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遠隔ペアプログラミングに挑戦します

2020年4月27日 (月) 投稿者: メディア技術コース

 3年次前期の必修科目「メディア専門演習Ⅱ」は約20テーマあります。そのうちのひとつ「イメージメディアプログラミング」は、画像を処理するプログラムを書く授業です。
 
 この演習の大きな特徴のひとつは「ペアプログラミング」を行うことです。プログラミングというと一人で画面に向かって黙々とコードを打ち込んでいく、という印象があります。これに対してペアプログラミングは、二人で一つのプログラムを書いていく過程を一緒に行う開発手法です。プロのソフトウェア開発企業でも実践している手法です。
 
 一人はキーボードでコードを書きます。もう一人はすぐ横で打ち込まれたプログラムを見ながら「そこスペル違う」とか「この変数名はこうしようよ」とか、声に出してツッコミをいれます。もちろん書く役割の人も声に出しながら「この関数呼び出せばいいよね」などと言いながらタイプするのです。
 
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 わざわざ二人で一つのプログラムを書くのですから、生産性が半分になるように一見して思えます。しかし、声に出して議論をしながら書くことにより、長い目で見ればひとりで黙々と書くよりも生産性が高くなります。ひとりで書いても、きちんとしたソフト開発の場合、定期的に上司などがプログラムを一行一行チェックして話し合う「コードレビュー」を行います。
 
 ペアプログラミングは、このコードレビューを究極に頻繁に、つまり常時やりながら開発するのです。プログラムの質が上がる利点はもちろんあります。加えて、生産性も上がります。
 
 さて、専門演習「イメージメディアプログラミング」では、履修生同士がペアを組んでプログラムを書きます。お互いに教え合いながら、試行錯誤もうまくいかない悩みも共有して進めていきます。
 
 以前は一人一人が黙々とプログラミング課題に取り組んでいました。ペアプログラミングをやるようになって明らかに出来上がりの質は上がりました。そして早く完成するようになりました。
 
 一人だと行き詰ったときに固まって時間を無駄にしてしまうのに対し、二人だとボーっとしていてはいけないという気持ちが働いてとにかく考えを進めようとします。どうしても行き詰ったときは教員に質問しようということになります。
 
 実際に、ペアで書くようになってから、演習中の教員への質問頻度は少なく見積もっても三倍ぐらいに増えました。また、毎回の授業ごとに別の人とペアを組むようにします。グループワークの欠点である、成果がメンバーに依存してしまうという弊害もありません。いろんな学生とペアを組むことでお互い教え合うことも当然多くなり、学修効果も高まります。
 
 2020年度前期はオンデマンドの遠隔授業が多くなります。演習を遠隔で行うのは大変な困難を伴うことが予想されます。「イメージメディアプログラミング」は、フルに遠隔授業とする予定です。ペアプログラミングも遠隔で行うことにチャレンジします。
 
メディア学部 柿本正憲

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