音に関係する小説 (1)
2020年9月26日 (土) 投稿者: メディア技術コース
読書の秋ですね。私の研究室では様々な音に関する研究を行っていますが、「音」をテーマにした本を紹介してみたいと思います。音にもいろいろありますが、まずは「人間の声」を扱う小説「声の網」を紹介しようと思います。著者は星新一、みなさんも名前は聞いたことがあるでしょう。
星新一は、ショートショートの名手として知られていますが、実は数本だけ長編も書いており、この本はそんな長編の一つです。ストーリーは、登場人物のところに謎の電話がかかってきて、誰も知らないはずの秘密について語るという形で進んでいきます。
話の鍵となるのは電話ですが、その電話の背後にあるのは、巨大な人工知能です。現代の視点で読むと、アレクサやグーグルホームの登場を予期していたんじゃないかと思うような筆致で、インターネットと人工知能に支配されたディストピアの様子が描かれていきます。この本が書かれたのは1970年ですが、同じ時代のどの未来予測よりも当たっているような気がします。
私の研究室でも「スマホのマイクからどれぐらいの情報が盗まれ得るか?」というテーマで卒業論文を書いた人がいましたが、いやはや怖いですね。
(大淵 康成)
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