最近割と多い学生による対・兼松用精神攻撃
2020年6月26日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.
唐突ですが私はホラーが苦手です.
映像コンテンツの分析をしよう!という道に進むまでは,自主的にみることはほとんどありませんでした.
そんな私が,今では割とホラー映画をみたり,ホラーゲームをプレイしたりしています.
なぜなら,学生の皆さんが分析対象や,演習の課題に取り上げる作品として持ってくるからです・・・.
なんでみんなそんなにホラーが好きなんだ!何かの陰謀・精神攻撃か!?と思う程度には毎年ホラーを持ってくる子がいます.
もちろん,その作品自体をみないでも,研究の進め方は他ジャンルの作品分析や研究と共通することはお話しできるのですが,やはりホラー特有の要素もありますし,私も見ないわけにはいきません.
なによりも私が扱う研究や授業は,その作品について熱く語り合うところがスタートラインだと思っていますので,そういう意味でもやはり見ざるを得ないわけです.
シナリオの研究・分析においても,ホラー作品は他ジャンルの作品に比べてちょっと特殊というか,難易度が高い点があります.
エンターテイメント作品においては,最後に視聴者を満足させるためにストーリー上の工夫が散りばめられます,これは悲劇的な終わり方をするかどうかには関係がありません.
簡単に言えば,例え最後に主人公が死んでしまう作品でも,命を賭して何かを成し遂げたことで視聴者が満足できるようにストーリーが組み立てられていたりします.映画「グラディエーター」なんかがわかりやすい例ですかね.
一方でホラー作品においては,2時間かけてストーリーを展開するけど,スタート時点とエンディング時点で,実質何も状況は変わっていない,または悪化している,という作品がありえます.
主人公たちが色々頑張って悪霊や呪いを遠ざける.結果,なんとかその脅威から脱する.のだけど,実は悪霊は滅びておらず,恐怖はまだまだ続く・・・.的な終わり方をする作品,けっこうありますよね.
主人公視点でみたストーリーとしては脅威から脱することがオチですが,視聴者側の「満足の仕方」としては,主人公が脅威から脱したかどうかはある意味どうでもよくて,身近にあるかもしれない脅威にどれだけ”ビビれたか”が大事だったりします.
なので,ストーリー上の工夫も,他ジャンルとは違った工夫が必要になる可能性があるわけです.
ですから,研究テーマとしても実はやれることの多い,興味深い分野です.
(文責:兼松祥央)
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