こんにちは、着任2年目・メディア社会コースの森川です。
先日、私の研究や卒研室に関する取材記事が本学ウェブサイトに公開されました。
大学進学を目指す高校生の皆さんに是非読んでいただきたいと思います。
さて、記事の中に、私の研究室で学生が行っている研究を2つほど紹介しました。
今日は他にどんな研究が行われているかを紹介したいと思います。
“メディア”と言えば、コンテンツを「つくる」ことに意識が向きがちだと思いますが、クリエイティブワークだけではコンテンツ・ビジネスは
成立しません。
誰のために何をつくるのか(今の社会にはどんなコンテンツが必要か)、マーケットのサイズはどれくらいで、収益はどれくらい見込めるか、
競合にはどんな相手がいるのか、どんな戦略を取ればいいか、どんな宣伝やプロモーションを行うべきか、などなど、考えるべきことは山ほどあるのです。
そういった、ビジネスサイドの知識を学べるのが、メディア社会コースのカリキュラムです。
クリエイティブワークに対する、プロデュースワークの視点と言ってもいいかも知れません。
例えば、私の研究室では以下のような研究をしている卒研生がいます。
・深夜アニメ番組のTwitterツイート数を伸ばす要因は?
日本は世界でも珍しく、大人向けアニメが数多く制作されている国です。
子供向けではない分、深夜時間帯にもアニメ番組が放送され、最近では視聴率奪い合いの過当競争に。
先行研究では、深夜アニメ番組の視聴率を上げる要因の一つが、視聴者のTwitterでのリアルタイム・ツイートであると述べられています。
では、リアルタイムのツイート数を増やすにはどういった施策が考えられるのでしょうか。
ツイートを収集し、研究を進めています。
・ホラー愛好家の特徴とは?
人間にとって本来不快であるはずの「怖い」という感情。
にも関わらず、幽霊やゾンビ、妖怪などが登場するホラーコンテンツをこよなく愛する人たちが存在します。
一体どういう人たちがホラーを好んで見ているのか。
どういう信条や趣味・趣向を持っているのか。
アメリカの研究を元に、日本の現状を明らかにしようとしています。
・今後、Jリーグを盛り上げていくにはどうすればいいか?
リーグが創設されて27年。
現在のラグビー人気のように、最初こそ大きな盛り上がりを見せましたが、Jリーグ人気はここ数年横ばい状態です。
プロ野球人気が下降気味と言われて久しいですが、まだJリーグはプロ野球人気を超えることができていません。
しかし、Jリーグのチームの中でも、浦和レッズは堅調に業績を伸ばし、熱狂的なファンを生み続けています。
何が浦和レッズの成功要因なのか?
数々のデータから考察を行っています。
・子ども向け特撮番組のCMを親たちはどう見るか?
番組に出てくるヒーローが登場し、商品の宣伝を行うCMのことを「ホストセリングCM」といいます。
実はこの宣伝手法は、まだ脳が未発達の子どもに大きな影響を与えるとして、多くの国で禁止されていますが、日本では禁止されていません。
法で禁止されていない以上、CMに目を光らせていなくてはいけないのは保護者ということになります。
では、実際日本の親たちはホストセリングCMをどう捉えているのか?
お母さんたちが子どもと一緒になってヒーローを演じる俳優を熱狂的に応援する、ある種特殊な状況を抱える日本において、面白い調査結果が出るかも知れません。
この他にも、まだまだ多様な研究が行われている森川研究室。
皆さんが興味のあることなら、研究のシーズになると思います。
クリエイティブや技術だけではない、メディアの社会的な一面に、是非目を向けてください。
メディア学部メディア社会コースで、やりたいことがきっと見つかります!
(メディア学部 森川 美幸)