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ポーランドの美術大学 その3

2019年11月27日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

コンテンツコースの佐々木です。

このシリーズを読んでくださって、
Dziękuję! (ジンクイエ= ありがとうございます!)

今日は、ポーランドのシレジア地方にある、シレジア大学の芸術学部での授業についてお話します。この芸術学部には、ビデオ・ゲーム アンド バーチャル・スペース・デザインというコースがあって、私はいまこのコースの短期教員として滞在しています。

ポーランドの美大生に対して、私の授業内容が受け入れてもらえるかどうかドキドキです。特に今日はワークショップ(メディア学部でいう『演習』ですね)なので、学生さんたちが、ちゃんと作品を作ってくれるのかどうか心配です。

課題は「現代の妖怪をつくる」です。





ゲームキャラクターの「ポケモン」や、アニメの「妖怪ウォッチ」のデザインは、実は江戸時代に遡って「妖怪」が創り出されたプロセスに似ているのです。そこには、いろいろな法則性があって、スライドでは以下のようなカテゴリーに分けてみました。




1番のモノ妖怪というのは、付喪神絵巻に出てくるような「古くなったモノたちが化け物になる」というパターンです。2番の動物妖怪は、江戸時代に河鍋暁斎が描いた浮世絵にでてくるような、化け猫や魚たちのキャラクターです。

3番以降はちょっと難しいですよね。3番の怨霊というのは、たとえば「北野天神絵巻」に登場する菅原道真の怨霊などで、4番は「風神雷神」や「龍神」のようなキャラクターです。5番の例としては、蓮華王院(三十三間堂)の、千手観音の眷属たちなどにインスピレーションを受けたものです。

実は、これに加えてもっとコワいものもあります。江戸時代の奇想の画家、曾我蕭白が描く、狂った人間などなのです。これはほんとにコワいですよ、生きてるんですから。

さて、これらの事例を見てもらって...
ポーランドの美大生のみなさんに、現代の妖怪をデザインしてもらいましょう。
制限時間は2時間です。




おお!君はもう5つも妖怪を作ってしまったの!
速すぎるー。しかも上手ですね。



ええー! あなた、これを30分で描いたんですか。脱帽です。



彼女は、結局2時間で、3枚も作品を仕上げました。びっくりです。



彼は「楽器妖怪」を作成中... すごい集中力で作業しています。



これは「ソーシャル・フォービア」という名前の妖怪だそうです。
つまり、SNS中毒になってひとつの固まりになってしまった人間たちです。
うん、これは新しい妖怪だ!

ところで...
今日ご紹介した学生さんたちは、実はまだ1年生です。
この9月に入学したばかりで、まだ大学生活は1ヶ月ちょっと。
なのに、このスピード、この集中力、このうまさ。
私としては、ほんとにびっくりの結果となりました。


シレジア大学とメディア学部との間では、今後も教育的な提携が続きます。
学生や教員による相互の訪問やゲームジャムなど、交換留学プログラムなどが行われる予定です。
高校生のみなさん。メディア学部に入学して、ぜひ海外留学にも挑戦してみませんか?

それではみなさん、Do widzenia!(ドゥビゼーニャ=さよなら)



この記事は、コンテンツコース・佐々木が担当しました。




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