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プロジェクト演習「IoTプロトタイピング」の紹介

2020年2月 9日 (日) 投稿者: メディア技術コース

寺澤です。

私はいくつかのプロジェクト演習を担当していますが、今日はその一つの「IoTプロトタイピング」について紹介したいと思います。この演習は以前からあった2つの演習を統合リニューアルして2019年度から開始しました。近年はmicro:bitやRaspberry Piなどの安価で小型のコンピューターが登場し、様々な実験や試作、教育に使用されています。これらについてはこちらでも紹介しています。

以前から、Arduinoという一種の小型コンピューターがあり、センサーを接続して計測を行ったり、モーターを制御するなどの用途に使われていましたが、やや、ハードルが高いところがありました。micro:bitは様々なセンサーを搭載しながら、小学生でも扱えるようにコンパクトに作られ、プログラムもScratchに似たビジュアルプログラミングで作ることができます。キット製品も豊富です。また、Raspberry PiはLinuxを動かすことができ、インターネットにそのまま接続することができる一方で、外部にセンサーや他のデバイスを接続することも簡単にできるようになっています。

このような「道具」が容易に安価に入手できるようになったことで、以前ならば電気回路・電子回路の知識がなければ難しかった装置や仕掛けを比較的簡単に実現できるようになりました。つまり、アイディアをすぐに形にして試すことが簡単になったのです。それを受け、このプロジェクト演習では、前半をMESH、micro:bit、Raspberry Piの使い方を中心にレクチャー+実習形式で実施し、その後、受講生各自がどんな道具や仕掛けを実現したいか考えてプレゼンを行います。後半の演習では、各自の目標に従って、TAやSAの助けを借りながら数週間かけて実際にモノを制作します。IFTTTなどのインターネット上のサービスを利用すると、例えば、ネット上の天気予報サービスからデータを取得して動作を変えるとか、モノがある状態になったらTwitterに投稿するなどの連携を実現できます。もちろん、LEDを光らせるとかモーターを制御することもできます。

2019年度後期の受講生は、前期の演習を受講した学生でしたので、後期は最初から、3人グループで少し大掛かりなものを作成することにしました。11月に構想を練り始め、彼らが作ることにしたのは、ネット側からの指示に応じて動き回る「ムービング門松」でした。竹の代わりにアクリルパイプを使い、色を変えられるLEDを使ってやはり外部からの指示で「竹」の色が変わるというものでした。動力系の制御にはmicro:bitを、ネット接続とLEDの制御はRaspberry Piを選択しました。

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キットも活用しながら制作を進めましたが、アクリルパイプの切断やLEDの固定、バランスをとって走行できるようにするなどのことに手間取り、残念ながら、ネット側からの制御というところまでは手が回らなかったようです。そこが肝心なのですが...。代わりにBluetoothで接続したもう一つのmicro:bitをリモコン代わりとして、動き回ることだけはできるようになりました。目標通りの完成とはなりませんでしたが、工作の楽しさや工夫の醍醐味を感じてくれたと思います。

寺澤卓也

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