年末年始は、なぜ、この時期なのか(5)
2020年1月 3日 (金) 投稿者: メディア社会コース
三日ですね。三が日というのも、お正月ならではの気持ちになります。
最初の頃の暦は、年始が三が日ならぬ3月だったというのが昨日の結論でした。それは春分を含んでいるからでした。
おそらく春分は確実に春なので、それまでに準備をしておくために、その3週間ほど前を年始にしたと考えられます。
では、春分はどうやって調べたのでしょうか。
人類が最初に作り出した時計は、日時計でした。紀元前2000年と言われています。これは、太陽が出ている間はいいのですが、曇りや雨、また太陽が出ない夜 には時間がわからないという不便さがあります。ただ、それとは別に、いま考えている点で本質的なのは、太陽の出ている時間は計れないという点です。つまり、自分で自分を直接、見ることはできないように、日時計だけを使っても昼の長さはわかりません。
それでも、よく観察して太陽の位置がずれていくことには気づいていたと考えられますが、絶対的な昼の長さはわからなかったと思われます。
それでも、よく観察して太陽の位置がずれていくことには気づいていたと考えられますが、絶対的な昼の長さはわからなかったと思われます。
進展があったのは、日時計の次の時計であるとされる、火時計や水時計が作られたとき だったでしょう。これらは太陽に関係ないという意味で絶対的な時間がわかるの で、昼の長さを計ることができたことになります。水時計は紀元前1500年ころには作られていたとされています。もっと早い時期という説もあります。
こうして、人類は、実は、割合早くから春分を知ることができていたはずなのです。だから、3月が年始のはずなのです。ちなみに、現在の閏年が2月の最後で調整されるのは、2月が年末だった、そのなごりです。
では、なぜ、いつの間に1月が年始になったのでしょうか。
それは、また明日。
(メディア学部教員 小林克正)
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