オンライン専門演習「ネットワーク構築」の実施
2020年8月12日 (水) 投稿者: メディア技術コース
皆さん、こんにちは。メディア学部の寺澤です。
今日は今学期のメディア専門演習「ネットワーク構築」について書きたいと思います。この演習は、家庭用ではなく、企業のビルなどで使われているネットワーク機器類を実際に使用して、実際にネットワークを設計し、それを実現し、その動作を確認します。これらを通して、講義等で学修したコンピューターネットワークの理解をより深め、将来ICT分野に就職をする人も多いメディア学部の学生の皆さんに基礎力を高めてもらうことが目的です。また、コンピューターネットワークは私の研究室の研究分野でもありますので、卒研に関心も持ってもらうことも狙いの一つです。
とはいうものの、今学期はメディア学部は演習授業も含め、全面的にオンライン実施となったので、このテーマも急遽オンラインで実施することになりました。いろいろな方法を考えましたが、学生の皆さんが持っているノートPCは今学期にオンライン授業を受講するための必須の道具でもあるため、その動作を不安定にしたり、起動できなくなるような事態は避けなければならないと考えました。結局、ネットワーク機器大手の米Cisco社の提供する、Packet TracerというシミュレーターとAmazonのAmazon Web Services(AWS)のEC2サービスを利用して授業を組み立てることとしました。
Packet TracerはCisco社が自社のネットワーク機器の学習用に開発し、提供しているもので、実機同様に設定作業を行い、動作させることができます。PCを開くと、Windowのコマンドプロンプトのような状態が実現されており、コマンドベースで疎通確認などの作業ができます。ルーターやスイッチの設定も実機同様のコマンドで実行でき、非常に正確にシミュレーション動作が行われます。これだと、演習室で実機でネットワークを構築して実験・演習しているときとほぼ同じ事ができます。シミュレーター上で構築したネットワークはファイルとして保存できるので、それを共有し、自分の環境に取り込むことで、ネットワークを分担して構築することもできます。
演習はZoomを用いたリアルタイム授業の形式でしたが、Zoomのブレイクアウトセッション機能とGoogle Documentの共同編集を使って、グループ作業も問題なく実施できました。唯一、このシミュレーション環境と実世界のネットワークをつなぐことだけは、ちょっと難しくてできませんでしたが、演習室での実機を用いた授業との違いは、学修内容としてはその部分のみでした。実際のWebサーバーの構築や運用については、AWSでの演習で行い、すべてがシミュレーターの中だけという形にはならないようにしました。
当初予想していたよりも、充実した演習ができました。
(メディア学部 寺澤卓也)
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