オンラインリアルタイム講義
2020年8月31日 (月) 投稿者: メディア技術コース
皆さん、こんにちは。メディア学部の寺澤です。
メディア学部は前期は全面的にオンライン授業でした。私は講義科目も演習科目も担当していますが、この記事では、講義科目をどのように行ったか、紹介したいと思います。とり上げるのは、山崎晶子先生と共同で担当している「インターネットコミュニティ論」という科目です。この授業は当初、オンデマンド型で行うつもりで、それに近い形で実施した回もありましたが、リアルタイム型でもさほど通信の障害等もないことが分かりましたので、途中からZoomを用いたリアルタイム型を主体とした授業を行いました。前半の第7回までを山崎先生が、残りを寺澤が担当しました。2年生を中心に毎回150名程度の皆さんが授業に参加してくれました。なお、Zoom授業の様子は教員側で録画し、授業終了後に受講生に公開しました(できなかった回もありました。申し訳ない)。
オンライン授業では、大きく分けて、課題提示型、オンデマンド型、リアルタイム型の3タイプがあります。それぞれに長所と短所がありますが、リアルタイム型は、決まった時間に皆が同じ「場」に集まり、リアルタイムで授業が行われるので、最も対面授業に近いということができます。そのため、ただ、教員が解説をするのを聞いてもらうだけではなく、受講生が参加できるように心がけました。
前半の山崎先生のパートでは、授業時間内にMoodleのアンケート機能やGoogle Formsを使った課題の時間を取り、その結果をすぐに残りの授業で活用したり、さらなる課題の基礎データとして使ってもらったりしました。Zoomではチャット機能を使って質問をすることができるので、それを用いた質問もたびたびありました。対面授業の際よりも自発的な質問がしやすい環境だったということと思います。教員の方ではそれをとり上げて、すぐに口頭で回答しました。
後半の寺澤のパートでは、Zoomのブレイクアウトセッションの機能とGoogle Drive上でのGoogle Documentの共有機能を使ってグループ作業を何度かしてもらいました。150名超の学生を25のセッションに分け、1グループ6名前後でディスカッションとそのまとめの作成の共同作業をしてもらいました。いくつかのセッションに私も参加して様子を見聞きしましたが、少人数でも皆さん、遠慮しているのか恥ずかしいのか、音声でのディスカッションは活発でしたが、カメラはオフのままでした。なお、私のパートでもチャットでの質問をいくつも受けました。
なお、この授業では、スモールワールドネットワークの説明をする回に、これまでの対面授業でも、アメリカの社会心理学者 Stanley Milgram(スタンレー・ミルグラム)が1967年に手紙で行った「スモールワールド実験」のまねごとをやってみているのですが、それも、Zoom内でやってみました(チャットがファイルを個人宛に送れるのを利用)。結果はあまり想定通りとはいかず、工夫すべき点がまだまだあることがわかりました。
講義科目のオンライン授業は、リアルタイム型で実施するのでも、100分の授業を教員がひたすら講義するのは教員・学生双方に無理があります。途中で学生が何らかの形で主体的に参加する時間を取ることが、対面授業と変わらず、重要だと感じました。私の担当した部分は講義そのものにも反省すべき点がいろいろありましたが、自分の経験としても得るものが多かったと言えます。今後は同一授業を教室で受講する人とリアルタイムにオンラインで受講する人がいるようなハイブリッドタイプの授業も行われることでしょう。他大学の先生方の今期のオンライン授業の様子をネット上で読んだりすると、いろいろなツールに目移りもしますが、その授業にとって本質的なことは何かを見失わないようにしていきたいと思います。
(メディア学部 寺澤卓也)