新聞を再発見しよう! 連載#7「東京新聞」
2020年4月19日 (日) 投稿者: メディア社会コース
こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
本連載最終日の今日は「東京新聞」をご紹介したいと思います。
地方出身者にはほぼ馴染みがない新聞でしょう。
私も広島出身なので、東京に出てくるまではよく知りませんでした。
まあ、東京の人が中国新聞と言われて、よくわからないのと同じですよね。
(中には中華人民共和国の新聞だと思う人もいたくらいです…!)
そんな東京新聞ですが、実は発刊しているのは中日新聞東京本社なのです。
中日新聞と言えば、愛知県名古屋市を本拠とする東海地方の新聞で、プロ野球中日ドラゴンズの親会社。
つまり、東京新聞と言いつつ、実は名古屋の中日新聞関東ローカル版とも言える新聞と言うわけです。
ただ、最初から中日新聞が立ち上げた新聞だったわけではありません。
創刊されたのは1884年で、当時は「今日(こんにち)新聞」という名前でした。
その後「都(みやこ)新聞」と名前を変え、戦時下の一県一紙体制(このことについては私の「メディア文化と社会」という授業の中でも言及しています)を受けて、「國民新聞」と統合され、「東京新聞」が誕生しました。
中日新聞が経営に参画したのは1963年になってからです。
東京新聞の政治的立場は、朝日や毎日と同じリベラル(左寄り)と言われています。
東日本大震災後には福島第一原発の徹底取材を敢行し、反原発を掲げて「原発のない国へ」というサイトも立ち上げました。
東京新聞の原発報道は2012年に一冊の本にまとめられています。
他方、現役の新聞記者・望月衣塑子氏の同名ノンフィクションを原案とした映画『新聞記者』が昨年公開され、今年の日本アカデミー最優秀作品賞を受賞したことをご存じの方も多いでしょう。
日本では敬遠されがちな政治をテーマとした作品がここまで高く評価されたことが、大きな話題となりました。
望月氏は中日新聞の社員で、現在中日新聞東京本社(東京新聞)勤務。
日本歯科医師連盟のヤミ献金事件の取材や、準強姦被害を訴えているジャーナリスト伊藤詩織氏へのインタビュー、菅義偉内閣官房長官の記者会見での鋭い質問など、記者として数々の功績を残しています。
彼女については上記『新聞記者』以外にも、昨年、森達也監督のドキュメンタリー映画『i-新聞記者ドキュメント-』が公開されており、現在その活躍が最も注目されている気鋭のジャーナリストの一人と言えるでしょう。
そんな人材を擁する東京新聞の記事は、読み応えのあるものが多いと感じます。
私には馴染みのない新聞でしたが、東京に戻ってきて全紙読み比べをした時にほぼ初めてちゃんと読んで、とても驚いたのを覚えています。
ただ、テレビ欄の位置が最終面ではないということに相当違和感がありましたが。
実際どの新聞を取るか、ということになると、紙面構成やフォント、文字の大きさ等も、好みが分かれるポイントになるでしょう。
※ 画像はイメージです。
【東京新聞購読DATA】
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1週間無料ためしよみサービスあり。
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今週は一週間、新聞各紙の紹介をしてきましたがいかがだったでしょうか。
ここで書いた通り、各新聞にはそれぞれの政治的立場があります。
そして、偏った報道も「報道の自由」なのです。
ですから、偏った情報を鵜呑みにしないためには、本来1紙ではなく、数紙を読み比べることが重要です。
しかし、何紙も講読するのは大変ですよね。
だとしたら、自分が読んでいる新聞がどういう政治的立場を取っているのかを、しっかりと把握しておきましょう。
その上で、無料で読める各紙のウェブ版にも目を通してみると良いでしょう。
本連載を通し、少しでも新聞に興味を持ってもらえたら嬉しいです。
(メディア学部 森川 美幸)
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