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広告業界の仕事の実態は、なぜ、あまり知られていないのでしょうか(メディア学部藤崎実)

2019年10月28日 (月) 投稿者: メディア社会コース

広告業界ほど実態を知られていない業界も珍しいと思います。
広告業界が企業とどんな関係にあり、実際に何をしているのか、どんな仕事があるのか、その多くはほとんど知られていません。

それはいったい、なぜなんでしょうか?

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考えてみれば理由は簡単です。
それは、広告の主役はあくまで企業やブランド、あるいはサービスや商品そのものであり広告という存在はあくまで黒子の存在だからです。

とても簡単な理由ですが、このことはあまり知られていません。ただ、この理由に気づけば多くのことが見えてきます。つまり、わかりやすく簡単に言うと、存在が見えては失敗なのです。

広告の主役はあくまで商品やブランドです。従って、広告業界での仕事の実態はあまり表に出てこないのです。
広告人が主役であるブランドより前に出て、自分たちの考え方を語ったり、ブランドを成長させるため、企業を前進させるための仕掛けを語ったりすることはほとんどありません。

舞台に立って光を浴びるのはブランドや企業、あるいは商品やサービスそのもの、もしくは企業の宣伝部、ブランド担当者たちです。舞台の運営に関わる者たち、演出家やシナリオライター、プロデューサー、美術家、作曲家たち、つまり広告の作り手や送り手、仕掛け人、プランナーたちは、舞台の袖で主役たちを見守る立場というわけです。

そうした関係がわからないと、広告業界の実態がなぜわかりづらいのか、なぜ知られていないのか、もっと本質的なことを言うと、なぜ表に出てこないかのかが理解できないと思います。

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広告業界について知ろうと思い、ネット検索で「広告業界」と検索すると、広告会社として電通や博報堂、ADKなどの総合広告代理店が出てきます。確かにその通りなのですが、現在、広告の仕事は本当に信じられないくらい多様化しています。

今や広告の仕事はさまざまなジャンルにまたがっています。暮らしの多様化やメディアの広がりに合わせて広告のあり方そのものがどんどん変わっているのです。広告業界の特徴のひとつとして、広告の形をしていない広告の発展が挙げられます。

みなさんは広告と言えば、TVCMやラジオCM、駅や電車のポスターを思い浮かべるのではないでしょうか。
あるいはYouTubeが始まる前に邪魔をしてくる動画広告を想像する人も多いのではないでしょうか。そう言った誰の目にもわかりやすい広告は、広告業界が行なっている実際の業務から見ると、ほんの一部に過ぎません。

多くの人が思い浮かべる広告業界のイメージは、氷山の一角に過ぎないのです。

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一方、例えば、自治体が主体となって行なっている街づくりや町おこしなどの地域活性化の中に、広告会社による企画が多く含まれていると知っている人はどれだけいるでしょうか。あのお祭り、あのフェスティバル、あの大会・・・。

例えば他には、長年続き、多くの人から好意的に受け入れられているあの企業の環境活動、あの企業のリサイクル運動、毎年多くの人が参加して共感の声が報道されることも多い、あの企業の社会貢献活動の企画もしかりです。

◆◆◆
他にもわかりやすい例として、みなさんがよく食べている、あの食品・あのお菓子のネーミングが広告業界の知恵を結集させたもの、コピーライターが書いた何百案もの案の中から議論に議論を重ねて決定したものだと知っている人は多くはありません。

でも、よく考えてみてください。おいしそうなお菓子の広告を作って、それを見た人に「食べたいな」と思ってもらうよりも、「食べたいな」と思ってもらえるようなネーミングを開発して商品名にした方が、話が早いと思いませんか?

いつ出会うかわからない広告制作に力を入れるよりも、商品そのものに広告的な発想を取り入れた方が、コミュニケーションとしての効率が良いと思いませんか?

世の中をそのような目で見ると、世の中が一変して見えるはずです。
今日を1回目として7回シリーズで「現在の広告」についてお伝えします。

(メディア学部 藤崎実)

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