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遠隔会議

2020年5月 2日 (土) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

新型コロナウイルス感染対策でテレワークが推奨され、ZoomやハングアウトMeetなど、ビデオ会議アプリを使う人が増えています。そんな中で、音声研究者のアンテナに引っかかるようなニュースがありました。

ビデオ会議からポテチを食べる音を消す技術、マイクロソフトが開発

ビデオ会議中のマイクからは、自分の発言以外にもいろんな音が入ってしまいますが、雑音抑圧技術を使って、ポテトチップスを食べている音を消してしまうことができるという内容です。これは使いたい!と思った人も多いかもしれません。

実は、私自身、東京工科大学に着任する前に、ビデオ会議システムの開発に関わっていたことがあります(*)。そのときも雑音抑圧は大きな課題で、できあがった成果を、「机の上で紙の資料をガサガサさせる音や、ノートパソコンのキーボードを叩く音を抑圧できる」と言ってアピールしていたのを覚えています。しかし、ポテチの音というのは考えていませんでした。当時はビデオ会議といっても会社の拠点間で行うことを想定しており、自宅で参加するような人のことは眼中になかったのです(そういうものは「テレビ電話」と呼ばれていましたが、会議のようなシリアスな目的で使われるものではありませんでした)。

こんなふうに、技術的には同じことでも、時代が変わると役割や価値が変わるということはしばしばあります。古い論文を読み漁ってみると、意外と宝物が隠れているかもしれませんね。

(*) 戸上真人,川口洋平,菅沼俊輔,橋本孝幸,小窪浩明,大淵康成:「垂直配置マイクロホンアレイを利用した卓上突発音除去機能を備える遠隔会議システム」電子情報通信学会論文誌,Vol.J93-D, No.10, pp.2069-2084 (2010)

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