2021年の新しい大学入試に頻出予想の散布図に注目しよう(相関と散布図)
2019年10月 3日 (木) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部健康メディアデザイン研究室の千種です。皆さんは「散布図」というものを使ったことあるいは作ったことがあるでしょうか?メディア学部の「メディア」とは皆さんご存知のように情報を伝達する媒体のことです。散布図も相関という情報を読み手に伝達する立派なメディアです。
散布図はWikipediaによると以下のよ うに説明されています。
『散布図(さんぷず、英: scatter plot)は、縦軸、横軸に2項目の量や大きさ等を対応させ、データを点でプロットしたものである。分布図ともいう。各データは2項目の量や大きさ等を持ったものである。日本工業規格では、「二つの特性を横軸と縦軸とし,観測値を打点して作るグラフ表示」と定義している。散布図には、2項目の分布、相関関係を把握できる特長がある。データ群が右上がりに分布する傾向であれば正の相関があり、右下がりに分布する傾向であれば負の相関がある。』
2021年から大学入学共通テストが始まります。これに先立って2017年と2018年に試行調査(プレテスト)が行われました。その傾向を見ると、多くの教科で長い文章を読み取ったり、図表・グラフ・写真・絵・資料から必要な情報を探して答えを導いたりと、情報を多面的・多角的な視点で解釈する力や、もっている知識を活用しながら仮説を立てて考える力が問われています。
そこで今回のブログ記事ではグラフの中でも頻出されている散布図についてフォーカスしてみます。散布図は2つの異なる情報の特性あるいは関係を知るために様々な実験データを点として作るグラフです。実際に2017年のプレテストでは、散布図を用いた出題が、数学I・数学Aで1題、地理Bで2題、生物で1題、地学で1題、ありました。2018年のプレテストでは、地理Bで5題、物理で2題、地学で3題、あり、様々な実験データを見える化するのに広く使用されています。
簡単な典型例を下図に示します(http://www.toukei.metro.tokyo.jp/manabou/tyuu/sirou2/tokutyou2/ma1206t24b.htm より引用)。
前述のように散布図は、一般に何かの原因となる測定データがあり、同時に、その結果となる測定データもあり、その2つの関係を見える化するのに使用されます。まずは散布図の意味の解釈法あるいは読み取り方を説明したいと思います。
下図のように散布図には典型的な3パターンがあります。①左図:原因xが増加すると結果yも増加するという正の相関を示します。体重と身長の関係がこれに属します。②中央図:原因xが増加すると結果yが減少するという負の相関を示します。テレビからの音量について、テレビからの距離と音量の関係がこれに属します。③右図:原因xを変化させても結果yの変化に関係が観測できないという無相関を示します。ルーレットの1回目と2回目の出目の関係がこれに属します。
このように様々なデータの原因と結果の関係を分析するのにとても有益なグラフ表現法が散布図です。メディア学部の基礎演習Iでも千種が担当する演習テーマに使用して測定データの分析に使用し、照度の測定や電波強度の測定に使用して、測定結果を分析しています。
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