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遠隔研究指導で激烈に便利なアプリ5選 (後半)

2020年6月13日 (土) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の渡辺です。こんにちは。

 

前回、同タイトルの前半として「Slack」、「クイックアシスト」、「Git + GitHub」を紹介しました。今回は「LiveShare」と「iPad + Sidecar」について紹介したいと思います。

 

4. Live Share

 

これは Visual Studio という開発ツールを使うとき限定になってしまいますが、この「Live Share」機能は同じプログラムを同時に編集する機能です。Google アプリを使えば同様のことが Web 上でできますが、この Visual Studio Live Share の凄いところは「個々の環境設定はそのまま生きる」ということです。例えば私と学生が Live Share で接続したとして、それぞれが独自にショートカットキーを設定していたとします。クイックアシストのような画面共有機能の場合は、実行している PC 上での設定が有効となります。片方の画面をもう一方に表示しているので当たり前です。しかし、Live Share の場合は同じプログラムを同時に編集している状況でも、私は私の、学生は学生のショートカットキー設定が有効となっています。私は Visual Studio を「emacs」と呼ばれるエディタのキーバインドに設定してしまうため、標準のキーとはかけ離れた設定となっています。こういう場合に、Live Share は大変快適に動作します。

 

5. iPad + Sidecar + Apple Pencil + OneNote

 

最後はちょっと路線が違いますが、iPad と Sidecar という機能と Apple Pencil を用いての板書の実現です。遠隔で授業を行う上で心配だったことの一つが「板書」でした。私は黒板(がなければホワイトボード)に板書を行って授業を行うスタイルが好きで、遠隔ではどうするかは悩みどころでした。まあ黒板のある教室で授業の様子を撮影して動画配信という方法もありますが、学生と臨機応変にやりとりすることはできなくなってしまいます。iPad と Apple Pencil は板書システムとしては快適ですが、iOS だと Windows や Mac と比べてできることに制約があります。まあ液晶タブレットを使えば万事解決なのですが、あいにく私の手持ちにはありませんでした。
そこで、macOS の「Sidecar」という機能を使うことにしました。この Sidecar というのは、iPad(や iPhone) を Mac のサブモニターとして利用する機能です。このようなシステムは他にもあるのですが、Sidecar のいいところはサブモニターとして動作させている iPad 上で Apple Pencil がそのまま使えることです。あとは板書に用いるソフトウェアですが、これは今のところ OneNote を使ってます。まあドローイングソフトならなんでもいいんですが、OneNote は背景を方眼紙にすることができるのが私のように数学を板書で教えるときにはとても扱いやすいのです。ただ、この使い方だと若干描画や挙動がおかしくなってしまうことがあり、ソフトウェアについてはまだ模索中というところです。

 

以上、5種類の遠隔授業に便利なシステムを紹介しました。今回紹介したシステムのうち、以前からよく利用していたのは実は Slack くらいで、他のものは遠隔指導を行うようになってから試していったものです。しかし、いざ使ってみると存外に便利で、対面指導が可能となってからも活用していきたいと思わせられます。また便利なシステムが発見できれば、当ブログ内で紹介したいと思います。

 

メディア学部 渡辺大地

雑感」カテゴリの記事

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