ユーザーが好む行動を学習する仲間AI
2020年5月16日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です
唐突ですが,みなさんはどんなゲームが好きですか?
私はプレイする率で言えば「FPS勢」ということになると思いますが,決まった流れにそって進めるゲームよりは,自分であれこれ想像しながら好きなことができるゲームが好きです.
学生の頃にはまっていたのはフライトシュミレーター系のゲームでした.
研究テーマの一つにシナリオが入っているように,根本が空想・妄想好きなんでしょうね.
今思えば,そもそも私がオリジナルのストーリーを考えたり,何か頭の中にある妄想を形にすることにはっきりとした興味を抱き始めたのは,子供の頃に「スティーブン・スピルバーグのディレクターズチェア」というゲームをやったあたりからだと思います.
今でこそ,動画などの素材を組み合わせてオリジナルの動画を作るなんてことは一般化してきていますが,1997年に日本発売のゲームですので,まだまだ一般的ではありませんでした.そんな中,クエンティン・タランティーノさんが出演する動画素材を切った貼ったしながらオリジナルの映像作品を作ることができるこのゲームを,一生懸命やってました.今やっても面白いんじゃないかな?
さて,そんな話はともかく,今日ご紹介する研究は「RPGの戦闘においてユーザーが好む行動を学習する仲間AIの提案」です.これも昨年度の卒業研究です.
この研究はRPGに登場する仲間キャラクターのAIを改良し,戦闘シーンで仲間AIが,よりプレイヤーが好む行動を選択してくれるようにすることを目指したものです.ポイントは,戦闘シーンを攻略するにあたって効果的か,効率的かではなく,プレイヤーごとの好き嫌いを取り入れようとしたことですね.
具体的には,いわゆる「いいねボタン」のようなものでAIの行動を評価し,それをもとに仲間AIの行動がユーザー好みに変化していきます.
RPGの仲間と言えば,私は某有名RPGの「あんまりきかない即死呪文を連発する回復役」が思い起こされます.あれはそういう目的でつくられたキャラクターではなく後付けなのかもしれません.しかし,「妄想・いかに想像をかきたたせてくれるか」を重視したい私としては,ただ強いキャラクターを突きつめるだけでなく,一緒に冒険・成長してる感を味わえる仕組みがもっと進化してくことを楽しみにしています.
[黒田雄介,兼松祥央,三上浩司,RPGの戦闘においてユーザーが好む行動を学習する仲間AIの提案,日本デジタルゲーム学会第10回年次大会,2020.3]
(文責:兼松祥央)
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