ECHO:社会人のふるまい(卒業生の皆さんへ)(2)
2020年3月17日 (火) 投稿者: メディア技術コース
「ECHO:社会人のふるまい」2回目の今日はコミットメント(Commitment)です。いろいろな意味がありますが、ここでは「約束」という意味です。
約束にあたる英単語はpromiseですが、promiseは個人的な口約束というニュアンスがあります。公式な(破ると罰則がある)約束だと「契約」(contract)となり明確に文書化されるものです。コミットメントはそれらの中間から契約まで含む広い概念です。顧客に何らかの対応を約束することは、たとえどんな小さなことでも口約束でも、会社としての正式なコミットメントということになります。
破ったときの罰則が明文化されない場合もあります。しかし、コミットメントを破ることは「信頼を失う」という厳しいペナルティがあります。一度失った信頼を取り戻すことは容易ではないです。
コミットメントを「責任を伴う約束」ということもできます。政治家や組織の長が世の中に約束すればそれはコミットメントです。守らなければ責任を取らなければなりません。何らかの責任を取らなければ信頼と支持を失います。
私がシステムエンジニアだったころ、顧客や協業他社の方々とのやり取りをすることも頻繁にありました。いつまでに何をするというのを安易に連絡していました。顧客支援(カスタマサポート)のエンジニアと一緒に仕事をしたとき、彼らが顧客との約束に対して負っている責任の強さを実感しました。コミットメントという言葉と概念を学んだのはそのときです。
顧客相手だけでなく、社内の同僚や社外の協力企業の人とのやり取りに含まれる約束はコミットメントです。社会人として種々のやり取りをする際に、コミットメントの概念を意識することは重要です。
一方で、あまり意識しすぎると明確な約束は何もできなくなり、やはり信頼を失います。約束が守れなくなる確率はゼロではありません。その確率をなるべく小さくし先方も満足するよう努めながら、万一のときはいさぎよく責めを負う覚悟を持ってコミットすることも必要です。
ちなみに、直接関係ないことですが「責任」という言葉は自分自身に向けるものとして使いたいものです。他人に対して「責任」を頻発する人に仕事のできる人はいないというのが私の経験です。
メディア学部 柿本正憲
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