« 誰もが経験したことのあるストーリーテリング | トップページ | 遠隔ペアプログラミングに挑戦します »

キャラクター紹介文の分析

2020年4月26日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.
今日は私の研究テーマの一つである,映像コンテンツにおけるキャラクターの分析について少しお話しします.

アニメなどの映像コンテンツにおいて2本の柱ともいえる重要な要素があります.それはシナリオとキャラクターです.
クリエイターは,作品に込めたテーマや表現したい雰囲気,感じて欲しい世界観などを,ストーリーに乗せて表現します.
そしてこのストーリーを視聴者に伝える役割を持つのがキャラクターです.

みなさんが好きなアニメを想像してみてください.毎度毎度「今こういう事件がおきています」「こういう空気が漂っています」とナレーションや文字で表現していないですよね(小説だとやっている場合も稀にありますが).多くの場合,ストーリーはキャラクターの行動やセリフなどで表現しますし,逆に視聴者も,キャラクターの様子から今何が起こっているのかを理解していきます.
したがってキャラクターを作るときには,ストーリーを伝えるという目的において,そのキャラクターがどんな役割を持つのかをしっかりと考えて設計していかなければなりません.
極々簡単にいってしまえば,同じことをさせるにしても「クールで知的」なキャラクターにさせるのと,「明るく元気」なキャラクターにさせるのでは,視聴者に伝わる情報が違うということですね.

そこで私は,クリエイターが様々な目的に沿ったキャラクターを制作しやすくするため,学生たちと一緒に既存作品のキャラクターの調査や分析をしています.
最近では学生の一人が,2000年から2018年の各年度DVD・ブルーレイ売上上位3作品を対象に,公式webサイトに掲載されているキャラクターの紹介文・設定文を全て調査しました.キャラクター数にすると1157人分です.そして,これらの紹介文を分析することで,キャラクターを設定するにあたって,特に頻出する要素などがわかるようになります.

20200426-30446

もちろんこれだけではキャラクター制作の直接的な支援になるわけではないのですが,今回の分析結果を様々な要素と組み合わせることで,面白い支援ができるようになると期待しています.

「谷村皓奎,兼松祥央,三上浩司,近藤邦雄,性格に着目したアニメキャラクターの設定制作支援に関する研究,映像表現芸術科学フォーラム, 2020.3

(文責:兼松祥央)

コンテンツ」カテゴリの記事

研究紹介」カテゴリの記事

« 誰もが経験したことのあるストーリーテリング | トップページ | 遠隔ペアプログラミングに挑戦します »