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2020年9月

今年はオンライン出展「東京ゲームショウ2020」

2020年9月17日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の三上です.

今年は前期が例年より遅く,大学の夏休みは少し遅くスタートしましたが,あっという間に秋が見えてきました.メディア学部の秋といえば「東京ゲームショウ」です.

今年は遠隔での開催となりましたが,学生たちも遠隔でゲームの開発を進め,間もなく完成する見込みです.

ぜひ,皆様お越しいただければと思います.

以下はプレスリリースです.
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東京工科大学(東京都八王子市、学長:大山恭弘)メディア学部は、923()(注1)から27()に開催される「東京ゲームショウ2020オンライン」に出展いたします。

(特設サイトURLhttps://www.teu.ac.jp/gameshow2020/index.html)※924日開設予定

 

本学部では、2003年よりゲーム制作の総合的な教育や研究に取り組んでおり、「東京ゲームショウ」には2007年に国内の4年制大学として初めて出展し14年連続での参加となります。初のオンライン開催となる今回は、VR(仮想現実)空間上でイベントが体験できるSNScluster(クラスター)」を活用し、1年生〜3年生200名余りが履修する「プロジェクト演習」(注2)の成果として、3年生が制作したゲーム5作品を仮想空間上で発表。作者の学生らとコミュニケーションする機会を提供します。また同作品は、特設サイトよりダウンロードして試遊いただくことができます。

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このほか、AIVR、生体情報の分析などを活用した次世代のゲーム体験や表現の高度化のため技術をはじめ、ゲームのプロモーションやビジネス、地域連携、教育、社会問題解決への活用など、メディア学部で取り組んでいる様々な研究についても同特設サイト内で紹介します。

 

 (注1) 923日はオンライン商談会のみ

 

 (注2) 1年次から3年次の選択科目「インタラクティブ・ゲーム制作」。実際の現場を想定したさまざまな役割を担う610名のメンバーでチームを構成し、集団制作による実践的なものづくりを体験するとともに、「東京ゲームショウ」で一般に発表することで今後の大学での学びに活かすことを目的としています。

 

東京工科大学メディア学部

国内初のメディア系学部として1999年に設立。「メディアコンテンツ」「メディア技術」「メディア社会」の3コース専攻で、講義と演習を効果的に組み合わせた特色のある教育を実施しています。他大学に先駆けてゲーム制作の総合的な教育や研究に取り組んでおり、基礎技術を習得する演習から知識を総合的に蓄積する講義、さらにはゲーム開発技術の発展可能性を探る研究などを行っています。平成16(2004)年度にはゲーム関連の教育としては日本で初めて文部科学省認定「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代GP)に選出されました。東京ゲームショウへの出展のほか、2010年から世界規模のゲーム開発ハッカソン「グローバルゲームジャム」の国内メイン会場の一つとなっており、学生がプロとチームを組んでゲーム制作を体験する貴重な実学の場となっています。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その3 「アンハッピーエンド作品」

2020年9月16日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

前回は「主人公が最後に死ぬ作品」として「グラディエーター」を取り上げたのですが「主人公は最後に死なないが悲劇的な結末を迎える作品」のシナリオを作りたい、という学生さんもまた数多いです。

そこで今回紹介するのはこの映画です。

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『ローマの休日 (1953)』(ROMAN HOLIDAY

監督
ウィリアム・ワイラー

脚本
イアン・マクレラン・ハンター
ジョン・ダイトン
ダルトン・トランボ

参考URL
https://movies.yahoo.co.jp/movie/25599/

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 あらすじをまとめますと・・・

 「とある王室の王位継承者であるアン王女は、各地の訪問業務を精力的にこなしていたが、過密スケジュールによるストレスから、ある日の晩、宿舎を密かに抜け出してしまう。疲れから無防備にベンチで眠ってしまったアンは、偶然通りかかり、心配して声をかけた新聞記者のジョーのアパートで宿を借りることになった。

その後、アンはジョーと共にローマの街を思うままに散策し、自由な時間を楽しんだ。やがてふたりは強く惹かれ、互いに恋心を抱き始めるが、ほどなくしてアンの総索員に追われることになってしまう。ふたりはなんとか逃亡を続けたものの、ジョーを危険に晒し続けるわけにはいけないアンは、王室の業務へ戻っていった

アンは王女として復帰し、記者会見に出席すると、いち新聞記者としてジョーも姿を現した。アンはジョーの取材質問に対して、複雑な思いを抱きつつも、毅然とした対応をしてみせた。ふたりの恋は成就しなかったが、アンは王女として大きく成長をとげたのだった」

とても古い映画ですが、そのタイトル名は誰もが一度は聞いたことがあるのではないか、と思います。そして、この作品はラブロマンスの代表作としても広く知られていますが、あらすじに書きましたように「最後に恋は成就しない」作品です。
男女の恋愛を描く作品なら、基本的には最後には結ばれて欲しいと願うのが視聴者側の心情ですが、この作品ではそうならなくても消化不良感がありません。これは主人公のアンが、恋愛を通じて自分の責任を強く認識するようになり、王女として自立する姿を描いているからです。

冒頭で「悲劇的な結末の作品のシナリオを作りたいという人は多い」と述べましたが、とにかく「主人公が最後に死ぬ」だけでは視聴者に満足を与えられないように、「主人公の恋が成就しない」だけでは、視聴者に満足を与えることができません。そして視聴者が満足できない作品は、最悪の場合、方々からお金を返せとクレームが来ることになり、大問題となるでしょう。

悲劇的な結末のことを「バッドエンド」と表することがありますが(言葉の定義次第ではあるものの)厳密には「バッドエンド」と「アンハッピーエンド」は別物です。「バッドエンド」の中には、辻褄が合わないエンディング、伏線投げっぱなしのエンディング、唐突すぎるエンディングが含まれます。一方、「アンハッピーエンド」は単純に悲劇的な結末のことを指すので、「ローマの休日」は、恋愛としては「アンハッピーエンド」の作品ですが、主人公が成長を遂げたエンディングになっているので、納得できない「バッドエンド」の作品ではないのです。

 今回は、だいぶ古い作品を紹介しましたが、映像的な派手さはないものの、ストーリーの作り方や満足感の与え方で、参考になる作品は数多くあるので、古い作品も是非観て欲しいと思います。

(文責:兼松祥央)

ディジタルスクラップブックという研究テーマ その2

2020年9月15日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

前回の私の記事では,私や私が関わる学生が研究でよく取り扱う「ディジタルスクラップブック」について簡単に紹介しました.
前回も書いたように,この研究の軸は簡単に言えば既存の技術・ノウハウのアーカイブです.

デジタルスクラップブックを紹介するとよく誤解されるのは,「既存作品の技術(例えば照明のあて方など)をそのまま使っても,パクリになるだけでは?作品の個性が出ないのでは?」といったことです.
私はシナリオ,キャラクター,演出に関するデジタルスクラップブックの研究・開発に携わっていますが,もちろん作品全てをアーカイブされた情報のみで構成してしまうと,パクリとは言わないまでもどこかで見たことある要素ばかりの作品になってしまいます.

しかし,自主制作でもなんでも映像作品を作ろうとした方は経験があると思いますが,「あの作品のああいう雰囲気を自分の作品でも表現したい」と考えることはよくあります.また,作品制作の打ち合わせや,各工程の担当スタッフへ指示を出す際にも既存作品を例に挙げることもよくあります.そういった際に,該当作品で用いられている技術やノウハウがすぐに調べられることはとても価値があると考えています.映像制作に関する様々な教則本などで既存作品の例が紹介ことと同じですね.

また,デジタルスクラップブックでは,様々なデータをデジタルデータとしてアーカイブしています.したがって,自分で作ったモデルに既存作品の特定のショットの照明をとりあえずあててみて,意図通りになるか,見栄えはどうかなどを簡単に検証することができます.
このように,デジタルスクラップブックはアーカイブされたノウハウを駆使して,自分の作品に適したやりかたをしっかり検討することを支援するために研究しています.

私が一番最初にやったデジタルスクラップブック関連の研究は学部時代の卒業研究です.

[CG映像制作における簡易ライトエディタの研究, 芸術科学会, 第6回NICOGRAPH 春季大会 論文&アート部門コンテストポスターセッション, 2007]

この時はまだデジタルスクラップブックという言い方はしていませんでした.私の初めての学会発表でもあります.
また,この研究の続きとして,

[Research on Digitizing Lighting information from the Movies, 芸術科学会, NICOGRAPH International 2008]

こういった研究も発表しています.こちらは初めての国際会議ですね.
これらの研究では主に,既存作品の人物照明にフォーカスをあててアーカイブしました.被写体・演出対象となるキャラクターの,怒りや悲しみといった感情に合わせた照明方法を検討するためのものです.

余談ですが,私は学部・修士課程のときと,博士課程のときでは指導教員を担当していただいた先生が違います(最初の指導教員の先生が定年退職したため).博士の指導教員の先生とは,上記1つめの学会発表のときに出会いました.
私の発表を聞きに来てくれて,色々と質問などしてくださったのですが,初めての学会発表でかなり緊張していたこともあって,「なんて無茶振りをしてくる人なんだ!」と,若干悪印象があったのを今でも覚えています(笑).今でもお世話になりっぱなしなので,あのときはこんなにも長くお世話になるとはこれっぽっちも思っていませんでした.

(文責:兼松祥央)

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その2

2020年9月14日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品はありますか?」という相談があった際に、挙げる作品を紹介します。今回は・・・

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『グラディエーター』(Gladiator

監督:リドリー・スコット
脚本:
デヴィッド・フランゾーニ
ジョン・ローガン
ウィリアム・ニコルソン

 参考URL
https://movies.yahoo.co.jp/movie/160256/

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 まず、あらすじをまとめますと・・・

 「主人公である大ローマ帝国の将軍マキシマスは、皇帝の息子コモドゥスから皇位継承を巡って疎まれ、妻子を殺されたうえ、自身も奴隷としてアフリカに売り飛ばされてしまう。
だが、剣闘士(グラディエーター)になって生き抜き再びローマへ戻ったマキシマスは、剣闘士として観衆の支持を味方につけ、コモドゥスを闘技場での一騎打ちに引きずり込むと、自らの命と引き換えにコモドゥスをうち倒し、復讐を果たした」

このタイトルを紹介する理由は明確で「主人公が最後に死ぬから」です。
大変興味深いことなのですが、シナリオを書こうとする学生の中には「主人公が最後に死ぬ話を書きたいです」と言ってくる人が定期的に現れます。もちろん毎回別な人です。
ところが、いざ具体的な内容を教えてもらうと「主人公が最後に死ぬ」という、構想だけが強すぎるせいか、唐突に「主人公が死ぬ」とか、特に必然性もないが「主人公が死ぬ」という内容だったりします。

たしかに「主人公が最後に死ぬ」という内容は、とてもショッキングで強く印象にも残ります。しかし、とにかく主人公が死ねばいいというわけではなく、「最後に」至るまでの過程と理由がきちんと表現される必要があるのです。その意味で、映画「グラディエーター」は最後に主人公が死んででも目的を達成する理由や過程がとても分かりやすい作品になっています。

余談ですが、東京工科大学メディア学部では過去にこんな研究発表をしたことがあります。

 『人の死の要素を含む作品分析に基づくストーリー制作手法の研究』
https://ci.nii.ac.jp/naid/130007803413/

「主人公が最後に死ぬ」作品は大学での研究テーマになるぐらいのトピックなので、「主人公が最後に死ぬ」作品が記憶に残っているみなさんは、今回のグラディエーターに限らず、色々見てみると、シナリオを書く際に役立つかとおもいます。

(文責:兼松祥央)

鉄道好きの人生(その4)「交通博物館」

2020年9月13日 (日) 投稿者: メディア社会コース

埼玉県大宮にある鉄道博物館ではない。神田万世橋にあった、交通博物館のことである。物心ついて以来、交通博物館には何度も連れて行ってもらった。今回の連載の最後に、交通博物館の思い出について触れてみよう。

1960年代初めの東京は、総武線の車窓に飛び込む、隅田川の黒く濁った色、鼻を突く悪臭、当時の象徴であるスモッグである。そして微かに記憶する、トロリーバスと都電、架線を天蓋にした銀座、日本橋の街並みである。余談であるが、この辺りも、母に連れられてよく出かけた。おそらく、浅草橋で都電に乗り、室町を経て日本橋に出て、三越、白木屋(COREDO日本橋)、高島屋にはしごしたと思われる。当然、呉服巡りは子供には面白くなく、一人おもちゃ売り場、屋上で遊んでいた。あまりの多動ぶりに、母はいつも青ざめていたらしい。

さて、千葉から総武線に一時間ほど揺られ、今やまったく別の街になった秋葉原で降り、交通博物館に向かって、嬉々として父の腕をひっぱって行った。館内に入ると、大きなホールにC57が出迎え、吹き抜けの天井には、複葉機が浮かんでいた。大宮の鉄道博物館と違って、交通博物館には、自動車、航空機、船舶の貴重な展示もあった。しかし、もっぱら鉄道専門だったので、惜しいことに興味がなかった。幼い目に強く焼き付いたのは、図鑑で見慣れていた修学旅行用クハ167の朱と黄の鮮やかなツートンカラー、サシ151を模したこだま型食堂、重厚な石造りの階段、数々の国鉄型模型車両、そして屋外に展示された弁慶号である。その後も、小学校の低学年ぐらいまで通った。

閉館の決まった2006年、まだ幼い上の子を連れて、何十年ぶりに銀座線神田駅から万世橋に向かった。その建物(貴重なモダン建築であったという)、入場券売り場、玄関の古き良き佇まい、館内の喧騒、何もかも変わっていなかったように思う。手すりに触れるとひんやりとした石造りの階段も健在であった。子供は、「見てるばかりでつまんない」と不平タラタラであったが、じっくりと見聞を続けた。残念であったのは、当日特別公開されていた、旧万世橋駅遺構を見学できなかったことである。つくづく一人でくればよかったと思った。閉館されたその日は、奇しくも筆者の誕生日である。

(メディア学部 榊俊吾)

鉄道好きの人生(その3)「幻のEF58 4号機を見た。」

2020年9月12日 (土) 投稿者: メディア社会コース

その2を掲載してから、随分と時間が経ってしまった。筆者にとって、国鉄時代の思い出は尽きない。その中で最も古い記憶の一つを紹介しよう。1963~4年ごろの記憶である。

当時千葉県松戸市に住んでいた親戚宅を訪問した帰り、常磐線松戸駅の改札口越しに、通過していく電気機関車が見えた。幼い筆者は、「ミストラルだ!」と叫んだのである。ミストラルとは、フランス国鉄(SNCF)の誇る花形急行列車ル・ミストラルで、牽引機としてCC7100型電気機関車が有名である。

筆者は、愛読書の交通図鑑に出てくる、濃淡二色の緑色に上下塗り分けられたCC7100を、限りない憧れを持って眺めていた。CC7100は、試験走行で時速331kmの世界最高記録を長らく保持していた(CC7100の記録は326km/hで、当時の世界最高速度331km/hは、同じくフランス国鉄の機関車BB9004が翌日記録したものであることを最近になって知った。不覚にも50年以上誤解していた。)

同じ頃、鉄道模型に出会った。両親がどうせなら丈夫で長持ちするものをと、買い与えてくれたものがカツミのOゲージ、EB58であった。この機関車は国鉄EF58を2軸に小型化した、実在しないモデルである。しかし、Oゲージならではの重厚感、そして何より、4号機と同じ塗装に心奪われたのである。EF58 4号機は、1956年の東海道本線全線電化に先立ち、試験的に塗装された4両のうちの1台である。4号機は濃淡緑二色の塗装で、あのフランス国鉄CC7100などをモデルにしたと言われている。

しかし、わがEF58 4号試験塗装機は、ネット情報あふれる現在でも謎に包まれている。その実態を確認できるのは、1956年の東海道本線全線電化の記念切手で、歌川広重の由井薩埵嶺を背景につばめを牽引する姿だけと言って良い。ただし、実際につばめを牽引していたのかは、不明である。つばめ、はとの牽引に正式に採用されたのは、俗に青大将と呼ばれる、微妙に異なった単一淡緑色塗装のEF58である。時代を画す名機には違いないが、chic4号機には如かずと思う。

4号機の試験塗装が、晩年の青色にいつ塗り直されたのか、確かな記録はまだ世に出ていないようである。青大将が1956年に登場していることから、鉄道に詳しい人たちの間では、遅くとも1960年までには再塗装されているというのが定説のようである。4号機の確かな記録、写真、映像にはお目にかかっていないが、その勇姿は、埼玉県大宮にある鉄道博物館の模型に名残を留めている。しかし、1960年生まれの筆者は、松戸駅を疾走する、EF58 4を確かに見たのである。

(メディア学部 榊俊吾)

2021年度卒研生選抜

2020年9月11日 (金) 投稿者: メディア社会コース

例年であれば、5月下旬に次年度ゼミ生の配属が決定するはずでした。今年は、夏学期学年暦の繰り下げに伴い、6月下旬から研究室説明/見学会を開催し、7月半ばに選抜、同24日に全研究室一斉の結果公開で、約1ヶ月にわたる配属行事が終了しました。学生にとっては、さぞ長い1ヶ月であったろうと思います。

当研究室の説明会は、例年、週2回×2週、合計4回の体制で実施してきました。そのうちの2回には、木曜日のゼミ開催日に時間を昼休みに繰り上げて開催し、現役の4年生による研究報告と全員による質疑/討論を行い、3年次生諸君に当研究室の実際の姿を見てもらっていました。その後、筆者は席を外して、4年生と本音で語り合う質疑の場を設け、悔いのない卒研選びの一端となるよう企図してきました。

今年は、件の事情により、指導教員である筆者自身で、2週間ほぼ毎日、9回の説明会を開催し、25名の3年生が参加しました。そのなかから12名(定員12名)の学生諸君が決まりました。応募書類の研究計画書に記載された研究テーマは以下の通りです。

煙草業界の経済状況と今後に関して

若者女性好みの薄顔男性流行顔

アプリゲームの今後の展望

地方活性化とイベント運営

アフターコロナでの地下アイドルのビジネスモデルの研究

日本プラモデル産業の歴史及びそれに付随しての市場規模の拡大について

ディズニーリゾートにおけるイマジネーションと経済の関係性およびそれに関連した人気度について

経済とメイクの流行

海外サッカーのコロナの影響と今後の展望

広告の効果測定

アイドルグループのビジネスモデルとコロナ禍における今後の展望

モバイルゲームのeスポーツ進出の現状と展望

「そうだ 京都、行こう。」が与えた影響とより良い地域活性の提案

例年同様、多様で、楽しみな研究が揃い、大いに期待しています。各自の研究に腰を据えて取り組むまでには、卒業要件のクリア、就職活動、そして何より健康管理が肝要です。その上で、来年は、ライラックの咲く札幌で報告できる諸君の現れることを強く期待しています。

(メディア学部 榊俊吾)

2020年度学会報告の見込み

2020年9月10日 (木) 投稿者: メディア社会コース

今年度は、学会が、軒並み、中止、延期になっています。開催予定のものも、オンライン実施が大半のようです。当卒研でも、例年、少なくとも以下の学会報告を予定していましたが、大きな変更を迫られています。

情報文化学会北海道支部研究会(北大5月→中止)

ビジネス科学学会全国大会(福岡中村学園大6月→12月延期)

情報コミュニケーション学会研究会(明治大学7月→オンライン開催、不参加)

情報文化学会全国大会(東大10月→オンライン開催)

社会情報学会関東支部会(茨城大学11月→未定)

社会情報学会中国四国支部会(島根大学12月→未定)

ビジネス科学学会九州支部会(福岡中村学園大12月→延期の全国大会と共催)

社会情報学会中国四国支部会(高知大学2022.2月→未定)

この中、情報文化学会全国大会で、H君が「アニメ業界の現状と課題」をテーマに、S君が「個人の動画配信によるビジネスについての研究」をテーマに、本年度初の報告を予定しています。このほか、ビジネス科学学会九州支部会も現地で、あるいは少なくともオンライン開催を予定していますので、両君に続いて欲しいと思っています。

(メディア学部 榊俊吾)

2020年度卒業研究の風景

2020年9月 9日 (水) 投稿者: メディア社会コース

今年度ゼミ生は、10名で、実は当ゼミ開講以来の少人数です。ここ10年ほど、20名前後で実施してきたことを思えば、寂しい気もしますが、ゼミの運営を考えると、筆者自身の学生時代に経験してきた人数よりは多いものの、ゼミとして理想的な人数になったと思います。そして、本年度も、H先生が演習講師として学生諸君の指導を行なってくれていますので、指導効率としては、例年以上の布陣です。今年度のゼミ生の研究テーマは以下の通りです。

電子書籍業界の利用状況と今後についての考察

映画業界の現状と発展

個人の動画配信によるビジネスについての研究

日本国内でのesports業界のオフラインイベントについて

DAPに関する研究

アニメ業界の現状と展望

オリンピックの経済効果について

アニメ業界の現状と課題

遊園地の現状と課題

商社業界の現状と今後

今年度のゼミは、ビデオ会議システムを利用し、リアルタイムで実施しています。毎回3〜4名の報告と全員での討論を行なっています。当初、研究室と同等の議論が遠隔で可能か危惧しました。しかし、ネットの方が発言しやすいという効用もあるようです。従来通り、礼を守りながら、理詰の質疑が予想以上に活発に行われています。人文社会領域における教育の王道であるゼミ形式は、遠隔でも8割以上のパフォーマンスが上げられていると実感しています。

(メディア学部 榊俊吾)

2020年度夏学期遠隔授業始末記

2020年9月 8日 (火) 投稿者: メディア社会コース

5月下旬、ようやく2020年度夏学期が開講となりました。先行きが見通せない3月、他大学の開講延期、オンライン実施が伝えられる中、どのような方法が可能なのか、友人、知人の取り組みを参考に模索が続きました。オンライン授業というと、教育テレビや受験予備校等で作成されている映像授業など、本格的なスタジオ設備とスタッフを揃えたものがすぐに思い浮かびましたが、とても教員一人、個人で制作できる代物ではありません。

講義テキストに、教室で解説する内容を細かく書き込む自習教材から始まって、プレゼンテーションでお馴染みのパワーポイントに音声解説を付加する案を経て、ビデオ会議システムの録画機能を利用した案へと至りました。4月半ば、本学部でもオンデマンド方式の遠隔授業実施が決まり、筆者は、基本的にビデオ会議システムによる録画方式に決めました。

ビデオ会議システムでは、もちろん、時間割通りに学生を参加させ、リアルタイムに講義を配信する方法も可能です。しかし、学生、教員とも初めての手探りでの実施であること、ネットワーク環境等不測の事態にも最小限の影響で対処しうることが要件として想定されるため、オンデマンド方式を採用したのです。授業科目、講義/ゼミ/実験等の実施形態、そして個々の教員の個性など、いくつかの要因に応じて適した方法が考えられると思います。

筆者は従来教室で講義するときには、板書を多用します。これは、学生時代にI先生の講義に感銘を受けたからです。I先生は、数式を視覚化した図をコマ撮りのように板書し、20m近くある黒板を何往復もされていました。講義開始後20分ほどは前回の復習に当てていました。解説自体、先生の有名な著作を彷彿とさせる明晰なものでした。しかしそれ以上に、板書の合間にある学生側の考える時間、理解と定着を実感した授業で、筆者も及ばずながら実践しています。

ビデオ会議システムの録画では、板書の再現は簡単ではないものの、表計算ソフトにおける手順や、プログラミングの解説などでは、対面方式と同等に表示できます。さらに、学習者のペースで録画再生を停止できるので、聞き漏らしがないという副産物もあるようです。従来教室では、ノートを取り切れないことに起因する質問をよく受けました。オンデマンドに分のあった事例の一つです。

またゼミでは、従来通りの教室/対面と同様に演習を行うべく、リアルタイムで実施しました。当ゼミでは、もともと、特別な機材/ソフトウェアを使用するわけではなく、また、個別の研究指導が中心であるという特性から、ビデオ会議による、報告/質疑/個別指導、という一連の教育が遠隔でも効果が予想以上に上がっているようです。特に画面共有機能による、各資料を参照しながらの指導は、意志の疎通に遜色がなく、しかも画面と音声以外、意識を遮るものもなく、集中力は高まっている手応えもあります。これも、遠隔に分のあった一例と言えましょう。

(メディア学部 榊俊吾)

2019年度卒研生を送る

2020年9月 7日 (月) 投稿者: メディア社会コース

本日より連投で、2020年度夏学期の研究実績を中心に報告しましょう。

3月、全国的に、というより世界的な新型感染症の流行のあおりを受け、本学でも卒業式が中止になりました。式典は中止になりましたが、これまでゼミを実施してきた卒研室において、学位記の交付を行いました。例年、衣装も華やかに、式典の後、一人一人に授与し、ゼミ生の門出を祝い、今後の健闘を祈ったものです。記念パーティーも中止で、まさに無い無い尽くしでしたが、ゼミ生全員が元気に社会に巣立って行ったのは、例年通りでした。

このような幕切れとはなりましたが、2019年度を振り返ると、ゼミ生たちは、例年通り、研究に、就職活動に活躍してくれました。6月のビジネス科学学会を皮切りに、7月の情報コミュニケーション学会、10月の情報文化学会、12月の社会情報学会中国四国支部会/島根大学、2月の社会情報学会中国四国支部会/高知大学、社会情報学会関東支部会/茨城大学など、ゼミ生16名中14名が学会報告を行いました。

(メディア学部 榊俊吾)

VRワールドでポスター発表(卒業研究中間発表会)

2020年9月 6日 (日) 投稿者: メディア技術コース

リモートで行ってきた卒業研究指導ですが、時期がずれた前期の中間発表会もようやく終えることができました。情報系の研究であればリモート環境でもそれなりに進めることができると思ったのですが、モチベーションや時間の使い方がうまく行かないようで、学生の取り組みや研究の進捗についてはもう少し奮起を期待したいところです。

 

さて、中間発表会ですが、私の研究室では例年ポスター発表の形式で行っています。スライドによる口頭発表は形式的には正式っぽくていいのですが、色々疑問があっても一定の時間(5分)経つと質問が打ち切られてしまい、まだまだ未完成な研究の発表に対しては不十分だと感じるため、ポスターによる発表を選択しています。ところで、リモートでポスター発表ってどうするんだ?って話ですね。例によってZoomを使うのか?でもそれじゃ一人づつ順番に説明することになって、スライドによる口頭発表と変わらなくなってしまいます。ということで、SpatialChat、という環境を使おう!としたのですが…、直前で有料化されてしまいました。おまけに価格設定が結構高いです。サブスクライブのプランしかないのですが、高いうえに、終わったら解除したいんだけどどこからするの?と問い合わせたら、現状では解除はできん、と恐ろしいことを言われてしまいました。解約できないって許されるの…?ということで、ClusterというVRを利用したSNSサービスを利用して、擬似的なポスター発表ができるように工夫してみました。

 

VRの演習でも同じ仕組みを使用したことを別の記事に書きましたが、まずメインの会場があり、そこから個別のポスター発表の部屋にワープできるような会場を用意しました。始めにそこに全員集合します。発表する4年生と新しく配属された3年生が参加しました。1,2年生にも声をかけたのですが、残念ながら振られてしまいました。メイン会場にはワープ用のゲートが円周状に配置してあります。半透明なドアのような表現になっていて、いかにもワープしそうな雰囲気のデザインです。そのドアの前に立て看板のように研究テーマ名と発表者の名前のパネルが設置してあり、それを見て聞きたい研究発表の部屋を見つけることができるようにしました。

 

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メインの集合会場

 

各部屋に入ると、全面の壁にポスターがスクリーンに表示されていて、発表者(のアバター)が脇に立っています。普通のポスター発表と同じようにポスターを見て説明を聞き、質問やコメントがあれば発表者と会話します(チャットでも可能ですが、基本は音声で)。この環境だと、Zoomのような会議用のツールに比べて聞いている人の数が直感的にわかるところがいいと思いましたし、何より、ポスター発表会の感じを持つことができたように思います。一方で、誰も聞きに来ていないと、説明者は部屋に一人で誰か来るのを待っているだけなので寂しいですね。ポスターの表示されているのと反対側の壁にはメイン会場に戻ることができるドアが設置されています。そうやってメイン会場と各部屋を行ったり来たりすることができます。一つの部屋に複数のポスターを配置しなかったのは、こうしたSNSのツールの特性によります。一つの部屋では、誰かが発言していることが全員に聞こえるようになっているため、複数のポスターの説明を同時に行うと、複数の説明者の声がいっぺんに聞こえてしまいます。そのため、個々の発表毎に独立した部屋を用意して、それらの間を簡単に行き来できるような仕組みを作ったのです。

 

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ポスター発表の部屋・発表の様子

 

各部屋へは自由に入り、自由に発表者と話をして、自由にでることができます。また、そもそも発表イベントそのものに出入りするのも各自の自由にできるところも、実際のポスター発表と同じ参加形式を実現できたと思います。実際のポスター発表では、制作したシステムやコンテンツのデモをするのですが、その再現は難しそうですね。動画で代替するくらいになってしまうでしょうか。今後の課題としたいと思います。ということで、発表を行った方法の話だけになってしまいましたが、研究内容についてはまた今度(もう少し研究内容が充実してから…)。

 

後期は大学に出て現実の場で行えることを希望していますが、こうした方法も、国際学会などではいいかもしれません。また、何らかの機会に多少改良して試してみたいと考えています。

 

 

太田高志

 

 

オンラインでの学会発表(2)

2020年9月 5日 (土) 投稿者: メディア技術コース

技術コースの羽田です.

前回に引き続いてエンタテインメントコンピューティングでの発表についての記事になります.

2日目の午前中に行われたVRのセッションでは5つの発表のうち3つを本研究室が占めてしまいました.今回はそれぞれについてお話しようとおもいます.我々の研究室ではデバイスを使って,体験を拡張するというテーマでの研究を行っていますが,その中でもVRを用いた体験は大きなテーマの一つです.

1つ目は松村さんの「箸を介したVR上の物体とのインタラクション」という発表です.この研究は,お箸を使ってVR内でのインタラクションを行ってみようというものです.お箸にセンサーや振動モーターなどを取り付けることで,VR内での物体の操作にお箸を使おうという試みです.お箸は日本人には非常に馴染みの深い道具で,ものをつまんだり,切ったりとさまざまな動作に利用することができます.このお箸をVR内でも使うという研究なのですが箸の特徴としては細くて軽いというところがあります.そのためデバイスを内蔵するのが非常に難しいのですが,まずは最初の段階として十分な成果が得られたのではないかとおもいます.今後はセンサー等を小型化しさらに箸として使いやすいデバイスに仕上げて,楽しいコンテンツを作ることが目標になりそうです.

学会の質疑では,箸のデバイスとしての難しさのほかVRと食事の関係などについての話が盛り上がりました.

2つ目の発表は関口君の「巨人視点:高低差と大小差の比較」という発表です.この研究では,VR内で高いところに視点をもっていった場合の見え方の変化について考察しています.単純に高いところに視点を移した場合と,高いところからの視点ではなく自分が巨人になったかのような視点をとの差として今回は,瞳孔間距離に着目してその差を検証しました.瞳孔間距離というのは目の間の距離ですので,当然ですが人間が巨人になると頭のサイズも大きくなるのでその間が大きくなるわけですね.この差が印象としてどれくらい意味があるのかなどについて検証しました.質疑では,自分が大きくなったことと,世界が小さくなったことの違いはあるのか?といった話や,過去の研究についての話など今後の参考になる話がたくさん出てきた用に思います.

3つ目が岡本さんの「風を用いたゲームプレイ中の臨場感の向上」という研究です.ゲーム中でキャラクターがビルから飛び降りたり,飛び移ったりといった現実にはありえないような動きをするとき,同時に風をあてることでさらに臨場感が増すかどうか,といった研究です.この研究はVRのセッションだったのですがVRではなく,普通のテレビ画面を見ておこなうゲームを題材として行っています.実際にビルから飛び降りてコインをあつめるゲームを作り,実験を行ったのですが,現在のところ目立った効果が見られていないという結論になりました.これに関して質疑では,視野角が狭いと没入感が減るので,VRにしたほうが良いのではないか,といった意見や実際にスカイダイビングを体験してみて,浮遊感を味わってみたほうがいいのではないかという意見まで多くの意見が交わされました.

これらの研究はそれぞれ,今後まだ発展させることになります.次の発表では,これらの質疑の内容も踏まえてよりよい研究発表ができるようになると良いなと思っています.

前回にも載せましたが,これらの発表の様子や論文は誰でも自由に見ることができますのでリンクを載せておきます.もしこのような研究に興味があれば見てみてください.

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(羽田久一)

オンラインでの学会発表(1)

2020年9月 4日 (金) 投稿者: メディア技術コース

技術コースの羽田です.今日は先週行われた学会についてのお話です.

先週末の  8/29(土)から8/31(月)の3日間で情報処理学会エンタテインメントコンピューティングという学会が開催されました.このご時世ですから,今年の学会はオンライン開催となったわけですが,その中で本研究室の学生も5件の発表を行いました.学会全体では44件の発表があったので,よく考えるとその1割以上になる一大勢力となっていました.

初日の発表は嶋田さんの「生き物の気配のする箱」という発表です.この研究では,姿が見えない箱の中に生き物がいるとするとどのような感覚があれば「生き物が確かにその中にいるのか」ということに焦点を当てて,開発を行いました.今回は身近に存在する動物である犬を題材に,犬の気配として「鼻息」に着目しました.鼻息の特徴として生暖かさを表現するためにお湯をつかって湿度の高い空気をつくり,鼻先を模した形状のデバイスから吹き出すことで生暖かい空気を出しています.今後は本物の鼻息のように強弱をつけて息を出すことや,それ以外の動物の気配として何を取り入れるかというのが課題になっています.

学会での発表でも「気配」の本質はなにかという議論がチャット上で非常に盛り上がり,今後の研究の参考になったと思います.

二日目には残り4件の発表が行われました.一つは大学院生の白須君の発表で,「嗅覚刺激による塩味調味料を使用した風味変容の検討」という研究です.この研究は彼が大学院に入る前から研究している,視覚や嗅覚によって人間が感じる味が変化するのか,というテーマです.最初はかき氷を使って,甘い味にレモンやイチゴといったフルーツの香りを付与することで,レモン味,イチゴ味といった味に感じさせることができるのかという研究を行い,よい結果を出すことができました.そしてその延長として今回は塩味とすこしの旨味のあるスープを用いて,醤油や味噌といった調味料の香りと一緒に食べることで,感じる味に変化があるかということを調査したものです.

コロナウイルスの影響もあって,実験が十分にはできなかったのですが,醤油,味噌といった特徴のある香りとともに塩味のスープを飲むことで,醤油や味噌といった味を感じさせることができそうであるという結果を得ることができています.しかし,味噌の場合にはすこしその効果が弱いのではないかということもわかりました.この研究も発表後の質疑では薄味であっても味を強化できるのか?といった話や醤油との違いはないかといったあたりが話題になりました.彼もあと半年で卒業なのですが最後によい結果が出るまで頑張ってほしいものです.

今回の学会発表の報告は長くなってきたので,VRのセッションで発表された3つについては次の機会に報告します.

この,エンタテインメントコンピューティングは論文も学会員でなくとも無料で公開されていますし,登壇発表の様子は今年のオンラインのものも含めて,YouTubeで見ることができます.もし,このような「エンタテインメント」に「コンピュータ」を利用する研究が面白いと思うのであれば,ぜひ一度ビデオを見てみるとよいのではないかとおもいます.

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(羽田久一)

歴史とは因果関係

2020年9月 3日 (木) 投稿者: メディア技術コース

 メディア学部の数少ない必修の講義の一つに一年次前期「メディア学入門」があります。先日の最終回の授業では、メディアに関わる歴史を紹介しました。
 
 この授業の中で、履修生から次のような質問がありました。遠隔授業でしたのでチャットを通しての質問です。
 
『歴史を調べるための勉強過程で、自国の歴史を歪曲したり、歴史の一部分を削除して勉強できない場合もありますが、この場合はどのような方法で勉強すれば正確な歴史を知ることができるのでしょうか。』
 
 私が説明していたメディアに関する歴史とは直接関係はないですが、以下のように回答しました。
 
 ●ネットあるいは書物でいろいろ調べるしかない
 ●その際、偏った考えだけにならないように注意する
 ●いろいろ調べた結果で、この人の言うことは正しい、という人を増やしていく
 ●その人は何が目的で言っているのか、我田引水になっていないか注意する
 ●使っている言葉の定義まで考えて勉強する
 
 その場で端的な回答が思い浮かばず、長い説明になりました。少し時間を置いて考え、より端的な回答が見つかりましたので、この場を借りて補足します。
 
 ●正確な歴史を知るには、因果関係を把握することです。歴史が歪曲されたり一部分が削除されたりした場合、時間的空間的に周辺にある事実との矛盾が必ず生じます。
 
 この「因果関係の把握」の勉強には一長一短があります。まず欠点ですが、勉強するのに手間と時間がかかることです。対象とする歴史的事象の前後の事実、あるいは同時期の別の場所での事実を知り、それらと照らし合わせるというのは手間のかかる作業です。周辺と言ってもかなり広範な調査が必要な場合もあります。
 
 一方で長所ですが、周辺との矛盾が一つでも見つかれば、その対象事象は捏造あるいは歪曲された可能性が濃厚であると断定できる点です。もちろん、逆に周辺の事象の方が誤りだったという可能性もあるでしょう。ただ、そこまで調べができたら、別の情報源で別の周辺事象を調べるのに最初ほどの苦労はしないでしょう。別の周辺事象がわかれば、どちらが事実と違っているかは比較的容易に判明します。
 
 元の質問にあった、削除により勉強できない場合、は一見して難しいです。しかし、どこかに残っている資料を見つけたとしたら、私はその資料が史実である可能性は高いと思います。都合の悪い「真実」だからこそ、時の権力者が消したと考えられるからです。
 
 過度に宣伝されたこと、特に曖昧な言葉や感情に訴える言葉で伝えられたことは、怪しむべきことです。逆に、埋もれていたことというのは事実の可能性大です。さらに、「こんなのが埋もれていた」というのが出てきた場合は、先ほど述べた周辺との矛盾をチェックすれば捏造かどうか判定できます。
 
メディア学部 柿本正憲

サウンド×ヒューマン研究室・卒業研究中間発表会

2020年9月 2日 (水) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

今年の前期は授業がすべてオンラインとなり、異例ずくめの数か月でしたが、それでも4年生の皆さんの卒業研究は着実に進み、8月12日(水)に無事中間発表会をオンラインで行うことができました。この9月で卒業する2名の最終発表会も同時に行いました。

最終発表の2名は、さすがに中間発表の人たちよりも完成度が高く、あとは卒業論文を仕上げるだけという感じです。このあと学会発表も予定しており、そちらもオンラインになる可能性が高いですが、さらに内容を吟味していきたいと思っています。

中間発表の10名ですが、オンライン指導を中心に自宅での研究となり、みなさんデータ収集や実験に苦労していました。しかし、そんな中でも、楽器や歌のデータを自宅で録音したり、オンラインアンケートの仕組みを作ってデータを集めたり、それぞれに工夫しています。今年は例年以上に音楽テーマが多いのも特徴で、ギター・ドラム・歌・音楽プレイヤーなどの研究が並んでいました。加えて、VRやバイノーラルなどのテーマも相変わらず人気があります。

後期からは、少しずつ研究室での活動も再開し、さらに研究を盛り上げていければと思っています。

もっと抽象的にわかりやすく

2020年9月 1日 (火) 投稿者: メディア技術コース

 抽象化について、日頃から思っていることを話します。先日、学部一年生向け講義「メディア学入門」の最後の授業回で、メディア分野の各種歴史を簡単に紹介しました。
 
 歴史には必ず因果関係がある、という話をしました。そして、二つの歴史的事実の因果関係を現在と未来の事象に当てはめることができる場合がある、という話題の中で「歴史的事実を表層的に理解しただけでは得られる結論も凡庸になる」という説明を加えました。
 
 これに対して受講生から「表層的でない理解とは何ですか」という質問がありました。
 
 それに対する回答は「抽象的な本質の理解」です。「猿も木から落ちる」と「弘法も筆の誤り」を表層的に理解しただけでは、二つに共通する抽象的な教訓、つまり本質を理解したことにはなりません。歴史的事実も同様です。
 
 私の回答はここまででした。蛇足かもしれませんが補足すると、前記二つの各要素を抽象化すれば、「木」と「筆」は専門分野であり、「猿」と「弘法」はその分野での一流の人であり、「落ちる」と「誤り」は失敗ということになります。達人もたまには失敗する、ということですね。
 
 歴史的事実に限らず、抽象化は、物事を考えたり理解したりするときに常に考慮すべき重要ポイントです。
 
 加えて、物事を説明する際にも抽象度は重要です。例えば、専門分野のやや難しい概念をスライドで説明する場面を考えてみましょう。
 
 説明内容が抽象的すぎて理解してもらえない、というのはよくあることです。その場合は少し具体的な例を使って説明すればよいことになります。この対処は比較的容易ですが、本当に良い例を見つけることは難しいです。下手な例を使うと理解してもらえないだけでなく、完全に間違った理解をさせてしまう危険性があります。
 
 一方で、説明が具体的すぎて本質を理解してもらいにくい、という事態もときどき生じます。抽象化した説明で置き換える必要があります。とは言っても、具体化に比べて抽象化は難しいです。そもそも当人が本質を正しく理解しておくことが不可欠です。そのためには普段物事を考える際にも、本質を意識して自ら訓練する必要があります。
 
 学生や大学院生が自分の研究発表のスライドを作る際に、説明は間違いではないのだが発表スライド文脈に照らし合わせると今ひとつ意図が伝わらない、という場合があります。抽象度を調節することで格段に良くなります。
 
 先日も学生の研究発表会で「もっと抽象的にわかりやすく説明してもらえますか」とつい質問してしまいました。本当に具体的すぎて何が言いたいのかわからなかったからです。
 
 ここまでのこの文章も、なるべく理解してもらえるような抽象度を考えて説明したつもりです。具体例を示したところもあれば、あえて抽象的な説明にとどめたところもあります。良い具体例が見つからず、抽象説明だけになった部分もあります。本質を理解してもらえれば幸いです。
 
【参考文献】
 吉田塁,2016年, スーパープログラマーに学ぶ最強シンプル思考術,ディスカヴァー・トゥエンティワン.
 柿本,大淵,三上,進藤,2020年,改訂 メディア学入門,コロナ社.
 
メディア学部 柿本正憲

 

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