「唐揚げ弁当は毒メシ?」の炎上から知るべき本質
2020年9月25日 (金) 投稿者: メディア技術コース
5年前から新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。
2020年9月にある雑誌のWEB記事の中から「唐揚げ弁当は毒メシ」について話題になっています。2020/9/21のYahoo!リアルタイム検索( https://search.yahoo.co.jp/realtime/ )を確認していただいてもわかるように、人気のある唐揚げ弁当をネガティブに扱ったため批判が多数発生してしまいました。
その記事の本質は、①偏食を是正したバランス食のすすめ、②食品添加物の適正使用や減量化、③好ましい食材と好ましくない食材、の3点の主張でしたが、
この点をもう少し深掘りしてみましょう。
①の偏食を是正したバランス食のすすめについては、厚生労働省の「食事バランスガイド」( https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/eiyou-syokuji.html ) や「1日5皿分(350g)以上の野菜と200gの果物を食べましょう」を推進する一般社団法人 ファイブ・ア・デイ協会の"5 a day"活動 ( http://5aday.net/index.php ) があり、1日3食ないし1週間でバランスの良い食生活を過ごしましょうというもので、かなり認知されている知識になっています。
②の食品添加物の適正使用や減量化については、内閣府の食品安全委員会の会議資料( http://www.fsc.go.jp/ における kai20120822ik1_112.pdf )や名古屋市の食品添加物の情報( http://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000112432.html )から、それぞれの添加物の無毒性を動物実験により評価して、その100分の1を許容量とする仕組みになっています。ということで、食品添加物を多く使用したお弁当や総菜を継続摂取すると影響がでてきます。
③の好ましい食材と好ましくない食材については、東洋経済において、日本医療政策機構理事で米UCLA医学部准教授の津田友介氏の記事が分かりやすく紹介しています( https://toyokeizai.net/articles/-/217690 )。健康に良いかどうかで5分類して、より上位のグループの食品を摂取するのが望ましい、通常食は上位3グループまでの食品を利用するのが良い、とするものです。記事そのものが興味深く、上記した②の件も含めて書かれています。最上位グループは『健康に良いということが複数の信頼できる研究で報告されている食品』ということで、魚、野菜と果物(フルーツジュース、ジャガイモは含まない)、茶色い炭水化物、オリーブオイル、ナッツ類、が入っています。次の上位グループは『ひょっとしたら健康に良いかもしれない食品。少数の研究で健康に良い可能性が示唆されている』ということで、ダークチョコレート、コーヒー、納豆、ヨーグルト、酢、豆乳、お茶、が入っています。これらは比較的に安心して摂取してよい食材・食品です。ただし、食事というのは美味しいという幸福感を得ることも重要であるため、最下位グループの、ステーキ肉にバターをのせて食べるのを全否定するのでなく、たまにならば良いという考え方です。
最近、健康意識の高まりから様々な健康情報が入手できますが、できるだけその本質を理解するようにしたいものです。そして、唐揚げ弁当を食べないのでなく、食べる回数を減らしたり、サラダを一緒に食べるようにするとか、正しい知識を持って、適切な食生活にしていきたいものです。
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