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ディジタルスクラップブックという研究テーマ

2020年8月 9日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

私たちの研究室では,私がメディア学部の学生だったころから「ディジタルスクラップブック」という考え方で研究を進めることがあります.
これは,簡単に言ってしまえば既存の映像作品,アニメなどで用いられる様々な制作手法や演出手法,キャラクター制作手法,シナリオ執筆手法などのアーカイブです.そしてアーカイブするだけではなく,最終的にはクリエイターそれぞれが自分に合ったデータベース・資料集を作ったり,これを作品制作に活かす手法を構築することを目的にしています.

例えば私が初めて行った研究(卒業研究)もこの考え方に則ったもので,映像作品の人物照明に着目し,キャラクターの感情に合わせた(効果的に誇張できる)照明手法を分析・分類して,プレビズの際に人物照明を簡易的に試せるようにするものでした.そのために,様々な既存作品の光の当て方,キャラクターに対する影の落とし方などを集めました.

過去の学生の研究では,「ツンデレキャラクターの特徴」に焦点を当てて研究していた学生もいます.
[依田直也,兼松祥央,茂木龍太,三上浩司,近藤邦雄,女性ツンデレキャラクター創作支援のための ディジタルスクラップブックの開発,映像情報メディア学会・画像電子学会・芸術科学会,映像表現・芸術科学フォーラム2015,2015.3 ]

また,以前このblogで取り上げた,ホラー映画のカメラワークに関する研究(http://blog.media.teu.ac.jp/2020/01/post-3cf73f.html)や,ロボットアニメの戦闘シーンに関する研究(http://blog.media.teu.ac.jp/2019/03/post-faab.html)なども,基本的に同じ考えかたに基づくものです.

これらの研究では,誤解を恐れずに言うならばそんなに難しい技術は使っていません.
もちろん,映像制作・アニメ制作の知識などは必要になります.ただ,一番のキモは「とにかく沢山見て,沢山調べて,沢山まとめる」ことです.これって,アニメ好きの方は普段から割とやってますよね(もちろん,研究としてやるからにはもっとつっこんでやる必要がありますが).
つまり,もともとアニメや映画が好きで,メディア学部でしっかりと周辺知識を学んだ方なら,誰でも素養があるということです.
是非,大好きなアニメの構造や要素に興味がある方は,メディア学部でしっかり学んで,一緒に研究しましょう.

ただ,この研究の難点は何度も何度も繰り返し既存作品を見なければならないので,いかにアニメ好き・映画好きであっても「もう見たくない!」となる可能性があることでしょうか.
私も学生時代,海外ドラマの「24 -twenty four-」を分析対象に入れてしまったために(1回通しで見るだけで24時間かかる),気分的に死にそうになりました(笑)

(文責:兼松祥央)

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