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Global Game Jam 2011 東京工科大学会場(「ゲーム開発の民主化」が加速した日)その1

2020年6月23日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

先日の記事で,10年前にUnity教育をスタートさせた記事を書いたのですが,そのゲームエンジンUnityも絡んでゲーム業界が変革を起こす大きなきっかけとなるイベントがありました.それが,「Global Game Jam 2011」の東京工科大学会場でした.

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Global Game Jam 2011参加者の集合写真



Global Game Jamは2009年(準備は2008年から)に始まった,ゲーム開発イベントで,48時間という限られた時間の中でテーマに沿ったゲームを開発するという,とってもクレイジーな企画でした.当時はコンソールゲーム開発が主流で,一つのゲームに数年かかるのが当たり前の中,環境構築も含めて48時間でゲームを完成させるという挑戦が,ギークな人たちの心に刺さりました.大規模ゲームの開発ばかりだとゲームの「部品」ばかりを作るので,もっと「ゲーム」を作りたいと思う気持ちが高まり,北欧からスタートしたイベントでした.

現在でも一部のハイエンドのゲームは,ゲーム開発会社が独自で構築した開発環境(ゲームエンジン)を利用してゲームを開発します.代表例ではスクウェア・エニックスのLuminous Studio,カプコンのREエンジン,ワールドエンジン,コナミのFox Engine,セガのドラゴンエンジンなどがあります.2010年ごろは,国内の開発会社はほとんど内製のゲームエンジンを利用して開発していました.しかしこうした開発環境は各社の企業努力のたまもので,そのプロジェクトに参加していない人が簡単に利用できる代物ではありません.守秘義務の塊で,共同で開発する会社も細心の注意を支払って社内で利用します.ですので個人が容易にゲーム開発をするということは困難でした.

その現場で活躍したのが高機能な汎用ゲームエンジンとして海外で注目を集め始めたUnityでした.当時から個人での利用は無料でだれでも試せる環境であった上に,品質や自由度も高く,先日の記事で取り上げた通り,率先して本学でも取り上げたツールですが,Global Game Jamの会場には,のちにユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの日本担当ディレクターとなる大前広樹さんも参加しており,リーダーとしてチームを率いました.Unityを使って48時間で開発したとは思えない品質の作品を生み出し,脚光を浴びたのです.

 

P1040043会場の様子

しかしこれだけでは,「ゲーム開発の民主化」にはつながりませんよね.そこには様々な伏線が絡んでくるわけです.続きはまた次回.

文責:三上浩司

 

 

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