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誰もが経験したことのあるストーリーテリング

2020年4月25日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.
昨日「プロジェクト演習 シナリオアナリシス」の紹介をしました.今日はその続きで,私がシナリオ関連の演習や研究に携わっている動機についてお話しします.

皆様は子供の頃,人形やおもちゃを使って何かストーリーを作るような遊びをしたことがありますか?テレビのヒーローやキャラクターになりきって遊ぶ,いわゆる“ごっこ遊び”でも構いません.
大人になってからは黒歴史”を晒すようで,他人に話す人は少ないかもしれませんが,特に男子は身に覚えのある方が多いのではないでしょうか? 私自身は幼少期そんな遊びばっかりしていたように思います.

最近は実家に帰ると,甥がミニカーや人形を使って “劇”を延々と繰り広げている姿をよく目にします.
甥はいかにそのミニカーがすごいのか,どんな大事件が起こっている想定なのかを一生懸命私に説明するのですが,もちろん私には甥の言っていることはよく理解できません.

ただ,私はその“ごっこ遊び”にこそ,究極のストーリーテリングが隠されているのではないかとよく思います.

まだ小学校にも行っていないような甥は,当然文章を書く力も読む力もありません.用意された脚本があるわけでもないですが,少なくとも甥の頭の中には何かストーリーやキャラクターの設定が出来上がっていて,それを頭の外に表現しようとしているのです.
これは別に特別なことではなく,多くの人が幼少期に経験・実践しているはずです.

私の恩師であり,私が大学生だった当時,本学で教授をされていた金子満先生は「絵は誰でも描ける,子供の頃にはみんな描いていたはずだ」と仰っていました.私は絵もそうですが,ストーリーを作ったりそれを表現することも,本来は誰でもできるのではないかと思っています.
ただし,エンターテイメント作品として作るためには,作った本人にしか理解できないものではいけません.多くの人に興味を持たせ,共感を呼ぶ形に整えなければ,一人よがりで終わってしまいます.
このことを実感するきっかけになったのが金子先生の“ヴィジュアルストーリーテリング”という講義でした.これは単にストーリーの面白さを追求したシナリオを書くということだけではなく,映像コンテンツの仕様書として穴のないシナリオを書く,ということを考える授業でした.

現在私が担当しているシナリオアナリシスではこれらのことを土台に,みなさんそれぞれの頭の中にある妄想を,他人に説明できる形に落とし込む力を養うことを重視して実施しています.

(文責:兼松祥央)

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