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2020年3月

新型コロナウィルス感染の解析と可視化

2020年3月31日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

現在、感染が広まっている新型コロナウィルス(COVID-19)ですが、その状況を分析するために、たくさんの可視化が行われています。
可視化は様々な情報を視覚的に表すことができるため、文章で説明されるよりも直感的にわかりやすいという利点があります。

ワシントンポストが3月14日に公開したウィルス感染のシミュレーション例は、テレビやインターネットなどで目にした人も多いのではないでしょうか?
https://www.washingtonpost.com/graphics/2020/world/corona-simulator/
「不要不急の外出を自粛してください」といわれても、それによってどのような効果があるのかイマイチわかりにくいですが、シミュレーションを見てみると感染の広がり方の違いは一目瞭然です。

北京大学のVisualization and Visual Analytics研究室では、様々な方法で新型コロナウィルスに関するデータを可視化しています。
https://vis.ucloud365.com/ncov/home_en.html
また、ジョンズホプキンス大学では、世界中の感染者数を可視化しています。https://www.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6
いずれの可視化例も、地図上に感染者数をマッピングしたものや、グラフにして表した事例が掲載されています。
これによって、どの地域に感染者が多いのか、どのように感染者数が推移しているのかがわかります。

ジョージワシントン大学では、新型コロナウィルス感染者の肺を実際のデータをもとに可視化しています。
https://www.youtube.com/watch?v=WGZXwZli2hI
これは先の例とは異なり、患者の体内を可視化しています。

他にもたくさんの情報や可視化事例が公開されていますが、残念ながらすべての事例が必ずしも正しいとは言えません。
単純に誤ってしまったものもあれば、意図的に情報をゆがめているものもあるかもしれません。
すべてを鵜呑みにせず、情報を自分なりに解釈し、正しい情報を取捨選択する力を身に着けることがとても大事なのです。

(文責:竹島)

2019年度卒研発表会(三上・兼松研)

2020年3月30日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

そろそろ2019年度も終わり,新年度を迎えようとしています.

近頃はコロナウイルスの影響でみなさんも対応や予防で大変かと思います.東京工科大学でも卒業式をはじめ,各種イベントが中止になり,個人的にもとても残念に思っています.

4月からの新入生のみなさんも,今年は特殊なスケジュールになりますので,大学からの案内や大学webサイトの情報をよくご注意いただければ幸いです.

 

少し前の話になりますが,私が所属する三上研では2019年度卒研生の最終発表会が行われました.

今年度は3年生の創生課題(各研究室ごとで設定される課題に沿って調査などを行う,プレ卒研のようなものです)の発表会も同日に行ったこともあり,例年よりも学生同士の意見交換や交流が活発に行われていました.

これから卒業研究に取り組む3年生にとっても,先輩たちの研究の良いところも悪いところ(笑)もよく掴めて,良い刺激になったのではないかと思います.

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また,本来であれば,今年度も多くの卒研生が学会で研究成果を発表する予定でした.たとえこの先研究とは無縁な道を進む学生であったとしても,様々な人の前でプレゼンを行う機会は社会人に必要なスキルとしても良い経験になりますし,大学生活の集大成として苦労してまとめたものを発表すること自体,良い思い出になったはずです.それ故に3月の学会発表などが軒並み中止になってしまったことは残念でなりません.しかし,これまでの卒研生の努力は本物ですので,ぜひこれまでの「苦労」をバネにそれぞれの道で皆さんの力を発揮していただきたいと思います.

 

さて,上にも書いたようにコロナウイルス対策でみなさん色々苦労されていると思いますが,私もコロナウイルスではないのですが,橈骨神経麻痺というものにかかってしまいました.これは上腕の神経を圧迫することが原因になるのですが,電車のポールにもたれかかって寝てしまったサラリーマンがなることも多いようです.新年度から電車通学を始める新入生の方も多いと思いますが,ご自身の健康には十分注意して,楽しい大学生活を送っていただければと思います.

(文責:兼松祥央)

デジタルマーケティングについて その7 3月29日12時掲載

2020年3月29日 (日) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。デジタルマーケティングの続きをお話します。では、デジタルトランスフォーメーションとはどんなことでしょうか。現在では、デジタル化、サイバーフィジカルコンバージェンスによってひきおこされた市場環境の変化により、企業が行うことを求められている、ビジネスモデル・経営戦略の革新や、ITシステム・マネジメントシステムの革新、マーケティング推進方法の革新、製品・サービスそのものデジタル化、それを実現するための組織能力の改革のことを意味していると思われます。デジタルマーケティングは企業のこうした活動をさらに促進するものです。

デジタルマーケティングについて その6 3月28日12時掲載

2020年3月28日 (土) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。デジタルマーケティングの続きをお話します。フィジカル世界(実社会)とサイバー世界が収斂していくというのはどういう意味でしょうか。それは、フィジカル世界(実社会)が出している、モノの情報を含む、大量のデータを、収集して、サイバー世界のコンピュータなどで分析することで生まれた、さまざまな成果が、社会にフィードバックされて、よりよい社会を作り出すことを意味しています。

デジタルマーケティングについて その5 3月27日12時掲載

2020年3月27日 (金) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。デジタルマーケティングの続きをお話します。ところで、わたしは、デジタルマーケティングを、「サイバーフィジカルコンバージェンスが進む世界で、企業がデジタルトランスフォーメーションを図る中、多様な技術を活用して展開する、次世代ビジネスの創造」 と考えています。サイバーフィジカルコンバージェンスというのは、フィジカル世界(実社会)とサイバー世界が収斂していくことを意味しています。

デジタルマーケティングについて その4 3月26日12時掲載

2020年3月26日 (木) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。デジタルマーケティングの続きをお話します。ところで、デジタルマーケティングの、デジタルとはどういう意味でしょうか。英語の語源をさかのぼっていくと、指、つま先という言葉から出ていることがわかります。しかし、現代では、数字0および1の系列として表されるデータを指すことが多いと思われます。アナログという言葉と対比しておかれる場合、アナログが情報を連続量として表すことであるとすると、デジタルは情報を離散的に表すことであるともいえます。

デジタルマーケティングについて その3 3月25日12時掲載

2020年3月25日 (水) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。デジタルマーケティングの続きをお話します。マーケターは、技術の本質と、技術の普及状況を理解しておく必要がありますが、ただし、実際に、サーバを構築したり、プログラムを書けるようになる必要はありません。本質的に、何が今、ビジネスに使うことが可能で、何が不可能なのか知ることが大切です。しかし、現在の技術が絶対というわけではありません。なぜなら、技術は永遠に未完成なものであるからです。

デジタルマーケティングについて その2 3月24日12時掲載

2020年3月24日 (火) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。デジタルマーケティングの続きをお話します。デジタルを活用して展開するデジタルマーケティングにおいては、デジタル技術や、インターネット、コンピュータの技術の本質に沿っていないビジネスを設計してしまった場合、それらは十分に機能しない可能性があります。普及しそうもない、普及していない技術を前提に、サービスを設計しても、うまくいかないでしょう。ゆえに、マーケターは、技術の本質と、技術の普及状況を理解しておく必要があると思われます。

デジタルマーケティングについて その1 3月23日12時掲載

2020年3月23日 (月) 投稿者: メディア社会コース

メディア社会コースの進藤です。今日から7日間にわたりデジタルマーケティングについてお話します。技術の進化は、ビジネスの基本構造そのものを変えようとしています。そうしたなかで、ビジネスに携わるひとは、いま起きている社会や技術の本質的な変化を理解して、マーケティングを進めていかなくてはなりません。伝統的なマーケティングに基づきながらも、新しい時代にふさわしいマーケティングが必要です。それが、デジタルマーケティングです。

隠岐での学会発表 (2)

2020年3月22日 (日) 投稿者: メディア技術コース

渡辺です。みなさんこんにちは。

以前の記事で隠岐にて学会発表を行ったことを掲載しましたが、今回は隠岐の土地や観光について述べたいと思います。

私も実際に訪れるまで、「隠岐」は「島根県の北にある離島」という程度の認識だったのですが、実際は「隠岐諸島」と呼ばれる大きく4島によって構成されている諸島のことを指します。4島のうち、抜きんでて大きな北東部にある島を「島後」、その他の3島を「島前」と地元の人達は呼んでいます。今回我々が訪ねたのは島後でした。

公共交通機関はほぼ存在していないため、レンタカーを借りて島内を移動していたのですが、正直来訪するまでは小さな島を想像しており、車なら十分程度で島内のどこにでも移動できるように考えていました。しかし実際の隠岐はもっと巨大で、島後だけでも八王子市と町田市を合わせたくらいの面積があります。それくらいの広さになると、車を使っても結構な時間がかかります。なんと島内にはダムもあるのです。観光しながら周回するとなると、1日ではほぼ不可能です。島後だけでもこの様子なので、島前の3島も全部まわろうと思ったら一週間くらいはかかるのではないでしょうか。

隠岐の海岸は岸壁となっている箇所が多く、大変見応えがあります。また、海辺にはまったく生臭さがなかったことも印象的でした。

Fig_a_01

Fig_a_02

以下は那久岬(なぐみさき)という所にある灯台とその周辺の写真です。この周辺の雰囲気は、まるで某RPGのフィールドを彷彿とさせます。

Fig_b_01

Fig_b_02

先にも述べましたが、隠岐は離島でありながらそれなりに山林もあり、もっとも標高が高い箇所は600メートルにもなります。以下は「壇鏡(だんぎょう)の滝」の写真です。この滝は日本の滝百選ならにび日本名水百選に選ばれているところで、写真ではわかりづらいのですが大変雄大な景色でした。

Fig_c_01

Fig_c_02

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以下は「油井(ゆい)の池」という池の写真です。湿地性の植物や希少な昆虫類などの生態系がそのまま保存されています。池周辺の木道が大変良い味を出しています。

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以下は、玉若酢命神社の八百杉というご神木の写真です。島根県で最大の杉の木だそうで、樹齢はなんと二千年(!)を超えると言われています。

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今回は島後にしか行けなかったのですが、是非島前の方もいつか行ってみたいですね。

(メディア学部准教授 渡辺大地)

 

ライブコーディング!

2020年3月21日 (土) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

2月の5日から7日まで、アイルランドのリムリックで開催された、Interanational Conference on Live Codingに参加してきました。

ライブコーディングというのは、ステージ上でプログラムコードを書き、それがリアルタイムで音楽や映像を生み出していくというパフォーマンススタイルのことです。この学会は、小規模ながらも世界トップレベルのコーダーたちが集まり、研究発表とパフォーマンスを行うイベントです。そして私の研究室からは、大学院修士1年の松井啓生さんが発表者兼パフォーマーとして参加しました。

工学系の一般的な学会は、基調講演と一般講演(口頭発表とポスター発表)、デモ発表、パネルディスカッションなどからなるプログラムを朝から夕方まで実施します。あとは夜に懇親会があるぐらいですが、この学会は夜の部も充実しています。初日と2日目は一般講演と同じ場所で"Evening Concert"が行われ、さらに最終日の夜には、街中のバーを貸し切り、"Algorave"と呼ばれるセッションを深夜まで行うのです。下の写真は、左から順に、初日夜のEvening Concert、3日目朝のポスター発表、3日目夜のAlgoraveの様子です。

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松井さんの研究は、このライブコーディングの世界に、機械学習を使った映像の自動生成技術を持ち込むという意欲的なものです。それをポスターセッションで発表するだけでなく、Evening ConcertとAlgoraveでの実演でも披露してみせたのです。結果として、発表も実演も大好評で、わが研究室としても、新しい分野に一歩踏み出せたかなという気がしました。

デジタル絵とアナログ絵

2020年3月20日 (金) 投稿者: メディア技術コース

こんにちは。今日はまじめな学問や学会の話からは外れて、趣味の話をします。筆者は音声信号処理を研究していますが、趣味でCGの落書きイラストを描いているのでデジタル画像の恩恵を受けています。Photoshopは使いこなせないのでIllustratorというソフトで、ベクター画像(曲線を制御点と呼ばれる座標点の集合で定義したタイプのデジタル画像)をもっぱら使っています。デジタル画像にすることで、グラデーションや重ね合わせ、また曲線・色の編集やコピーが自在になります。しかし、素人としてはなかなかマウスやペンタブレットで一から作図することはできず、結局紙にペンで書いたアナログ絵をスキャンしてからIllustrator上でペンタブレットを使ってなぞるという作業をしています。

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Vチューバー風

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紙へ太字ボールペンで下書き

なぜそんな二度手間をしているかというと、(お手頃価格なバージョンの)ペンタブレットよりも紙に書いたほうが視覚的にも体性感覚的にもフィードバックに違和感がなく、直観的に線が引けるからです。

普段は使わない色塗りまでアナログですると、色々気づくことがあります。CGソフトでも、絵具のかすれや重なり、ぼかし、にじみは再現できるものの、例えば実際に物理的にクレパス同士が塗り重ねられたり混色されたりする様子を見ながら描くほうが現実感を感じながら塗れるように思います。アナログとデジタル、どちらもそれぞれ特色がありますね。

とはいいつつも、専門であるサウンドについてはもっぱらデジタル音源ばかりで、音楽でアナログレコードを聴いたりはなかなかしないのですが・・・。

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「フーズフー(食堂のある建物)の前にいるネコ」
紙にオイルパステル(クレパス)で着色

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「学食のワッフルと八王子ナポリタン(玉ねぎを乗せたパスタ)」
紙にマーカーペンで着色

メディア技術コース 越智

ECHO:社会人のふるまい(卒業生の皆さんへ)(4)

2020年3月19日 (木) 投稿者: メディア技術コース

 メディア学部第18期卒業生の皆さん、メディアサイエンス専攻修了生の皆さん、本日はご卒業おめでとうございます。
 
 「ECHO:社会人のふるまい」最終回4日目の概念はオーナーシップ(Ownership)です。近い日本語を挙げるとしたら「当事者意識」でしょうが、「当事者」には、意に添わず巻き込まれてしまった、というニュアンスが漂います。オーナーは「持ち主」という意味です。「自分ごと(として考える意識)」という表現の方が明確かもしれません。
 
 仕事を遂行する際にオーナーシップを持っているかは、その人の能力を発揮できるかどうかに大きな影響を与えます。ここでいう「仕事」は職業とか会社といった全般的なことを指すのではなく、個別かつ具体的な個々の業務を指します。もちろん、仕事全体はすべて個々の業務で構成されるという前提です。
 
 新卒のうちは明確な具体的業務が与えられることが多いです。与えられた業務は自分のものだという気持ちを持っていれば全力で取り組むことにつながります。基本的にはそれでよいのですが、注意すべきは、範囲が能力を超えている場合です。何らかの理由で過重な量または質の業務が与えられ、自分だけで何とかしようとすると結果的に期限が来てもできないという結果になります。最悪の場合心身を病んでしまうことすら起こり得ます。早めにエスカレーションをし(bad news firstです)、論理だてて説明して範囲変更してもらうことも必要です。
 
 若手中堅となるにつれて、業務範囲は広く抽象的になり、他者との境界もあいまいになることが多くなります。部下もできてきます。すべての業務に100%のオーナーシップを発揮するのは難しいだけでなく、意図的に加減すべきときも出てきます。この辺は今回のお話の主題から離れるので省略します。
 
 ここから先は人によっては異論があるかもしれませんし、職種業種によってはなじまないかもしれませんが、新人のうちからでも参考になる一つの考え方を示します。私自身は、多くの場合、個別業務の成果はある種の作品だと考えることでオーナーシップ発揮に努めているように感じています。
 
 このブログ記事(私の業務です)のような記名の仕事だと、オーナーシップは当然強くなりますよね。そうじゃない業務、名前が出なくても、自分がやったことがほとんどの人にはわからない個々の瑣末な業務でも、署名付の作品のように思ってやってみてはどうでしょうか。自然とオーナーシップが反映された、心のこもった仕事になります。
 
 私が若手のころ、個々の業務で少し手を抜くと、上司から「心がこもっていない」とすぐに見抜かれました。逆に言うと、細かい業務や目立たない業務でも、あなたがオーナーシップを持って取り組めば、近くの人は必ずだれか見てくれているはずです。これの日々の蓄積は大きな財産になります。
 
 メディア学部 柿本正憲
 
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ECHO:社会人のふるまい(卒業生の皆さんへ)(3)

2020年3月18日 (水) 投稿者: メディア技術コース

 「ECHO:社会人のふるまい」3日目はホスピタリティ(Hospitality)です。「おもてなし」という言葉がもっとも近いですが、もてなしそのものよりもその気持ちの意味合いが強いです。
 
 打合せや商談で会社を訪れ会議室に座ると、お茶やコーヒーが運ばれてくる。単純ですが、このようなもてなしがホスピタリティです。わざわざ来てくださった方々には気持ちよく過ごしてもらい自社にいい印象を持ってほしい、という気持ちです。
 
 展示会などの自社ブースで来場者を迎えるときにも、お茶を出すまでは普通しませんが、訪れた人を大切に思って対応することがホスピタリティです。
 
 学生のうちでもそのような経験はできます。例えばオープンキャンパスや文化祭のときの卒研室公開です。立ち寄ってくれた来場者はもちろん顧客ではありません。でも応対する際には、お客様対応という気持ちで接することが当然のように求められます。そのように振る舞わないと違和感を与え、場合によっては礼を失すると見なされます。
 
 短絡的にはビジネスで自社の利益につながるからホスピタリティを持つ、というようにも見えます。その側面も否定しませんが、利益につながらないとわかったら態度を変えるのでしょうか。そうではないですよね。態度を変える人もたまにいますが、ホスピタリティのない行為です。そもそも、今は違っても将来その相手が重要顧客になる可能性はあるのです。態度を変えるのはむしろ危険な行為と言えます。
 
 利害はいったん置いておいて、まずは一緒に仕事をする相手に気持ちよく過ごしてもらうことが自分自身嬉しい、というのがホスピタリティを持つ人の率直な気持ちだと思います。まずは周囲にいい思いをしてもらって、結果的に自分の利益になって返ってくる、という長期的にビジネスを成功させる鉄則に通じるものがあります。
 
 ところで、冒頭で例示した会議室のコーヒーですが、出されたら終了時までにはちゃんと飲み切るようにした方がいいです。せっかく出してくれたものを残すなんてという精神論よりも、後片付けをやる立場になればすぐわかります。
 
 メディア学部 柿本正憲
 
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ECHO:社会人のふるまい(卒業生の皆さんへ)(2)

2020年3月17日 (火) 投稿者: メディア技術コース

 「ECHO:社会人のふるまい」2回目の今日はコミットメント(Commitment)です。いろいろな意味がありますが、ここでは「約束」という意味です。
 
 約束にあたる英単語はpromiseですが、promiseは個人的な口約束というニュアンスがあります。公式な(破ると罰則がある)約束だと「契約」(contract)となり明確に文書化されるものです。コミットメントはそれらの中間から契約まで含む広い概念です。顧客に何らかの対応を約束することは、たとえどんな小さなことでも口約束でも、会社としての正式なコミットメントということになります。
 
 破ったときの罰則が明文化されない場合もあります。しかし、コミットメントを破ることは「信頼を失う」という厳しいペナルティがあります。一度失った信頼を取り戻すことは容易ではないです。
 
 コミットメントを「責任を伴う約束」ということもできます。政治家や組織の長が世の中に約束すればそれはコミットメントです。守らなければ責任を取らなければなりません。何らかの責任を取らなければ信頼と支持を失います。
 
 私がシステムエンジニアだったころ、顧客や協業他社の方々とのやり取りをすることも頻繁にありました。いつまでに何をするというのを安易に連絡していました。顧客支援(カスタマサポート)のエンジニアと一緒に仕事をしたとき、彼らが顧客との約束に対して負っている責任の強さを実感しました。コミットメントという言葉と概念を学んだのはそのときです。
 
 顧客相手だけでなく、社内の同僚や社外の協力企業の人とのやり取りに含まれる約束はコミットメントです。社会人として種々のやり取りをする際に、コミットメントの概念を意識することは重要です。
 
 一方で、あまり意識しすぎると明確な約束は何もできなくなり、やはり信頼を失います。約束が守れなくなる確率はゼロではありません。その確率をなるべく小さくし先方も満足するよう努めながら、万一のときはいさぎよく責めを負う覚悟を持ってコミットすることも必要です。
 
 ちなみに、直接関係ないことですが「責任」という言葉は自分自身に向けるものとして使いたいものです。他人に対して「責任」を頻発する人に仕事のできる人はいないというのが私の経験です。
 
メディア学部 柿本正憲
 
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ECHO:社会人のふるまい(卒業生の皆さんへ)(1)

2020年3月16日 (月) 投稿者: メディア技術コース

 新型コロナウィルス感染防止のため、今年度の卒業式は中止となり、19日は卒業研究室ごとでの学位記の授与となりました。たいへん残念なことですがご理解ください。
 
 卒業生の皆さんの多くは社会人として仕事を始めることになります。今日から19日までの4日間、社会人の振る舞いとして知っておくとよいことがらを4つご紹介したいと思います。4つの頭文字をとってECHOとなります。
 
 私自身は、8年前に教員になるまでは30年間サラリーマンとして数社の民間企業で働きました。30代後半と40代の15年あまりは、外資系コンピューターメーカーのシリコングラフィックス社(今はもう消滅しています)の日本法人に勤務しました。システムエンジニア、プログラマー、プログラミング講師、顧客サポート、ソフト開発、マーケティングなどいろいろな仕事をしました。管理職も少しやりました。
 
 今回の4つのトピックは、そのときに折に触れて学んだ概念です。体系だったものではなく、日本語でぴったりの訳語もないので英単語のままそれぞれ紹介します。概念としては日本の会社でも普通に使われるし通用するものです。
 
 1回目の今日はエスカレーション(Escalation)です。エスカレーターと同じ意味で「上にあげること」です。会社組織の中では「問題点を上司に報告して共有する」という意味になります。一つ上の組織階層に問題を持ち上げることです。
 
 真面目に仕事に取り組む人が陥りやすいのは、問題が起きたときに自分で何とか解決しようとすることです。心がけはそれでよいし、安易に上司に相談ばかりすると「自分で考えろ」と言われてしまいます。しかしそれも程度問題です。若手のうちは早めに直属の上司に問題点を相談しましょう。若手のうちなら安易に相談しても大目に見てもらえます。
 
 特に、純粋に技術的な問題でなく人(同僚・社内外・顧客)が関係してくる問題は、早めのエスカレーションが必要です。あなたが何日も悩んでいることを上司なら即座に解決できるかもしれません。
 
 上司に相談した瞬間に、問題解決の責任者はあなたではなくその上司になります。上司もちゃんと対応しなければならないのです。
 
 エスカレーションという概念と合わせてbad news firstとよく言われました。悪い知らせほど早く上司に知らせろということです。良いことを早く知らせたい、悪い知らせをすると怒られてしまうのでは、と思うのは人情です。
 
 報告者を責める上司にはやがて悪い知らせは上がらなくなり、問題が未解決のまま放置されがちになります。優秀な上司は悪い報告をした部下をやみくもに叱るようなことはせず、むしろ歓迎するはずです。
 
 問題を報告すれば責任は自分ではなく上司に移行する、ぐらいの気持ちをもって積極的にエスカレーションをしましょう。もちろん、やりすぎ注意です。
 
メディア学部 柿本正憲

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仮面ライダーは世界をどんなふうに見ているか(学生奨励賞受賞)

2020年3月15日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

 大学院メディアサイエンス専攻修士1年の佐藤葵くんが、情報処理学会第82回全国大会で学生奨励賞を受賞しました。昨日紹介した白崎くんとともに、同じ研究室からダブル受賞です。
 
 佐藤葵, 戀津魁, 柿本正憲, 複眼構造に基づく昆虫の視覚推定, 情報処理学会第82回全国大会, 学生セッション, 6P-08, 2020年3月7日
 
 メディアサイエンス専攻としては一風変わった研究です。佐藤くんは虫が大好きで、何か昆虫に関するテーマを研究したいという希望がありました。議論の末、私が専門としているCG、特に特殊な条件の視覚での見え方の研究をやってみようということで取り組みました。
 
 昆虫の眼で世界がどんな風に見えているかを理論立てて考え、実際に画像として提示する研究です。昆虫は、多数の小さな個眼が敷き詰められた、複眼と呼ばれる眼で世界を見ています。しばしば、たくさんの小さな像が敷き詰められたような見え方として説明されることが多いのですが、実はこれは完全な間違いです。
 
 個眼一つで像を結ぶわけではありません。個眼一つからは視神経が一本しか出ていません。つまり個眼は一画素の色しか取り込めないのです。その事実に基づき、さらに個眼の視野角を考えることで、面白い現象がわかりました。
 
 それは、昆虫は、粗い画像ながらも遠くはぼんやりと、近くはより鮮明に見えているということです。特殊なカメラ(Intel Realsense)を用いて、各画素の距離データも得られる実験用画像を用意しました。この画像を入力データとし、今回考案した手法で処理をした結果が以下の画像です。
 

Sato2020ipsj_in  Sato2020ipsj_depth_20200314104101  Sato2020ipsj_out 
左から元画像、距離画像(明るいほど近い)、昆虫の見え方の推定画像

 
 花が近づくにつれてより鮮明に見えることがわかります。今後は、精密な昆虫の複眼の構造を反映させ、より正確な見え方を示すことを目指します。
 
メディア学部 柿本正憲

 

手影絵を創作するシステムで学生奨励賞を受賞

2020年3月14日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

 メディア学部4年の白崎悠斗くんが、情報処理学会での下記の発表で学生奨励賞を受賞しました。
 
 白崎悠斗, 戀津 魁, 柿本正憲, シルエット画像に基づく手影絵用の手姿勢生成, 情報処理学会第82回全国大会, 学生セッション, 7ZF-01, 2020年3月7日
 
 情報処理学会の第82回全国大会は3月5日~7日に開催されました。石川県の金沢工業大学が会場の予定でしたが、新型コロナウィルス感染防止のため、急きょ、前代未聞のオンライン会議での開催となりました。
 
 白崎くんの研究では、任意の物体の画像に対して、手影絵でその物体を表現するための手の形を3D CGモデルで提示してくれるシステムを考案し、プログラムとして実装して実験しました。
 
 卒業研究の一テーマとして、アイディアからプログラム作成まで自前で作り上げたものです。しっかりとした手法を考えるために、まずは単純な条件として片手だけで物体の形に似せることを試みました。粗削りではありますが、いろいろな物体の影絵を手で表現するシステムができました。
 
Shirazaki2020ipsj

 この発表のセッションでは8件の学生発表があり、セッション終了時に座長が2件の学生奨励賞を選考しその場で授賞となりました。
 
 今後、後輩の卒研生に引き継いで、両手で本格的な手影絵を簡単に考案できるようなシステムにしていきたいです。
 
メディア学部 柿本正憲

 

卒業研究「ミュージック・アナリシス&クリエイション」・最終[中間]発表開催報告

2020年3月13日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

さる2月3日(月)に「ミュージック・アナリシス&クリエイション」研究室の卒業研究発表会を開催しました。

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本研究室は例年、上の写真のようにポスター形式で実施しており、今回は最終発表11名、中間発表1名の計12名が、それぞれ研究内容をまとめたポスターを前に説明を行いました。以下は研究テーマの一覧です。

  1)『beatmaniaⅡDX』収録曲の特徴とゲーム性に関する研究
     〜「kors k」及び「Ryu☆」の楽曲を中心に〜」
  2)「乃木坂46の楽曲の分析 ~発売時期に見る作曲・編曲の特徴~」
  3)「日本におけるジャズの受容と変容の研究
     ~第二次世界大戦による影響を中心として~」
  4)「シティ・ポップの分析 ~70年代/80年代と現代を比較して~」
  5)「近藤浩治のゲーム音楽における楽曲制作手法に関する研究
     ~スーパーマリオシリーズを対象として~」
  6)「ホラーゲームの非戦闘シーンにおける音響演出に関する研究
     ~廊下マップにみる「隠した表現」~」
  7)「日本における恋愛を題材にしたポピュラー音楽の分析
     〜1970年代と2010年以降〜」
  8)「カーペンターズの楽曲の分析 ~トップ・オブ・ザ・ワールドを中心に~」
  9)「Data Musicalizationによる楽曲制作 ~人の属性を素材として~」
 10)「「キングダム ハーツ」シリーズにおけるBGMの音楽的特徴
     ~プレイヤーの感情を誘導する場面に着目して~」
 11)「K-popにおける反復要素に関する研究
     ~Black Eyed Pilseungの楽曲を中心として~」
 12)「『Bloodborne』の戦闘時における音楽の特徴
     ~ボス戦に見る世界観を意識した臨場感の演出について~」<中間発表>

上記のように、音楽に関連した幅広いテーマを扱うのが本研究室の特徴ですが、カテゴリーで見ると今回は「ポピュラー音楽(洋楽・邦楽)の分析」が6件と最も多く、次いで「ゲーム音楽・音響関連の研究」が4件、「ジャズの歴史研究」と「楽曲制作」がそれぞれ1件という内訳でした(※ちなみに昨年度はゲーム関する研究が一番多かったです)。特に9)のような音楽作品の創作(本研究室の名称にある「クリエイション」の部分です)を目的としたものは実に3年ぶりで、そういった点からも例年以上に多彩なテーマでの発表となりました。

当日は本研究室の次年度卒研着手学生も参加し、積極的に発表者に質問していましたが、彼らが今後どのように研究に取り組み、それぞれ形にしていくか楽しみです。


(文責:伊藤謙一郎)

プロジェクト演習「ゲームデザイン」の授業

2020年3月12日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

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  メディア学部特任助教授の安原です
メディア学部コンテンツコースの「プロジェクト演習」は、ゲーム制作を行い東京ゲームショウに出展することを目指すものが良く知られています。そしてプロジェクト演習には他にも、自分が受け持つ「ゲームデザイン」を実践して学ぶ演習があります。自分が25年以上ゲームデザイナーとして培ったノウハウを「Unity」というゲームエンジンを用いて、ゲームデザインの初歩からひも解いて、学生自らがゲームのギミックを加えてゲームのプロトタイプ制作を実践し学んでいくものです。プロトタイプとは、新しいゲームをプレゼンテーションする際、関係者に動くものを実際に触ってもらいながら説明する為に用いられる、ゲームデザインのコアとなる基礎部分だけを組み込んだ「骨組み」のようなプレイアブルなプログラムです。実際、現在のゲーム制作現場では、企画職が単純なプロトタイプを自ら組んでプレゼンするケースがほとんどで、企画職を目指す学生にとって、プログラムを書くことは避けて通れないものとなっています。この演習は初めて学ぶ事ばかりだという学生がほとんどですが、楽しみながらもチャレンジングかつエキサイティングな実践的な内容を心掛けて行っています。
前年後期の実習内容は「キャラクターをつくる」「プレイヤー能力の制御」「レベルをつくる」「Unityについて」「Unityでプレイヤーをつくる」「Cinemachineを使う」「カメラのコントロール」「危ないもの」「動くもの」「撃つもの」「スイッチと攻撃」「競争相手」「アイテムと音」「シーケンス」というものを実習課題として順番に講義しました。毎回新しい一つの実装するギミックやアクションを解説して、学生は自分でそれを使ったあそびのアイデアを考え、Unityを使ってそれを実際に作り、何かしらの動くもの(プロトタイプ)を完成させて、次回の演習時間に全員に向けて発表します。
毎回こちらの予想をはるかに超えたユニークな作品が学生から提出されることは、こちらにとって大きな喜びです。実習で他の学生たちの作品を見ることで、参加した学生たち全員が刺激を受け、より良いものを作ろう、という意欲と気付きのフィードバックが生まれる空間になることを目標に、来期に向け新しい教材を制作していきます。皆さんの参加を待っています。

 

 

令和元年芸術科学会東北支部大会・発表報告(その4)

2020年3月11日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

本ブログをご覧の皆様,こんにちは.

メディア学部教授 菊池 です.
本日のブログは,「令和元年度芸術科学会東北支部大会」での研究発表紹介・第 4 弾です!

本日ご紹介する研究は「Alive Flame:酸素分圧勾配による火柱の移動を考慮した火災旋風のプロシージャルアニメーション [1]」です.

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図.研究発表中の韋君


本研究では,酸素分圧勾配を計算して,まっすぐ舞い上がる火災旋風が酸素濃度の濃い方向へ向けて移動することによって,周囲への延焼の様子をシミュレーションすることを可能にしました.

研究成果動画は,こちらからご覧いただけます.

今後はさらにシミュレーションのスケールを大きくし,森林火災のシミュレーションなどへの応用を検討しています.


以下のリンク先より,令和元年度芸術科学会東北支部大会発表報告その1からその3までをご覧いただけますので,
お時間のある時にでも目を通していただけると光栄です.

令和元年芸術科学会東北支部大会・発表報告(その1)
令和元年芸術科学会東北支部大会・発表報告(その2)
令和元年芸術科学会東北支部大会・発表報告(その3)

[1] 韋 程博,大西将貴,伊藤智也,菊池 司,”Alive Flame:酸素分圧勾配による火柱の移動を考慮した火災旋風のプロシージャルアニメーション”,令和元年度芸術科学会東北支部大会,講演セッション,01-07,2020.


文責:菊池 司

卒業研究「プロダクトデザイン」の最終発表会の様子

2020年3月10日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

今年度も卒業研究「プロダクトデザイン」の最終発表会を24日(火)午後に行いました。卒業を目指し、発表する卒研生は12名です。発表方法は学会等におけるポスター発表と同じです。

ポスターの展示時間は90分で、その時間帯は各自ポスターの横に待機し、レビュアの先生には内容を丁寧に説明し、最終審査を受けます。そして、見学に来てくれた多くの後輩たちの質問や感想にも誠実に対応説明します。今回も多くの後輩たち(主に23年生)が見学に訪れてくださり、意見交換も活発に行われていました。よいことです。

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興味をもってくれた卒研ほどいろいろな質問を頂くことが出来ます。そして説明を続ける卒研生はだんだんと声も枯れてきます。でも、それは嬉しい心地よい疲れですね。卒研生は全員、きちんと最終発表・説明をしていたと思います。お疲れ様でした。

この最終発表会のポスターについては、卒研生全員が公開快諾ですので、昨年同様、卒業式以後、この公式ブログで紹介していきたい所存です。

メディア学部 萩原祐志

専門演習 「CGアニメーション」学生作品の紹介

2020年3月 9日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さんこんにちは。メディア学部 特任講師の川島です。
今回は、私の担当する専門演習「CGアニメーション制作」の学生作品を紹介します。
作品の前に、この授業のことについて簡単に説明します。
メディア学部にはCGクリエイターになるための技術を学ぶことのできる授業がたくさんありますが、この授業ではアニメーションのキー技術であるモーションキャプチャ技術を学び、それをフル活用した作品制作を行います。この授業ではCGモデルの美術的な完成度の追求には時間をかけず、アニメーションにひたすらこだわります。キャラクタの動きの魅力とセリフや文字に頼らないストーリーテリングにこだわった企画を立案し、プロのセオリーを学びながらグループワークを行っています。本学のモーションキャプチャスタジオではこれまで多くの劇場映画・テレビ番組・ゲームなどの商業作品の制作を行ってきた実績があります。この授業は、そのような本格的なスタジオで実践的な技術を学ぶことができる貴重な機会です!
では、作品をどうぞ!
チーム名:片倉ファイブ
ARゲームとその中で展開されるガチャの当たりはずれを展開やバトル演出を織り交ぜた作品設計を思い浮かべた。またAR世界の展開と現実世界の展開を入れ最終的には現実の世界で取り返しのつかないような展開も取り入れコメディ的な要素も取り入れたかった。動きに関してはARと少し非現実的な世界観なのでスタイリッシュかつ激しい動きを展開できると考えた。
チーム名:Studio Life
主人公が落ちている財布を拾い、その財布を盗むか、届けるかの葛藤を天使と悪魔で表現しています。主人公の動きももちろんですが、天使と悪魔のやり取りにも注目してみてください。少しコメディ要素が入った日常系となっているので、クスっと笑ってもらえたら嬉しいです。
チーム名:抹茶パフェ
うごくメモ帳の「〇〇VS棒人間」シリーズにインスパイアを受け作りました。
懐かしい気持ちになってもらいつつ楽しんでもらえたらと思います。

 

チーム名:Team : VENDOR
この作品は、怒りっぽいがどこか憎めない主人公が、飲み物が出てこない自動販売機と格闘するコミカルなバトル作品です。
チーム名:BOX
この作品は赤グローブの大きい選手と青グローブの赤より一回り小さい選手とのボクシングの試合を描いた作品です。それぞれのキャラの動きに違いをつけ撮影を行ったり、連打のシーンに残像をつけより早く腕を動かしたようにみせたり、最後の赤が殴るシーンをスローにしより力強く見えるようにするなど工夫を行いました。また、「よそ見」という試合ではめずらしい動きや殴られた青が大きく吹っ飛ぶなどアニメーションならではの表現を付けました。
文責:東京工科大学 メディア学部 川島基展

2019年度 思い出す事など

2020年3月 8日 (日) 投稿者: メディア社会コース

今回の連続投稿の最後に、2019年度の筆者の研究活動を、ゼミ生の学会報告を中心に振り返りましょう。

2019年度は、ライラックの咲き誇る初夏の札幌大通り公園に始まり、梅香る水戸偕楽園へと続きました。この後3月に、記録的な暖冬を受けて桜舞う福岡大濠公園を尋ねられるかもしれません。今年度の足跡を以下に記しましょう(カッコ内は参加したゼミ生数)

情報文化学会北海道支部会、525日、北海道大学

ビジネス科学学会全国大会、629日、福岡中村学園大学(3)

情報コミュニケーション学会、721日、明治大学(1)

情報文化学会関東支部会、829日、本学八王子

進化経済学会オータムコンファレンス、912日、高山市民文化会館

情報文化学会全国大会、105日、東京大学(5)

社会経済システム学会全国大会、1026日、名古屋工業大学

社会情報学会第1回中国・四国支部会、1214日、島根大学(3)

社会情報学会第2回中国・四国支部会、21日、高知大学(1)

社会情報学会関東支部会、216日、茨城大学(2)

ビジネス科学学会九州支部会(参加予定)320日、福岡中村学園大学

それぞれの学会で、自分自身、そしてゼミ生の研究指導において、飛躍につながるヒントが得られました。学会の意義はこの点にあります。しかしここでは、研究以外に印象に残った、ささやかな出来事を記しておきましょう。

まず、5月の札幌は、文字通り風薫る、最も爽快な季節にあります。ただ、東京と違い、朝晩はまだ冷え込みも厳しく、開催校のT先生からは一枚羽織るものを決して忘れないようにとのご案内がありました。しかし、当日は真夏日に迫る蒸し暑い日で、学会終了後に、若干過ごしやすくなった広大なキャンパスを歩いていると、あちらこちらで学生たちがジンギスカンの煙を立てていました。T先生が恐縮していたことは言うまでもありません。

6月の福岡では、少し気を揉む出来事がありました。二人の学生が学内研究費を少しでも節約しようと気を利かし、非常に安いパックツアーを申し込んでいました。しかし、成田発着のLCC利用だったことに気がつかず、しかも早朝出発、夜遅くの帰着便で、二人とも女子学生ということもあり、無事に参加できるか、帰りは終電に間に合うか、連絡が来るまで大変心配になりました。二人とも無事に、立派に報告し終えたことは言うまでもありません。

御茶ノ水は、筆者にとって、思い出深い地です。その昔通っていたS予備校の界隈には、湯島聖堂の深い緑、ニコライ堂の鐘、山の上ホテルのたたずまい、漱石とも縁のある井上眼科の洋風建築、カルチェ・ラタンを思わせる駿河台などがあり、今時の東京とは異なる雰囲気に包まれていました。そして何より、総武・中央線の上りホームから見た、神田川、丸の内線、聖橋の交差がこの街を象徴していました。物心ついた頃から、これが東京だ、と強く焼き付いた風景でした。今では、明治大学もリバティータワーがそびえ、医科歯科大の病棟も様変わりしました。しかし、バス通りに楽器店が今も軒を連ね、一歩脇に逸れた静かな通りに残る匂いは、この街の矜持に違いありません。

高知といえば、鰹のタタキを思い浮かべる人も少なくないでしょう。しかし、本場でも高価な料理であることを知りました。高知駅にある全国的な居酒屋チェーン店で見た品書にやや驚いたくらいです。昨年ははるかに値段の安かった(確か六掛けくらい)マグロ丼を食べたことを思い出しました。ポン酢だけでなく、塩でも食べるようです。余談ですが、戦前生まれの父はタタキでは物足らず、刺身に限るとよく言っていました。さて今年は、タタキも少しいただきましたが、ウツボを初めて食べました。これも名物の唐揚げでしたが、皮がうなぎのように歯応えがあり、身は淡白で滋味深いものでした。強面の顔ながら、これだけ美味しいと哀れです。

216日開催の社会情報学会関東支部会では、見頃の梅咲く水戸偕楽園に立ち寄るつもりでしたが、春とは名のみの冷たい雨の降る天候のため、「ひたち」の車窓からの眺めとなりました。この時期、梅祭りが開催され、列車は水戸駅ひとつ手前の偕楽園駅に臨時停車します。ホームでは、晴れの衣装のミス偕楽園が二人笑顔で観光客を出迎えていました。受験もいよいよ佳境に入るこの時期、好文木は、水戸駅周辺にも、気品ある香りを漂わせていました。

梅が香にのっと日の出る山路哉(芭蕉)

(メディア学部 榊俊吾)

2019年度経済経営調査研究・卒研生学会発表6:社会情報学会関東支部研究発表会

2020年3月 7日 (土) 投稿者: メディア社会コース

学会報告の第5回目は、2019年度社会情報学会関東支部会研究発表会です。216日、茨城大学で開催されました。昨日投稿しましたように学事日程は全て終了しており、ゼミ生全員卒業要件は満たしたのですが、なお、2名の学生が当学会報告に臨みました。当日は、ポスター発表で参加し、2019年度当研究室の最後を飾ってくれました。

K君「紙媒体のマンガと電子書籍の現状と今後の課題」

H君「サバイバルゲーム業界の現状と今後の展望」

https://sites.google.com/view/2019-ssi-kanto-program/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0

国内の主な学会報告形態には、口頭発表とポスター発表があります。前者は、まず、研究内容全般を所定時間の中で報告し、その後座長、討論者、そして会場参加者からの質疑応答を通じて議論を深めていく形式です。研究報告として最も標準的な形式で、業績評価としても一段格の高いものです。しかし、一人ずつ時間が割り当てられていることから、議論が盛り上がっている途中で時間切れという嫌いがあります。

一方、ポスター発表は、若手研究者の参加を中心として組織され、業績評価としてよりも研究教育指導という効用、効果が大きいと実感しています。実際、今回も、各人のショートスピーチの後、1時間という十分な時間の中で、複数の参加者と立ち入った議論を展開できました。したがって、理想を言えば、当ゼミ生にも、4年生の夏学期にポスター発表で優れた研究者から指導を受けることで研究の方向性と主要な論点を絞り、秋冬学期にその解答を試み、仕上げとして口頭発表に臨んでもらいたいのです。

(メディア学部 榊俊吾)

2019年度経済経営調査研究・卒研生最終報告

2020年3月 6日 (金) 投稿者: メディア社会コース

今回は、学内の活動を紹介しましょう。去る26日に、2019年度卒業研究の最終発表会が実施されました。当報告会は、4年次卒業研究の成果発表、そして大学生活総仕上げの、文字通り最後の学事になります。今年は下記、15名の学生が臨みました。

I君「女性アイドルのプロデュース方法について」

O君「人口増加に繋がる要因について」

O君「IR施設設置に伴う日本の動向」

K君「紙媒体のマンガと電子書籍の現状と今後の課題」

S君「パチンコ、パチスロ業界の現在と今後の展望」

S君「アニメと地域活性化」

Nさん「フリーマーケットアプリの普及による市場状況と展望」

N君「J リーグにおけるサポーター獲得戦略とスポンサー効果の関係」

Hさん「幼児向け知育玩具・アプリの今後の展望」

H君「サバイバルゲーム業界の現状と今後の展望」

G君「動画配信サービスの現状と展望」

M君「日本e-sports業界の課題と将来性の考察」

W君「仮想通貨の現状と展望」

M君「Twitterを使用したプロモーションについて」

M君「国内アパレル企業におけるECの現状とその後の展望」

当日は、技術コースの寺澤先生がレビューアーとして臨席され、全学生の報告に対して丁寧なコメントをしていただきました。どの学生も日頃の研究成果を落ち着いて報告できました。1年間、充実した研究活動の経験を踏まえ、もう間近に迫った社会人としての歩みを自信を持って進めてほしいと思います。

(メディア学部 榊俊吾)

2019年度経済経営調査研究・卒研生学会発表5:社会情報学会中国・四国支部第2回研究発表会

2020年3月 5日 (木) 投稿者: メディア社会コース

学会報告の第4回目は、2019年度社会情報学会中国・四国支部第2回研究発表会です。21日、高知大学朝倉キャンパスで開催されました。同キャンパスは、JR高知駅から土讃線に乗り風情豊かな気動車に揺られて15分ほど、あるいは、土佐電の路面電車では、有名な「はりまや橋」から乗車して30分ほどのところにあります。

当日は、南国土佐の趣十分なうららかな陽気でした。ちなみに、昨年の同学会は時折雪が舞う、あいにくの天気であったことが思い出されます。

http://www.ssi.or.jp/committee/commit14.html

http://www.ssi.or.jp/committee/2019pdf/committ14_20191216.pdf

今回は、当ゼミから1名の学生が参加し、報告を行いました。報告者並びにタイトルは、

O君「人口増加に繋がる要因について」

です。当日は、第一回開催校の島根大学N先生、兵庫県立大学のA先生、当ゼミの演習講師を務めてくれている東工大H先生、そして今回主宰校の高知大学T先生が揃いました。

 今回のO君の研究は、各都道府県における人口の増減要因を、歴史、観光資源、交通ネットワーク、通学/通勤等近隣地域との関係等、多様な条件と特性を踏まえ、豊富な統計及び事例をもとに紹介したものです。仮説と検証という研究本来の様式に則ったものというよりは、当該テーマに関わる多様な論点を提示した点に特徴があります。地域経済がご専門のA先生はじめ、都市の歴史的な形成過程に関して大変具体的に指導していただけました。O君にとって翌週の学内最終報告に向けた大きなヒントが得られました。

(メディア学部 榊俊吾)

2019年度経済経営調査研究・卒研生学会発表4:社会情報学会中国・四国支部第1回研究発表会

2020年3月 4日 (水) 投稿者: メディア社会コース

学会報告の第3回目は、2019年度社会情報学会中国・四国支部第1回研究発表会です。昨年127()、島根大学で開催されました。この時期の松江は、曇りがちで、日が射したり、雨が降ったりと、天気が忙しく変化します。

さて、会場の同大学松江キャンパスは、JR松江駅から市内循環バスで向かいます。同バスの、北外回りと北内回り、どちらでも向かうことができます。松江駅を出発すると、内回りでは10数分でキャンパスに到着します。一方、外回りだと30分以上もかかりますが、宍道湖、松江城などを経由し、若干観光気分も味わえます。

さて、当日のプログラムは以下の通りです。

http://www.ssi.or.jp/committee/commit14.html

今回、ゼミ生3名が報告を行いました。

研究発表(1) N君

「Jリーグにおけるサポーター獲得戦略とスポンサー効果の関係」

研究発表(2) M君

「日本国内アパレル企業におけるECの現状とその後の展望」

研究発表(3) I君

「アイドルのプロデュース方法について」

3人とも初めての学会報告のせいか、緊張気味でしたが、それぞれ豊富な事例を基にした実証研究で、島根大学の大学院生や、他大学の先生方とともに良い報告ができました。

 (メディア学部 榊俊吾)

2019年度研究活動報告:第38回社会経済システム学会全国大会

2020年3月 3日 (火) 投稿者: メディア社会コース

学会報告の第2回目は、社会経済システム学会全国大会です。さる1026()、名古屋工業大学で2019年度第38回全国大会が開催されました。会場の同大学御器所キャンパスは、JR名古屋駅から二駅目の昭和区鶴舞にあります。名古屋大学医学部附属病院と名水で有名な鶴舞公園に面した、閑静な場所です。

今回の学会では、当ゼミ生の報告は行っていません。当学会では博士課程以上の研究者にしか報告が認められていないからです。学部学生の報告も盛んな工学系学会とは異なり、一見閉鎖的な印象がありますが、人文社会系学会では標準的な扱いです。今回は、筆者があるセッションの座長を務めての参加でした。当日のプログラムは以下の通りです。

https://jasess.jp/wp/wp-content/uploads/2019/2019conferenceProgram_final-1.pdf

筆者のセッションでは3人の会員からの報告がありました。

  • 「朝バナナダイエット」ブームが平成年国民健康・栄養調査に与えた影響について:大貫裕二(お茶の水女子大学)
  • 相加相乗平均と期待効用仮説:川山里菜(福岡大学大学院)・入江雅仁(九州共立大学)・藤本浩明(福岡大学)
  • 仕入税額控除制度モデルにおけるラムジー・ルール:楠本千裕(福岡大学大学院)・入江雅仁(九州共立大学)・藤本浩明(福岡大学)

福岡大学チームの報告は大学院生からのものです。当学会ではなぜか筆者はこのチームの報告セッションを依頼されることが多いです。

さて、「朝バナナダイエットブーム」を報告した大貫さんは、本籍は霞が関にある某官庁の職員です。一見するとかなり領域の絞られたテーマですが、統計分野に知見のある方で、栄養管理の文献も渉猟した、実態解明を企図した報告でした。そして、現在統計改ざんが大きな社会問題になっていますが、今回の実態解明を行った報告も、彼の強い規範意識から生まれたものでした。

(メディア学部 榊俊吾)

2019年度経済経営調査研究・卒研生学会発表3:情報文化学会第27回全国大会

2020年3月 2日 (月) 投稿者: メディア社会コース

本日より連投で筆者の研究領域等について、本学メディア学部卒業研究「経済経営調査研究」学生諸君の秋学期以降の研究実績を中心に報告しましょう。

1回目は、情報文化学会全国大会発表です。

昨年105()、東京大学情報学環福武ホールで2019年度情報文化学会第26回全国大会が開催されました。

http://jouhou-bunka.jp/

会場は昨年に引き続き、建築家の安藤忠雄氏が設計した福武ホールでした。当学会は本郷で開催されることが多く、当卒研では2016以来参加していますが、今年も快晴で、10月の真夏日になりました。週末とあって、構内を散策する人たち、観光客の姿も目立ちました。毎年この時期、独特の風情が漂うのですが、多くの銀杏が落果したままで、近隣から拾いに来る人も少なくなったのか、週末の賑わいとともに、やや時の移ろいを感じました。

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正門より安田講堂を望む銀杏並木(筆者撮影)

さて、今回は、筆者のゼミ生5人(うち1名は2回目の学会報告)が口頭発表を行うことになりました。これで当ゼミでは、すでに学会報告を終えている4人と合わせて8人になります。また、加えて5人のゼミ生諸君が、受付、会場の設営、時間管理など、大会運営を手伝ってくれました。発表者ならびに発表題目は以下の通りです。

 

セッション「情報と経済」座長:東工大H先生

M君「日本e-sports業界の課題と将来性の考察」

W君「仮想通貨の現状と展望」

セッション「情報とデバイス」座長:青山学院大K先生

U君「電子書籍業界の利用状況と今後についての考察」

G君「動画配信サービスの現状と今後の展望」

セッション「情報と社会」座長:東大N先生

O君「IR設置に伴う日本の動向について」

 

本番の前々日にゼミでリハーサルを行い、多くの課題を出しましたが、全員2日間で飛躍的に進展させていました。今回も、各座長の先生方やフロアの方からは、建設的なコメントをいただき、今後研究を進めていく上で多くのヒントが得られました。大変緊張した面持ちで報告に臨んだゼミ生達でしたが、会場の福武ホールを後にするや、大きなため息が漏れたのが、大変印象的でした。

 (メディア学部 榊俊吾)

 

サウンド×ヒューマン研究室・2019年度卒業研究発表会

2020年3月 1日 (日) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

こちらの記事でもちょっと触れられていますが、2月3日(月)に「サウンド×ヒューマン研究室」の卒業研究発表会を行い、14件の最終発表と2件の中間発表、合計16件の発表をポスター形式で実施しました。

2019final

実際の発表題目のリストを挙げてみますので、先日の記事の図のどのあたりが該当するのか、比べながら見てみて下さい。

  • 音楽の安全利用のための音楽プレーヤーの研究
  • パラメトリックスピーカーを活用した音響情報提供システムの研究
  • 感性表現に基づくシンセサイザーインターフェース
  • VR環境における音響と視覚の協調と競合について
  • 肉声と合成音声の比較に基づく感情音声の研究
  • 複数音源混在時における情報認知に関する研究
  • 聴覚障害者向け警告音検知方式の研究
  • 楽曲と声質の組み合わせに関する聴取印象の研究
  • スマートフォンのマイクを用いた生活モニタリングの研究
  • オーディオ情報をトリガーとするモーショングラフィックスの 研究
  • 声の魅力度と音響特徴量の関係に関する研究
  • ミキシング状況モニタリングシステムの研究
  • ギター音の分析評価
  • 不快感を生じさせる音響信号の分析と評価
  • パラ・非言語情報を用いた画像検索の研究(中間発表)
  • 音楽ゲーム自動生成のための音源分離技術の研究(中間発表)

卒研生も彼らで4代目、合計60件近い発表を行ってきたことになりますが、毎年ユニークなテーマが多く飽きることがありません。発表を見にきていた来年の卒研生たちも、きっと良い刺激を受けたのではないかと思います。

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