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オンラインプロジェクト演習「IoTプロトタイピング」

2020年8月15日 (土) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。メディア学部の寺澤です。

今回は今学期オンラインで実施したプロジェクト演習「IoTプロトタイピング」について書こうと思います。以前は、例えば、「気温が30度を超えたらメールで知らせる」という仕組みを自作しようと思うと、ハードウェアの面でもソフトウェアの面でもより専門的な知識が必要で、アイディアをすぐに形にするということはハードルの高いことでした。しかし、手のひらサイズ、名刺サイズの安価なマイコンが登場し、それと組み合わせるセンサーが種類豊富に提供され、ネット上のサービスと連携するためのAPIも整備されてきたことにより、以前に比べ、より抽象度が高いレベルでプロトタイピングが行えるようになりました。これはメディア学部の学生にとってはとても好都合です。なぜなら、メディアコンテンツコースやメディア社会コースの分野でもアイディアをすぐに形にしてサービスを検討したり、新たな表現手法の模索やアートの創造ということが行いやすくなるからです。

このプロジェクト演習はそのような応用に入る前の基本的なことを学び、試してみるための入門の演習になっています。これまで、この演習で使ってきた道具は、MESHmicro:bitRaspberry Pi などですが、今年度は前半は micro:bit、後半は obniz を導入しました。オンラインで授業を行うため、これらの機材は履修生の自宅へ送りました(受講人数が少ないのでこのようなことができました)。micro:bit も obniz もWeb上でプログラミングを行い、動作させます。そのため、オンライン授業とは相性が良いです。授業は演習講師の瀬高先生ともご相談してGoogle Meetを用いてリアルタイム形式で行いました。全員が参加するMeetと、受講生一人一人の専用のMeetを用意し、全体説明と個別対応で使い分けました。個別Meetではプログラミング画面を共有し、音声で直接話せるので、問題点の解決などは比較的スムーズだったと思います。また、全体Meetでは、各自がGoogleスライドを用いて企画や制作物の発表会なども行いました。

Micro-bit Obniz

実際に演習で受講生が制作したものを紹介します。2本指で操作しているのが micro:bit で、プログラムの練習としてLEDマトリクスを使ってゲームを作っています。画面上の方から「壁」(点灯している2個のLED)が次々に落ちてきて、プレイヤー(一番下の点灯している1個のLED)はそれを左右のボタン(指の下にあります)を使って避けていくというゲームです。

obniz はいくつかのセンサーがセットになったスターターキットを使いました。画像の車は、人感センサーを用いて、人に反応して動くラジコンカーのようなものです。実際には無線でのコントロールではなく、センサーの動作によって車の動作が決まります。段ボールの車体?の上に見えている細長いボードが obniz です。これに画像では左上に白く見えている人感センサーと3色LED(動作状態を表示)を接続し、さらに、車輪を駆動するモーターを制御しています。モーターや車輪などはすぐに手に入るものを使ったので、いろいろと不都合もありましたが、動作するものが完成しました。

このほかには、インターネット上の天気予報のサービスから情報を入手し天気予報を表示してくれるものや、環境省の暑さ指数の情報サービスからデータを得て熱中症アラートを実現するものなどが制作されました。受講開始時にはほぼ前提知識がなかった受講生たちですが、短期間に「アイディアを形に」がある程度実現できるようになりました。次の学期ではどのようなものが作られるか楽しみです。

(メディア学部 寺澤卓也)

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