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年末年始は、なぜ、この時期なのか(4)

2020年1月 2日 (木) 投稿者: メディア社会コース

今日二日は、初夢の話をしたり、書き初めをしたりということになりますが、初春という言葉もあります。そう言えば、なぜ、春なのでしょうか。
学校関係者は、ときどき春は2回あると言うことがあります。暦の1月と年度初め の4月です。4月だけでなく、1月もまた春なのです。
季節の順も春夏秋冬と、春から始めますね。これは社会を支える農業にとって種まきなどを始める春が重要だったからです。
だから現在でも暦が始まる1月が、実際には冬でも、日本では始まりを意味する春とよぶわけなのでしょう。

もちろん、この傾向は日本だけものではなく、暦が作られた時代から事情はあまり変わっていないようです。冬よりも春のほうが社会的に重要というわけです。
暦を作る場合も重要だったのは、冬であると知ることができる冬至よりも、農業に役立つ春になったことがわかる時期でした。それが春分です。今年の春分の日は3月20日です。
春分の日は昼と夜の長さが同じということになっていますが、実はそれはおよそです。
天の赤道という赤道を空に映したものと、黄道(こうどう)とよばれる太陽の地球から見た通り道の交点の片方を春分点といい、そこを太陽が通る瞬間が春分、それを含む日が春分の日です。ちなみに、もう片方が秋分点です。
春分の日は、日本では、春のお彼岸のまん中の日でもあります。そして、暑さ寒さも彼岸までというように、春の彼岸は寒くなくなる、すなわち、春になったことがわかる日だったのです。
また、キリスト教でも重要だったのは、クリスマスより復活祭で、これも春分をもとにしています。
こうして、実は、最初の頃の暦、古代ローマのローマ暦では、年始は春分を含む3月だったのです。
続きは、また明日。

(メディア学部教員 小林克正)

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