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出会ってほしい映画はコレだ! 連載#3

2019年10月 9日 (水) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コース着任2年目の森川です。
今週、これまでアメリカ映画『シャレード』とドイツ映画『グッバイ、レーニン!』の2本を紹介してきました。
今回は、いよいよ日本映画を取り上げます。
自分が最も影響を受けた邦画は『ZAZIE』という作品なのですが、DVDになっていないため、オススメしても視聴が難しい…ということで、私の故郷である広島県の、尾道市を舞台にした大林亘彦監督の映画『ふたり』をご紹介します!
自身も尾道出身の大林監督は、尾道を舞台にした数々の作品で世に知られています。
殊に尾道三部作と呼ばれる『転校生』、『時をかける少女』、『さびしんぼう』は有名で、公開されるや若者たちの熱狂的な支持を集め、尾道の観光客数増加にも一役買いました。
『ふたり』は、尾道三部作に続く、新・尾道三部作の第一作目として1991年に公開された、赤川次郎の小説が原作のファンタジー映画です。
主人公の実加は、ドジでのろまな女の子。
実加には、優等生で美人でスポーツも万能な自慢の姉・千津子がいます。
いつも実加は姉に甘え、千津子は実加を守っていました。
しかしある日、千津子は不慮の事故でこの世を去ってしまいます。
実加と両親は悲しみに沈みますが、いつからか実加には姉の声が聞こえるようになったのでした。
死んでも尚、実加を導き続ける姉・千津子。
千津子の力を借りつつも、姉が得意だったピアノやマラソン、演劇で成果を出し、成長していく実加。
そんな中、実加の家族に大事件が起きます。
父の浮気が発覚したのです。
家庭崩壊が迫った時、姉の声が聞こえなくなってしまった実加は…
というお話。
この映画で私が一番見て欲しいのは、主人公・実加のピアノの発表会のシーンです。
緊張しながら自分の順番を待つ実加。
ひとつ前の小学生の男の子が、見事にモーツァルトを弾きこなしたものだから、プレッシャーはさらに高まります。
いよいよ自分の出番。
ピアノの前に着席した実加でしたが、あまりの自信のなさに鍵盤が揺らいで見える始末。
その時、姉の千津子がささやきます。
「深呼吸」
「最初の和音。フォルテ。力強く」
実加は息を止めて弾き始めます。
力強く。
曲はシューマンのノヴェレッテ。
この曲を演奏しているときのカメラワークがすごく印象的なんですよね。
曲の力も相まって、実に胸を打たれます。
客席から娘を見つめる母親が、亡くなった姉と比べて出来の悪い娘で恥ずかしい、と目を伏せているところから、あまりの演奏の素晴らしさにだんだんと顔を上げ、最後には拍手を送るという変化が織り込まれる演出も素晴らしい。
大林作品は好き嫌いが分かれると思うのですが、彼のスタイルがあまり好きではない人も、このシーンだけは是非見てほしいです。
Morikawa2019_3
※ 画像はイメージです。
【DATA】
『ふたり』
製作年:1991年
製作国:日本
配給:松竹
上映時間:155分
それではまた明日!
(メディア学部 森川 美幸)

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