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研究紹介 - Dive2Views:他のカメラの視点にとびこんでいくカメラアプリ

2019年11月15日 (金) 投稿者: メディア技術コース

前回の学会記事(ADADA Japan)で2件の発表が受賞した興奮で研究の内容に触れることを全く失念しておりました。ようやく我に返ったところで、すこしは真面目なことも書かなくては。ということで今回はそれらの研究内容について若干ご紹介したいと思います。

 

Dive2Viewsというのはカメラアプリです。起動すると映像が写り、画面をタップすると写真や動画が撮れるという点では普通のカメラアプリです。ところが、同じアプリを起動している他のデバイスを画面に捉えると、そのカメラで撮影している映像が画面に映るようになり、それを撮影できるようになります。まるで、他のカメラ映像(View)に飛び込んで(Dive)いくような感覚を与えるということで ”Dive2Views (Dive to Views)” と名付けました。Views と複数になっているのは、他のカメラが複数あってもそれらを画面に捉えることで次々と異なる視点を自分のものにできるからです。

 

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なぜ、こんな仕組みを考えたのかというと、写真を撮るときに撮影したいものをうまく捉えられない場合がありますね。例えば、サッカー観戦でスタンドに居て、遠くの選手の写真を撮りたいなんてときや、テーマパークのパレードでお気に入りのキャラクターの写真が撮りたいのに前に大勢の人が居て視界を邪魔しているような場合です。そうしたときに、もっと近くに居る人の場所で撮影できたらといいとは思いませんか?実際にその場所に移動するのは難しいので、いい場所で撮影している人のカメラ画像を奪ってしまおうと考えたのです。何人もの人が前方でカメラを構えていたら、一番良さそうな位置のものに狙いをつけて、そのカメラを画面に捉えればいいのです。

 

このような仕組みを技術的に実現するのは、両方のカメラ(のデバイス)の間で映像を送ればいいのですが、ここでは、どうやってそのような仕組みを利用できるようにするのかについて工夫をしました。普通に考えれば、メニュー画面で接続するカメラを選択すればいいのですが、それだと撮影するのを一旦やめて、メニュー画面を開いて選択をしなければなりません。撮影しているままで別のカメラ映像を利用できるようにしたかったのです。そこで、撮影中にカメラで他のカメラを捉えれば、そのまま映像が切り替わって撮影を続けられるようにすることを考えました。

 

 

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先にも書いたように、同じことを実現するのにはメニューや映像のサムネイルの一覧から選択するような方法がいくらでもあります。ここでの研究テーマは、ただし、機能の実現それ自体ではありません。技術をどのような方法で使えるようにデザインするのか、ということが我々の研究室で考えているテーマです。「カメラで他のカメラを捉えることでその映像を乗っ取る」というのが、この研究で創り上げたい体験なのです。そういうことができたら、撮影する行為を中断しなくてすむというだけでなくなんとなくワクワクとした感じを持ちませんか?そういうことが出来て欲しいと思うような使い方ではないでしょうか?効率や性能を目指すのではなく、楽しかったり面白かったり感じられるような使い方をデザインする、というのも立派な研究になるのです。

 

 

 

太田高志

高校生向け」カテゴリの記事

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