リモート授業始めました(感想あれこれ その3)
2020年6月10日 (水) 投稿者: メディア技術コース
前回の話は講義形式の授業への対応でしたが、演習形式の講義については課題とオンラインのディスカッションで内容を構成し、特にオンラインでのやりとりは普通の講義時間と同程度の時間をとるようにしています。こちらは本来、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を利用するVRのコンテンツを作成する演習なのですが、機材を大学に置いてあるためリモートでは内容を全く変更しなくてはいけなくなりました。また、こちらは10数名程度の少人数なので 、Zoomでやりとりで個々の学生と個別に進捗を聞いたりすることができますが、やはり顔をだしてはくれないようです…。演習だと学生同士の議論とか互いに質問するということも大きな構成要素だと思いますが、オンラインミーティングの環境だけだとなかなか学生同士だけで会話するようなことになりません(完全にグループワークとしてしまえば別ですが)。そこで、Slackというグループで利用するSNSのようなサービスを用意して、そこで交流ができるような配慮をしています。もちろん教員も参加していますが、演習時間以外にも質問などができる環境です。
また、VRの演習ということで、clusterというアプリケーションを利用しています。これはCGで作成した3D空間に多数の人が3Dのアバターで参加して、音声やチャットなどで擬似的な集まりを持てるというものです。集まる場所は、会議室やシアターのようなものなど、色々な会場があらかじめ用意されているのですが、実は自分で作成することもできるようになっています。ですから、目的を設定した会場を自分で作成し、その世界でヴァーチャルな催し物をすることができます。今、コロナの影響で開催することができなかった卒業式や入学式をこれを利用して行ったという例もあるようです。そこで演習では、個々にそれぞれのテーマを設定して、その会場をデザインするということをやっています。最後には最終発表会を兼ねて、それぞれの会場を皆で訪れるということを行う予定です。
ホールを模擬した会場で講義資料がスクリーンに表示されている場面
さて、ここまで遠隔授業の対応として、短い期間ではありますが経験したことを書いてみました。私は大学までの通勤時間が往復で4時間弱ほどかかるのですが、家で仕事をするということでその分、楽な面があります。私はそれなりに引きこもり体質なので家にいること自体でそこまでストレスを感じてはいませんし(ラーメンやカレーを食べにいきたいですけど…)、楽といえば楽な一面があります。一方で、遠隔授業への準備はその浮いた分の時間を費やしても追いつかないほどでもあります。一度やっておけば次からは楽になるかもしれませんが、これはあくまでも今回だけの一時的な措置のはずです。
ただ、今回の対応で、一時的に遠隔授業用の対応をするだけでなく、例えばあらかじめ学生に資料で勉強してもらってきておいて、教室では議論や発展課題、またはグループワークをするというような、新しい形態の学びに変わっていくことに繋がるだろうと感じています。これまでは、個々の教員がやろうとしても環境的に難しいことがありました。今回、大学全体で変化を経験したことで、そうした変化に向かっていく雰囲気はできたように思います。そういえば、気に入っていたベトナム料理店が無くなってしまったと聞いてショックを受けております…。色々なことが、今後は同じにはならないかもしれませんが、変化に柔軟に対応できるようでありたいですね。
太田高志
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