物体を切り抜いた感触を得る研究
2020年5月12日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん、こんにちは。メディア学部助教の兼松です。
今日も昨年度の卒業研究を紹介します。
戦国時代好き的にたまらない研究第2弾です。
「FULCutter: 材質の違いを考慮した切り抜いた感覚を与える力覚フィードバックデバイスの開発とその評価」では、VRコンテンツ向けに、刀などで物体を切断する感触を得ることを目指しました。
この研究ではオレンジや骨付き肉など、部位によって硬さの違うものを切る感触が得られます。
例えばオレンジであれば、VRコンテンツ内で刀がオレンジに当たった時、皮の部分に接触しているときは少し固めの抵抗を感じ、皮を貫通して果肉に達したときには少し柔らか目の抵抗が感じられ、さらに果肉も貫通して反対側の皮に当たるとまた少し固めの抵抗を感じる、といった形です。
また、この研究でユニークなのは、高熱の剣(いわゆるビームサーベル、ライトセーバー)で鉄骨を斬る際の感触も実装したことです。
この手の研究には医療目的のものをはじめ、よりリアルな感触・フィードバックを得ようとする研究なども進められています。
もちろんビームサーベルで鉄骨を斬った経験は誰にも無いので、”何がリアルか”は難しいところです。また、ゲームなどのエンターテイメントコンテンツでどこまで現実に則した感触を与えるべきかは、また別の議論があると思います。
いずれにしても、この手の研究が進んで、よりリッチな体験と共に手軽に”無双感”が得られる日が来るかと思うとワクワクしますね!
[古堅耕太朗,兼松祥央,三上浩司,FULCutter: 材質の違いを考慮した切り抜いた感覚を与える力覚フィードバックデバイスの開発とその評価
,日本デジタルゲーム学会第10回年次大会,2020.3]
(文責:兼松祥央)
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