかし、もしその事実を母が知ってしまったら、またショックで心臓発作を起こし、今度こそ目覚めないでしょう。
そう考えたアレックスは、母の命を守るため、周囲を無理矢理巻き込んで、まだ東ドイツは存続していると装い続けます。
窓の外にコカ・コーラの看板が設置されたら、「コカ・コーラは東ドイツの国営企業と業務提携したんだ」などと苦しい言い訳をしたりして。
この映画を見ると、東ベルリンが壁崩壊前と後でいかに劇的な変貌を遂げたのかがわかります。
主人公がどうにかしてその変化を取り繕おうとする姿が、滑稽だけれども、何だか切なく思えてくるんですよね。
アレックスを演じたダニエル・ブリュールは本作が出世作となり、その後ハリウッドに進出しました。
ドイツ映画では、実は私は『バンディッツ』という女囚もの音楽映画の 方が好きなのですが、皆さんにオススメするとしたらこっちかな、ということで今回は本作にした次第です。
※ 画像はイメージです。
【DATA】
『グッバイ、レーニン!』
原題:Good Bye Lenin!
公開年:2003年
製作国:ドイツ
配給(日本):ギャガ
上映時間:121分
それではまた明日!
(メディア学部 森川 美幸)
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