« 2020年9月 | トップページ | 2020年11月 »

2020年10月

ディジタルスクラップブックという研究テーマ その5

2020年10月31日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

前回に引き続き,カメラワークに関するデジタルスクラップブックについて紹介します.
前回紹介した,

[王 晨,兼松祥央,茂木龍太,三上浩司,近藤邦雄, CGアニメーション制作のためのカメラワークスクラップブックの開発, 映像情報メディア学会・画像電子学会・芸術科学会,映像表現・芸術科学フォーラム,2014.3 ]

では,主にカメラの移動経路に焦点を当てて分析し,カメラワークのデータやカメラワークを試してみるときに使えるテンプレートを検索できるライブラリを開発しました.ただ,これだけでは正直なところ,使い勝手が良くありません.自分の作品を作るときに,結局どう検索していいのかわかりづらいですよね.
そこで,カメラワークのスクラップブックでもライティングのものと同じように,作ろうとしているショットの内容やシチュエーションに合わせて検索できる仕組みも研究しています.
そのうちの1つが「怒っているキャラクターを映すときのカメラワーク(のスクラップブック)」です.

[関口雅史,兼松祥央,三上浩司, 近藤邦雄,キャラクターの怒り要素分析に基づいた演出支援手法の提 案,2016 年度日本図学会秋季大会(東京),P06,pp.123‐124,2016]
[Yoshihisa Kanematsu, Ryuta Motegi, Naoya Tsuruta, Koji Mikami and Kunio Kondo, DIRECTING SCHEME SUPPORT METHOD BASED ON ANALYSIS OF ANGRY CHARACTERS,18TH INTERNATIONAL CONFERENCE ON GEOMETRY AND GRAPHICS, 2018.8.3-7 ]
[高村 侑理華,兼松 祥央,茂木 龍太,鶴田 直也,三上 浩司,近藤 邦雄,敵キャラクター登場シーンにおける恐怖演出支援システム,映像表現・芸術科学フォーラム 2018(Expressive Japan),2018.3 ]
[Yoshihisa Kanematsu, Yurika Takamura, Ryuta Motegi, Naoya Tsuruta, Koji Mikami and Kunio Kondo. Composition design support system for shot of enemy character appearance in horror movies, 2019 ADADA+Cumulus, 2019.11.27 ]

最近はVRで楽しむ映像なんてものも普及してきていますので「全ての映像コンテンツにおいて」とは言えなくなってきましたが,従来型のモニターやスクリーンに映し出して楽しむ映像では,実はカメラワークのバリエーションはそこまで多くありません.実写であってもCGであっても,最終的には2次元の画として表現されるわけですから,細かな違いはあれど,大きなくくりでは表現方法の種類には限界があります.もちろん,これはカメラワークのみに絞って考えればということです.ライティングをはじめ,その他の要素との組み合わせを考えると無限のバリエーションがあるのは言うまでもありません.
そういった無限のバリエーションの中から自分の作品に適した,個性のよく出ている手法を検討するため,怒っているキャラクターを撮影する際によく使われるカメラワークを分析したのが上記の研究です.

余談ですが,学生がライティングにしろカメラワークにしろ,特定の感情にフォーカスした分析をしようとしたり,題材にして話をする場合,「怒り」を題材に持ってくる学生が比較的多いような気がします.まぁ,演出も感情を誇張されているのがわかりやすいものが多いですし,表情としてもセリフなどでもわかりやすいですしね.ただ,分析するとなると,それこそ数百,数千の怒っている顔をみなければならないわけで,もうちょっと笑顔とか,見てるだけで癒されるような画の分析もいいんじゃない?と思ったりもします.

(文責:兼松祥央)

ディジタルスクラップブックという研究テーマ その4

2020年10月30日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

本日も私の研究の主軸となっている「デジタルスクラップブック」について紹介します.
以前までには照明・ライティングに関するスクラップブックを紹介しましたので,今日はカメラワークのものを紹介します.

[王 晨,兼松祥央,茂木龍太,三上浩司,近藤邦雄, CGアニメーション制作のためのカメラワークスクラップブックの開発, 映像情報メディア学会・画像電子学会・芸術科学会,映像表現・芸術科学フォーラム,2014.3 ]

この研究では既存の映像作品を分析し,「カメラの動かし方・移動経路」に特化して分析を行いました.
カメラワークを設計するということは,キャラクターなどの被写体が画面上でどのサイズでどのように見えるか,どの範囲を写すかといった,画の構成を考えることです.そこで,カメラワークの分析や分類というと,書籍などでよくあるのはパンやドリーといったカメラの操作方法・手法で分類する方法です.これに加えて三分割法なども踏まえて画面の構図の作り方が紹介されるケースが多いです.

既存作品の例とともに,このような手法・考え方を解説する記事はカメラワークの勉強はもちろん,インスピレーションを得るという意味でも大変興味深いものです.しかし,私たちがデジタルスクラップブックで目指している「様々な手法をとっかえひっかえ試してみながら,自分の作品に適した手法を模索していく」という点においては課題が残ります.なぜならパンやドリーなどはあくまでも「カメラを水平方向に首振りさせる」といったような大雑把な概念でしかないからです.したがって大雑把な区分はできますが,自分の作品にあったカメラワーク を探すという意味では使いづらさが残ります.

そこでこの研究では,被写体に対してカメラがどのような経路で移動したか,そしてそのスピードなどのデータを取得し,ライブラリ化しました.
その後,この研究をベースとして,さらに特定のシチュエーションや要素に絞って分析した研究などもあります.これはまた別の記事で紹介したいと思います.

(文責:兼松祥央)

フレッシャーズゼミ後期(2)

2020年10月29日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

こんにちは。コンテンツコースの椿です。

以前にフレッシャーズゼミについてご紹介してから3週間経ちました。この間にフレッシャーズゼミで行った活動の中から、メディア学部らしい内容を選んで書いていきたいと思います。

  • 就職活動についての講義
    • クリエイティブ産業への就職活動に向けた準備についての説明
  • 大学院進学についての講義
    • 学士・修士一貫早期修了プログラムの説明

メディア学部にはキャリア形成に関する授業もありますが、クリエイティブ産業への就活や早期修了などは早くから準備が必要ですので、1年次のフレッシャーズゼミでも説明することにしました。

また、以前にも行った教員の研究紹介の第2弾として、新たに3名の先生のビデオを視聴しました。

  • 教員の研究紹介
    • メディアとSDGs
    • 福祉工学と音声信号処理
    • シナリオ情報構造化システムによる映像コンテンツ制作支援基盤の構築

今回も多様なテーマが揃いました。ビデオの中には、楽しい部分、難しい部分、シリアスで考えさせられる部分があり、各部分で1年生の表情も変わっていくのが分かります。

研究ビデオを視聴した後は、各テーマについて議論を行いましたが、メディアについて様々な角度からとらえるというメディア学部の考え方は、1年生にも既に浸透しているように感じました。

IEEE VIS2020 オンライン開催中!

2020年10月28日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

2020年10月25日から30日まで、可視化の世界最大の国際会議IEEE VISがオンラインで開催されています。

http://ieeevis.org/year/2020/welcome

この会議は、例年アメリカ国内で同時期に開催されていますが、今年は新型コロナの影響でオンライン開催を余儀なくされました。しかし、オンライン開催なので、聴講だけの人は無料で参加が可能です!IEEE太っ腹!(笑)

問題は、時差です。今年は、ソルトレイクシティで開催予定だったので、現地時間の8:00~16:00の時間帯に開催されています。日本だと、23:00~7:00・・・。普通に朝から授業がある日は、すべてに参加するのは不可能です(倒れちゃいます)。しかし、そこはオンライン。後からでも見れるようにYouTube配信されています!

実際の会議はどのように進められているかというと、発表はYouTubeのストリームで見ることができ、質問やコメントはDiscordとうソフトウェアを使って、テキストでやり取りをします。その中のいくつかの質問は、現地開催の発表と同じように、口頭で回答してもらえます。(それ以外は、テキストで返信が来たりします。)通常の会場では、質問をするためには、大勢の前でマイクの前に立って質問をしなければならないという、かなりハードルが高いものでしたが、テキストでなら、気負いなく質問することができます。実際、聴講していた4年生の学生は、Discordでがんばって英語で質問してました。

どんな発表がされているんだろう?と思った方、興味があればぜひ参加してみてください。無料です(笑)

(文責:竹島)

演習講師紹介:渡邉賢悟氏(クリエイティブ・アプリケーション)

2020年10月27日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

こんにちは。伊藤彰教です。

学部生から「なぜサウンドが専門の伊藤彰教が『クリエイティブ・アプリケーション』演習を担当しているの?」と質問を受けました。そこで渡邉賢悟先生のご紹介と合わせて、クリエイティブ・アプリケーション誕生の経緯を書いてみたいと思います。
 
演習講師の渡邉賢悟先生は、2Dのグラフィック処理を専門とし、現在はその専門性を活かした企業を経営していらっしゃいます。学生のころからイラストに興味があったのに加え、大学で習ったプログラミング技術と合わせて、在学中にペイントソフト『ゆめいろのえのぐ』を公開しました。現在累計で50万ダウンロード以上を記録、いまでも根強いファンがいます。学部生との最近の雑談で「初めて本格的に触ったペイントソフトは『ゆめいろのえのぐ』でした」と聞いて驚きました。

Yumeiro_screenshot

そんな先生は当時、Windowsのみで開発しており、私が主に使用しているmacにはまったく触れていませんでした。ところが、ある日突然「macで開発をはじめます」と言い、1週間ほどで動画像処理プログラムを作成してきました。私もiOSのプログラミングを少しずつ勉強し始めていたところで、これは心強い仲間ができた、と嬉しく思ったことを覚えています。もう10年以上前のことです。
 
その頃は、先生も私も大学研究所の研究員でしたので、お世話になっていた近藤邦雄先生に「メディア学部でも画像と音を合わせた新しい試みをしてはどうか」と申し出たところ「ぜひお二人でやってください」と背中を押していただきました。そしてうまれた演習がクリエイティブ・アプリケーションです。
 
その後、渡邉先生は演習の実施と合わせて、macで開発した動画像処理やiOSの音声・ネットワーク処理のプログラムを活かし、企業活動を展開されています。動画像処理の成果はアニメ業界などでも採用され、スタッフロールにお名前が載っているアニメ作品がいくつもあります。みなさんも楽しんだことのある作品だと思います。ぜひ探してみてください。
 
「さまざまな人とスキルが組み合わさってクリエイティブな活動が花ひらく」というメディア学部ならではの演習を育ててくださった近藤先生は、2019年度にご定年で退職なさいました。現在は教員となった私が当演習を引き継ぎ運営しています。毎週の演習は、渡邉賢悟先生によるものづくりの考え方とグラフィック技術の習得が中心ですが、演習内容を活かして自主的にアプリを制作する学生も多くいます。意欲的な相談に応える形で、私も音やインタラクションの指導を行なっています(残念ながら、現在はコロナの問題で中断中)。
 
教育・研究ともに困難な情勢ですが、コロナがおさまり、再びキャンパスでグラフィック・サウンドが一体となった創造的な活動ができることを願ってやみません。

Swift Playgroundで学べるグラフィック:プロジェクト演習「クリエイティブ・アプリケーション」

2020年10月26日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

こんにちは。メディア学部の伊藤彰教です。

今日は珍しく「グラフィック」についてのプロジェクト演習をご紹介いたします。

本学大学院メディアサイエンス専攻の1期生として、初めて博士(メディア・サイエンス)を授与された1名であり、現在はグラフィックス処理を中心としたシステム開発企業である渡辺電気株式会社を経営されている渡邉賢悟先生が、会社のお仕事としてSwift Playground内にコンピュータグラフィックプログラミングを学べる「Lily PlayGround Books」を制作・公開なさっています。
 
Swift Playgroundは、iPadOS, macOSの上でSwift言語を学ぶのに適したアプリケーションとしてApple社が公式で展開しているプラットフォームです。大学生だけではなく、STEAM教育として世界中の小中高などでも利用されているSwift Playgroundですが、国内ではこの中で活用できる日本語教材を公開している企業は皆無で、渡辺電気株式会社がサードパーティーとしては国内初の快挙を成し遂げました。
 
この記事をご覧になっているみなさんは誰でも、iPadかmacを持っていれば学習することができますが、メディア学部のプロジェクト演習「クリエイティブ・アプリケーション」では、渡邉先生から直接、より分かりやすく、深いところまで学ぶことができます。
 
「ん?誰でも学べるということは簡単なの?」
 
このPlayground Bookは、学習しやすいようにとっつきやすくできていますし、説明もたいへんに丁寧ですが、学ぶほどに画像処理やアニメーションの深みが実感できるように設計されています。このためさらっと終わってしまうのは大変にもったいない!
 
せっかくメディア学部にいるのですから、クリエイティブ・アプリケーションを受講して、この奥深さをぜひ体験してもらいたいと思います。
 
「ちょっと興味がわいてきたぞ…!」
 
という方は「Lily Playgroundの導入」というページをご覧いただき、ぜひご自身でも試してみてください。面白いと感じたら、メディア学部生はぜひ1度クリエイティブ・アプリケーションを履修してみてください。1年前期から3年後期前まで、お好きなタイミングで1学期だけでも受講できます。

渡邉賢悟先生からもあたたかいメッセージを頂いておりますので、掲載いたします。

『このPlaygronds Booksは、iPadかMacを持っている方は演習の受講、大学の所属に関係なく、誰でも使うことができます。ぜひSwiftプログラミングで絵を描くことを楽しんでください。

その上で、当演習に参加することで弊社スタッフに直接相談や質問ができます。理解を深めたり、楽しみを増すこともできるでしょう。

昨今は感染症予防でドアを開けたお店がたくさんありますが、それにならって?、弊社も学びの門を開けて、みなさんをお待ちしております。』

Let's enjoy Swift Graphic Programming !

01lilyswift

コロナ禍における修士課程進学体験記(7) 安田滉規さんのケース

2020年10月25日 (日) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は、森川研所属の4年生、安田滉規(やすたこうき)君が、就職ではなく大学院進学を選んだ体験談です。
 
----------
私が進学を決めた理由は、専門的な知識や技術の理解を一層深め、常に変化している社会情勢に対応できる経験や実践力を身につけたいと考えたからです。
私が、コロナ下で就職活動する上で、大学卒業後、今の自分が社会に順応できるのかと自分自身を見つめ直しました。
そこで私は、アフターコロナ社会をどう生きるかということを大切にした結果、進学を決めました。
進学することで、創造的研究や学会発表に積極的に取り組み、新しい社会イノベーションに挑戦できる能力を身につけられると考えたからです。
進学を検討する方は、同級生のほとんどが就職を選択していると思います。
ですが、周りに流されず、いま一度自分と環境を客観的に見て、自分に合った進路を選択してほしいと思います。
 

7_20201004151101
 
森川研究室4年 安田滉規
----------
 
安田君はもともと就職を希望していましたが、進学希望に方向転換しました。
その気持ちの変化には、コロナが関係していたようですね。
2020年、コロナウィルス流行の影響で、これまでの世界は一変しました。
同じようなことが今度、いつ何時起こってもおかしくありません。
未来を生きる我々に必要なのは、急激な変化に対応できる身体と頭脳を持つことなのではないでしょうか。
安田君はそのために、まずは頭脳を磨こうと大学院進学を決めたのだと思います。

生きるとは選択することです。
皆さんはどんな選択をしますか?
就職を選ぶにしろ、進学を選ぶにしろ、自分の選択に自信を持って、しっかりと一歩一歩、自分が選んだ道を前に進んで行ってくださいね!!
 
 
(メディア学部 森川 美幸)

コロナ禍における就職活動体験記(6) 曽根愛美さんのケース

2020年10月24日 (土) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は、森川研所属の4年生、曽根愛美(そねまなみ)さんの体験談です。
 
----------
私が就活を始めたのは、3年生の2月頃です。
その前からも企業研究などを少しずつやっていましたが、大学で開催された合同企業説明会に参加するのをきっかけに本格的に始めました。
 
3月になってからは合同企業説明会で知った企業や大企業にエントリーをはじめ、エントリーシートやSPI検査や履歴書をたくさん書きました。
しかし最初の方にエントリーした企業はほとんど全部といっていいほど落ちてしまいました。
エントリー数が多い企業にもエントリーをしていたので、落ちても仕方がなかったのかなと思い、また1から就職活動を始めることにしました。
しかし、コロナウイルスの影響でマイナビやリクナビで毎年行っている大きい合同企業説明会が開催されず、企業研究がうまく進められませんでした。
 
4月はとにかく各企業が独自に行っている会社説明会に参加しました。
たくさんの会社の説明会を受けているうちに、自分の会社選びの条件や相性等の良し悪しがわかるようになっていきました。
5、6月にエントリーをはじめ、7月に入るころに内々定をもらうことができました。 

 

6_20201004150901

森川研究室4年 曽根愛美
----------
 
曽根さんは数を当たることで、段々と企業選びの目を養ったようですね。
つまり、経験を積むことで自分の希望が見えてきた、ということだと思います。
就活は、企業に選ばれる場でもあり、自分が企業を選ぶ場でもあります。
そのためには、できるだけたくさんの企業を見てみることも大事です。
比較して初めて見えてくるものもありますからね。

また、どんな状況でも決して諦めないこと。
気持ちを強く持ってください。
曽根さんも、多くの企業に落ちたと書いています。
必要以上にへこまずに、気を取り直して次を当たりましょう。
前向きに!
  
最終回の明日は、就職ではなく、進学を選んだ安田滉規君の体験記をお届けします!
 
 
(メディア学部 森川 美幸)

コロナ禍における就職活動体験記(5) 小澤天斗さんのケース

2020年10月23日 (金) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は、森川研所属の4年生、小澤天斗(おざわたかと)君の体験談です。
 
----------
私は1月初旬から本格的に就活を始め、3月末に就活を終えたため、新型コロナウイルスの影響はあまり受けませんでした。
就活を進める際に活用したアプリは逆オファー型のoffer boxとdodaキャンパスです。
これらのアプリは企業側から選考のお誘いが来るため、企業を探す手間などはあまりありませんでした。
 
私はオファーが来た内の15社の説明会や面談に参加しました。
そこから実際に選考に進んだ企業は10社ほどです。
IT系の企業がほとんどだったため、CABというwebテストを受けることが多かったです。
このテストは非常に難しいため対策が必要ですが、対策さえすればできないことはないと思います。
 
どの企業の面接でも聞かれる内容はほとんど変わりませんでした。
聞かれ方や言葉の違いはあるにせよ本質的に聞きたいことはあまり変わらないため、しっかりと準備していれば問題ないと思います。
しかし、初めての面接では緊張してうまく答えられなかったり、どんな質問が来るか分からず準備不足になってしまったりするため、志望度の低い企業を練習だと思って受けることをお勧めします。
 
就活では自己分析が何より大切だと私は思いました。
なぜこの業界に進みたいのか。なぜこの会社に進みたいのか、なぜ自分はこういう考えに至ったのだろうか、など、自分に対して矢印を向けて「なぜ?」を繰り返していく事が自己分析になり、面接対策に繋がり、内定に繋がると思いました。
 
森川研究室4年 小澤天斗

 

5_20201004150601

----------
 
小澤君も齋藤君と同じく、「自分を知ること(=我究)」が大事だと言っていますね。
企業の探し方や学力テストはテクニカルな問題なので、教えてもらえれば何とかなります。
でも自分自身については誰も教えてくれません。
自分で自分を知っていくしかないのです。
みんな、意外と自分のことを知らないんですよね。
小澤君のように、自分に「なぜ」と繰り返し問いかけるというのも、自分を知る一つの手です。
自分を知れば、自己PRや面接の受け答えも、見違えるように良くなるはずです。
 
明日は曽根愛美さんの体験記をお届けします!
 
 
(メディア学部 森川 美幸)

コロナ禍における就職活動体験記(4) 齋藤駿介さんのケース#3

2020年10月22日 (木) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回は、森川研所属の4年生、齋藤駿介(さいとうしゅんすけ)君の体験談の最終回です。
 
----------
 
こんにちは、森川研究室2期生の齋藤駿介です。
今回のお話は、下記目次の(3)「あなたはどちらのタイプ?」です。

目次
(1) 『インターンに行ったら有利』は時代遅れ
(2) 面接にはPDCAは要らない
(3) あなたはどちらのタイプ?

 
あなたはどちらのタイプ?
 
私は将来やりたい仕事は就職する仕事では無かったので、就職活動についてはどんな仕事でもいいやと思っていました。←今思えばただのバカ。
なので、自己分析で希望業種、志望職種がありませんでした。
だから冒頭で書いたように様々な業種のインターンに参加したわけです。

そんな中で、仕事は大きく分けて『モノづくりの仕事』と『つくられたものを扱う仕事(マーケティング)』に分けられると気づきました。
『モノづくり』は新しいモノで人々、企業のために働きます。
『マーケティング』は、出来上がったモノを使って人々、企業を良くするために働きます。
ここから私は業種を絞り、今の内定先を決めました。
もし、同じ悩みを持っている人は自分がどちらに当てはまるのか考えてみるといいかもしれません

あなたはどちらの仕事がやりたいですか?
 
以上が、私の就職活動を経験して学んだことです。
他にもいろいろ学びましたが、これ以上は自分自身で頑張って経験して成長していってください。
就職活動はつらいですが、頑張ってください。
 
森川研究室4年 齋藤駿介

4_20201004150301

  
----------
 
齋藤君も書いていますが、「どんな仕事でもいいや」と思って就職活動を行うことは得策ではありません。
そのような気持ちで就職活動を始めると、どうしても業界研究や企業研究に力が入らないからです。
 
まずは自分を知ること。
そして、社会(業種や職種)を知ること。
 
選ばれる人材になるには、それなりの準備が必要です。
皆さんも、自分をしっかり探求することから始めてくださいね(我々の時代はこれを「我究」と言っていました)。

明日は、小澤天斗君の体験記をお届けします!
どうぞご期待ください!!
 
 
(メディア学部 森川 美幸)

コロナ禍における就職活動体験記(3) 齋藤駿介さんのケース#2

2020年10月21日 (水) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
前回に続き、森川研所属の4年生、齋藤駿介(さいとうしゅんすけ)君の体験談をお届けします。
 
----------
 
こんにちは、森川研究室2期生の齋藤駿介です。
今回は下記目次の(2)「面接にはPDCAは要らない」についてお話します。

目次
(1) 『インターンに行ったら有利』は時代遅れ
(2) 面接にはPDCAは要らない
(3) あなたはどちらのタイプ?

 
面接にはPDCAは要らない
 
 
就職活動も中盤に差し掛かってくると、直接人事の人と話す面接が増えてきます。
やっぱり面接のときは自分の事お伝えなきゃ!って思って頑張りますよね。
そんな時、就活支援者は就活生にこう言うのです。
 
「PDCAを回しなさい」と。
 
無駄無駄、会話にPDCAなんて不要です。
要りません。
逆に相手の立場を考えてください。
「こいつの話めっちゃ長い、何が言いたいのか分からない…」ってなりますよ。
 
勘違いしてはいけないのがPDCAは必要です。
面接にPDCAが要らないというだけです。
どういう意味か、就職活動には履歴書などの書類選考があります。
プラス筆記もあるところはあります。
ここではPDCAをちゃんと回した内容が必要なんです。
この次の段階の面接ではその書類を基に進んでいきます。
この段階にまでPDCAを持ち込むのは悪手です。
ここからは会話に重点をおいて頑張ってください。
なんでこんなことを言っているのかというと、私がこの過ちをしていたからです。
一つ一つ順序立てて話さないとって考えてすごく長い自己紹介をしていました笑
そしてどこで分かったのか、当時僕の前に居た面接官の男性に「君。話長いね。眠くなっちゃった。」って言われました。
そこからその男性は面接の秘訣を教えてくれました。
今思えば、すごく僕の今後を考えて言ってくれていた優しい人だったなと思い、僕も将来あんな人になりたいと思っています。

※注:PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)のサイクルを繰り返し行うことで、継続的な業務の改善を促す技法のことです。

 3_20201004150001

 

----------

上記はあくまで齋藤君の個人的な見解と体験です。
誰にでも当てはまるわけではないかも知れません。
でも、齋藤君は自分の経験を通じて、彼なりの一つのセオリーを生み出したのです。
皆さんも、齋藤君の経験を参考にしつつ、是非自分のセオリーを見出してください。

 
齋藤君編最終回の明日は、(3)の「あなたはどちらのタイプ?」です!
お楽しみに!!
 
 
(メディア学部 森川 美幸)

コロナ禍における就職活動体験記(2) 齋藤駿介さんのケース#1

2020年10月20日 (火) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今回から3回に渡って森川研所属の4年生、齋藤駿介(さいとうしゅんすけ)君に体験談を語ってもらいます。
まさに今年、就活を終えたばかりの先輩のお話を、是非参考にしてください。
 
----------
 
こんにちは、森川研究室2期生の齋藤駿介です。
私たちの世代の就職活動は、新型コロナウイルスの流行により、例年とは違う新スタイルの就職活動となった人が多く、就職活動の変遷期となっているのかもしれません。
そんな中、私は就職活動を3年次の夏休みから始めているため、例年通りの就活と新しいスタイルの就職活動を経験しました。
これを読んでいる人がどちらのスタイルの就職活動を主に行っているのか分かりませんが、助けになればいいなと思います。

内容に移りますが、細かな話をしても読みづらくなってしまうと考え、3つの項目に分けて書いていきたいと思います。

目次
(1) 『インターンに行ったら有利』は時代遅れ
(2) 面接にはPDCAは要らない
(3) あなたはどちらのタイプ?

今回は(1)についてのお話です。
 
『インターンに行ったら有利』は時代遅れ
 
私は「3年次の夏休みから就職活動を始めた」と前ページで記載しましたが、何をしていたかと言うと、自己分析~とかキャリアパスの作成~などの事よりも短期インターンに参加していました。
なぜなのか、それは自己分析+αのことがインターンではできたからなんです。皆さんは『インターン』って聞くと『業務体験』みたいなものと思っている人は案外多いです。
これは間違いです。
よく考えてみてください。
知識も経験も無い、研修もしていない奴に会社の業務やらせますか?普通の会社はやらせません。
やらせてたら人のいないブラック企業かも…汗
じゃあ、何をやるのか。私は数社のインターン(業界も様々)経験しましたが、多くは自己分析と集団で行うディスカッションからのアウトプットの練習などでした。
これは結構嬉しかった。
その場であった人達から就職活動の情報も貰えるのもそうですが、就活の悩みを学生同士、または会社の社員さんと話せる点です。
私もとある企業の社員さんからモチベーションの上げ方とかを教えてもらいました。
こんな感じで、とある企業の人事と話していた時、こんな質問をしました。
 
私「インターンって正直なところどのくらい重要なんですか?」
人事「う~ん。逆に有利になると思ってインターン参加しなかった?」
私「うっ、正直なところめちゃくちゃ思ってました。」
人事「当たり前だよね笑、僕からは詳細は言えないけれど、インターンに参加したから『有利』は少し違うかな。早期選考ってよくあるけど大体はそれが本選考だと思ってた方が良いよ」
 
少し、脚色がありますが、こんな感じのお話を聞かせていただきました。
つまり、早期選考が本選考ってことはインターン参加が本選考の参加条件なので、インターンに参加しないと本選考に参加すらできない訳です。
今の時代、インターンは『参加したら有利』ではなく、『参加しなければ不利』になっている訳です。
だから、私はインターンに参加して自己分析+情報収集+本選考参加券を手に入れていました。
もし今参加するべきか迷っていたら、ちょっと踏み出して参加してみることを私はおすすめします。

 

2_20201004145601

----------

明日は(2)の「面接にはPDCAは要らない」です!
お楽しみに!!
 
 
(メディア学部 森川 美幸)

コロナ禍における就職活動体験記(1) イントロダクション

2020年10月19日 (月) 投稿者: メディア社会コース

こんにちは、メディア学部社会コースの森川です。
今年大変な問題となっている新型コロナウィルスの流行は、個人はもちろん社会的にも大きな影響を及ぼしています。
大学も前期はすべての講義がリモート授業となり、1年生は一度も大学に来ることがないまま、夏休みを迎えました。
一方で今年から社会人1年目を迎えた人たちの中には、会社に出勤することがないまま、リモートで研修を受けた、という人もいたようです。
そして現4年生は、コロナで自粛期間中も就職活動を進めなくてはいけませんでした。
いくつかの企業は、途中で募集を中止したところもあったそうです。
コロナの影響で内定取り消しになったという話がニュースになっていたりもしましたよね。
 
今回の私のブログ担当週では、そんな過酷なコロナ禍で就活を行い、内定を得た4年生の体験をご紹介したいと思います。
いずれコロナは終息を迎えるでしょうが、企業や社会の状態が完全にコロナ前に戻ることはないかも知れません。
戻るとしても相当な時間がかかると思います。
これから就活を行う3年生や2年生、1年生、さらに高校生の皆さんも、是非コロナ流行の中で先輩たちがどのような活動を行い、内定までたどり着いたのか、是非参考にしてください。
 
先輩の話を始める前に、私自身の就活について少しお話したいと思います。
私が就活をしたのは、バブル崩壊後の、いわゆる就職氷河期でした。
まだまだ男女差別も根強い時代で、「4年制大学を出た地方出身(実家暮らしではない)女子に就職はない」と言われていたほどです。
そんな時代に、私は無謀にも就職先は絶対マスコミ関係!と、マスコミに絞って就活を行ったのです。
今考えると甘かったな…と思いますが、当時はそれなりに自分にも自信があったのでしょう。
マスコミ以外には行きたくない、とすら思っていました。
 
3年生の冬から大学そばのマスコミ就活塾(マスコミセミナー)に通い始め、準備開始。
塾生同士で仲良くなり、面接の練習や企業研究を一緒にやったりして、ますますマスコミへの就職熱が高まりました。
うっすら、行けるんじゃないか、とも考えていたと思います。
 
しかし、その自信は就活が始まると、見事に打ち砕かれました。
マスコミ就職はまず、テレビ局や大手広告代理店から始まるのですが、エントリーしてもエントリーしても、面白いくらいにどんどん落ちるのです。
書類は受かっても、面接で落ちる。
箸にも棒にも引っ掛からないとは、まさにこのこと!という状態でした。
自分ではどうして落ちるのかさっぱりわかりません。
自分を否定されているようでメンタルはボロボロになりましたし、体重も落ちました。
でも結局、その業界に向いていないから落とされていたんですよね。
面接官はプロです。
そのプロの目から見て、私は業界に向いていないと映ったに違いないのです。
向いていないのに入社させても、きっと早々に辞めてしまうでしょう。
そういう人材は取れないですよね。
 
逆に言えば、この子はこの業界に向いている、と思われれば受かるということです。
自分では、自分がどの業界に向いているのか、はっきりと判断できません。
当時は今のようにインターン制度がありませんでしたし、試してみることもできませんでした。
だからこそ、より幅広い業界を受けなくてはいけなかったのです。
自分に合う業界はどこか、相手が選んでくれて、初めてわかります。
選ばれる業界に当たるまで、頑張らなくてはいけないのです。
 
マスコミにこだわって就活を続け、猛暑の夏をスーツ姿で歩き回り、映画業界や映像制作業界、芸能プロダクション業界を受け始めた頃、ついに私は選ばれ始めました。
何とかマスコミ関連の業界で、自分を選んでくれる企業に出会えてラッキーでしたが、そううまく行かないこともあると思います。
ですから、業界や業種にあまりにもこだわる就活は、私はお勧めしません。
出会いはどこに転がっているかわかりませんし、単に自分が憧れている業界ではなく、自分に合う業界で働く方が、最終的には幸せになれると思うからです。
 
これから就活をする皆さんや、今就活をしている皆さん。
是非視野を大きく広げてください。
あなたを選んでくれる会社は必ずあります。

 

1_20201004145201
  

(メディア学部 森川 美幸)

聖地巡礼 (野球編)

2020年10月18日 (日) 投稿者: メディア技術コース

メディア学部の大淵です。

太田先生の記事に便乗して、私も聖地巡礼の話を書こうと思います。

遡ること30年前、大学院生だった私は、アメリカ国内を周遊旅行していました。ニューヨークから長距離バスでオールバニーという町まで行き、そこでレンタカーを借りて更に数時間、はるばる訪れたのは、クーパーズタウンという町です。ここには、アメリカの野球殿堂があります。日本の野球殿堂は東京ドームの一角にありますが、アメリカの野球殿堂はニューヨークから数百キロも離れた田舎にあるのです。こんな田舎にあるのは、野球の起源をめぐるいろんな逸話が関わっているのですが、それはさておき、苦労して訪れたクーパーズタウンは、それに見合った素晴らしいところでした。野球殿堂そのものは、表彰された選手たちのレリーフがあるだけなのですが、付属の野球博物館が素晴らしく、まる一日ずっと見学していても飽きません。

この町を訪れたいと思ったのは、その数年前に読んだ「世界最高の投手はだれか(佐山和夫)」という本がきっかけでした。メジャーリーグにまだ黒人差別が明確に存在した頃、メジャーリーグとは別に活動していた黒人リーグの伝説の投手であるサチェル・ペイジのことを扱ったノンフィクションです。その中で、差別の対象だった黒人選手たちが少しずつ日の目を見るようになり、やがて野球殿堂に入るまでが描かれています。クーパーズタウンを訪れるのは大変ですが、本の方は簡単に手に入りますので、ぜひ読んでみて下さい。

秋の保護者会

2020年10月17日 (土) 投稿者: メディア技術コース

皆さん、こんにちは。

先日の10月10日、11日に八王子キャンパスの保護者会がありました。読者の方の中には、大学でも保護者会があるのかと驚かれる方もいらっしゃるかもしれません。本学の場合、例年、春と秋に保護者会があり、秋の保護者会は学園祭(紅華祭)に合わせて実施しています。今回は、学園祭は中止となってしまいましたが、保護者会は規模を縮小してキャンパスで実施しました(春は実施できませんでした)。

Img_2317ss

会場は、普段食堂になっている厚生棟という建物です。今回は、面談員の先生と保護者の方の間に仕切りを作り、マスクの着用や手指・テーブル等の消毒、検温などの感染対策をして面談を行いました。相談の内容は様々ですが、成績に関することや就職に関することが多く、学生本人が同席するケースも少なくありません。本学では、入学時から学生ごとにアドバイザーの先生がいて大学生活のスタートのサポートや新学期ごとの個人面談等を行っています。しかし、保護者の方は成績表が届いたときにしか状況が把握できていないことも多く、先生からも話を聞きたいということで参加される方が多いようです。

(メディア学部 寺澤卓也)

こうかとん&片研(校舎)型のぬいぐるみでハロパー気分だとん★

2020年10月16日 (金) 投稿者: メディア技術コース

みなさんこんにちは。もうすぐハロウィンですね。三密を避けてソーシャルディスタンスを保つため大人数で対面のパーティーを開くのは難しい状況ですが、気分だけでもハロウィンパーティーに!ということで大淵・越智研究室(研究棟C・C318号室)前を飾り付けました。

Kazari01

まず、カッティングプロッター(自動でカッターを制御して図形を切り出す機械)でこうかにゃんのハロウィン風かぼちゃと融合した図形を切り出します。素材は黒のフェルトです。同様にして、オレンジで我らがこうかとんもの形も切り出します。これらは紐で繋げて飾りにします。

Katagami

次に、こうかとんの姿を想像しながら型紙を作り、チャコペンで布に書き写してから幅1cmの縫い代をつけて布を裁ちます。ミシンでチャコペンの曲線に沿ってどんどん縫っていき、裏返してから綿をいれました。

Img_20201008_190839

上の写真は左から右にかけて徐々に型紙を改良しながら制作したこうかとんたちです。写真上はわかりづらいですが、最初は顔が円筒形になって頬のふくらみが足らなかったりしたので、型紙の面積やパーツ数を調整していきました。

 

Kazari04

次は片柳研究棟(通称:片研)です。これもなんとぬいぐるみ化します。そのためにこちらも型紙を生地に移してカットします。今度は縫い代は作らないことにして、展開図通りにカットすることにします。

Nuigurumi03 

展開図の折り目(図形の辺)にあたる部分は端から1mmほどのところでミシンで波縫いをしてしっかり折り目が付くようにしてみました。しかし、自分の技術不足と縫ったぶん図形の面が細くなってしまったためうまく成型できていません。

Nuigurumi01

その後何回か制作を重ね、型紙や縫う順番などを工夫することで歪みが少ない片研になってきました。上図は左から右へと制作を繰り返した結果の比較です。

Nuigurumi05

片研(3Dプリンタによる模型)を肩に載せる片研(ぬいぐるみ)。

Kazari02Kazari03

以上3種類の飾りを研究棟C(C318)の廊下に飾り付けます。

 Kazari05jpg

どうでしょうか。普段の校舎がちょっと楽し気になっていませんか?

メディア技術コース 越智

 

 

音に関係する小説 (3)

2020年10月15日 (木) 投稿者: メディア技術コース

少し間があきましたが、「音」の本の紹介を続けます。第3回は、ちょっと捻って「雑音」に関する小説です。

音声や音楽と違って、雑音というのはあまりロマンを感じさせる要素もなく、小説になりにくい題材ですね。そんな中で私が紹介したいのは、1971年に広瀬正によって書かれた「ツィス」という小説です。

ツィスというのはアルファベットで書くと"Cis"で、「嬰ハ」とも呼ばれる音の高さの表記です。とある都市で、耳鳴りのようにこの音が聞こえるという人が現れ、その人数が少しずつ増えていきます。特定の高さを持つ純音ですから、雑音といっていいのかどうかわかりませんが、その音がだんだんと大きく聞こえるようになり、多くの人が不快に感じるのですから、やはり雑音の一種といっていいでしょう。

音の原因はわからぬまま、社会はこの音から逃れる方策を探していきます。その様子は、ウイルスから逃れようとする社会を描いているかのようで、ある種のパンデミック小説として読むこともできるでしょう。古い小説ですが、そういう意味でも2020年にあらためて読み直す価値のある小説ではないかと思います。

(大淵 康成)

バンドデシネ・博士課程学生の憂鬱(本の話 #3)

2020年10月14日 (水) 投稿者: メディア技術コース

 バンドデシネ(bande dessinée)ってご存知でしょうか?簡単にいうとフランスの漫画です。本の話#2で、アメリカの新聞に掲載されるコミック・ストリップの話題を書きましたが、それに続いて漫画の話第二弾です(でも漫画ばかり読んでいるわけではありませんよ…)。

 

バンドデシネと日本の漫画の違うところは、大人向けだというところです(変な意味ではなく…)。もちろん日本の漫画も大人が読みますし完全に大人向けのものもありますが、漫画というジャンル自体は子供が読むものとしてスタートして発展してきたのではないでしょうか(ですよね?)。バンドデシネは、そもそも大人向けのものとしてあるようです。それに伴って色々な違いがあります。バンドデシネの作品は大型のハードカバーの本で、一年に一巻のペースででるようなもののようです。オールカラーのものもあるようです。また、コマ割りは日本のマンガのように色々な形や大きさがあって、それ自体が表現手法の一つとなっているかと思いますが、バンドデシネは基本的に長方形に区切られているだけです。映画になった作品も多くあるので、原作をしらなくても名前を聞いたことがあるものも多いのではないでしょうか(タンタンの冒険、スノーピアサー、ヴァレリアン、…)。日本のマンガに比べてセリフ、というか文字が非常に多いようにも思います。最近はマンガの影響で文字が少ない作品もあるようですが、タンタンなんて文字がびっしりで、老眼だとハ◯キルーペみたいなメガネ(コンビニで数百円で買ったやつ)無しでは全く読むことができません。

 

Img_3650

 

今日はそのなかでも、最近見つけた本を紹介いたします。原書ではなく日本語に翻訳されたものですが(原語を購入しようとすると郵送料も含めて非常に高価)「博論日記」という作品です。「博論」とは博士論文のことですね。博士号をとるには大学を卒業して、大学院の修士課程を2年経て、その後3年(早くて)かかるとされているものですが、フランスにおける博士課程の学生の奮闘と悩みと絶望と…、を書いたものです。やはり大学の教員として、自信もかつて行ったこともありますし、現在指導をしている学生も居るということでこのテーマには興味を持ちました。これを読むと国は違っても大学院生の生活や悩みなど共通していることが多いのだと思います。一方で、教授が全然学生の面倒をみなくて楽そうだなあと思ったり(でも、自分の経験を振り返ってみるとそんなものだった気がしますね…)。この作品の主人公はかなり不当な扱いを受けているように見えますが、自分自身でも研究のプレッシャーで周りの人(特に彼氏、主人公は女性です)にあたるようにもなっていき、人間関係がうまくいかなくなっていきます。博士課程に入った学生達の入学時と終了時の顔がRizapの前後を逆にしたような感じで描かれてもいます。

 

Img_3647 Img_3649

Img_3648 

年を経るたびに顔がくたびれていく院生達

 

 

この作品の絵はけっしてうまいものではないですが、バンドデシネの作品は綺麗なものが多いように感じます。また、大人向けということで、アメリカンコミックのようなヒーローものよりもストーリー的に凝ったものが多かったり、テーマも多彩だと思います。残念なのは、日本から入手するのが少々高価であるということです。今は電子版もあるようですから、試してみようと思っています。

 

一方、フランスでは日本のマンガやアニメが大流行ですね。何年か前にパリで行われるJapan Expoという催しに参加したことがあるのですが、日本のマンガが盛大に売られている会場をコスプレしたフランス人が大量に闊歩していました(フランス人がヲタ芸?もしていました。見ものでした)。バンドデシネはあっても日本のマンガのようなジャンルがなかったということかもしれません。最近では互いに影響を受けた作品が発表されているようで、日本のマンガのような表現(多様なコマ割りや絵を中心にした表現)のバンドデシネがでてきたり、バンドデシネのような絵柄の日本の作品がでています。

 

(ネタばれ)

さて、博論日記の主人公は7年かけて博士号を取得できたように見えるところで終わりますが、その先の未来が明るい兆しがあるようには描かれていません。何年かを実社会の経験を積むのではなく学問的な追求に何年も費やして、その先にどのような可能性があるかということについてはこの作品ではむしろ曖昧で、むしろさらなる困難が待っているような感じを匂わせて終わってしまいます。そうしたことは今の日本でも似たような状況があるかもしれません。しかしながら、何の仕事であれ、資格さえとれれば何とかなるわけではないということの一部なのかもしれません。

 

 

 

太田高志

 

 

 

私の聖地巡礼(その2、日はまた昇る…)

2020年10月13日 (火) 投稿者: メディア技術コース

以前、聖地巡礼というテーマで記事を書きましたが、シリーズ化を目指して(?)今回はヘミングウェイの「日はまた昇る」からです。この本に以下のような記述があります。

 

“We lunched up-stairs at Botin’s. It is one of the best restaurants in the world. We had roast young suckling pig and drank rioja alta. Brett did not eat much. She never ate much. I ate a very big meal and drank three bottles of rioja alta. …”

 

P.249, l26 — 29, The Sun Also Rises, Eranest Hemingway, Scribner

 

 

ボティンの二階でランチを食べた。ここは世界でも有数のレストランだ。若い子豚のローストを食べて、リオハ・アルタを飲んだ。ブレットはあまり食べなかった。彼女はそもそもあまり食べない。私はたらふく食って、リオハ・アルタを3本飲んだ。…”

 

てな感じでしょうか。このボティンというのは、スペインのマドリードにあるレストランで、世界最古のレストランとしてギネスに認定されているとあります。しかし調べると、世界にはそれより古いレストランがいくつもあって、これは申請したもの勝ちというようなもののようですね。ということで行ってきました、Botin。もちろんわざわざこれに行くためにスペインに行ったわけではなく、行く機会があったときに行ったからには寄らなくちゃ、ということで日本からあらかじめ予約いたしました。

 

私は大体においてテレビ番組や本やマンガに現れることに影響されて、すぐに食べたくなったり飲みたくなったりします。ということで当然飲み食いいたしました。子豚のロースト(丸焼き)とリオハ・アルタ(赤ワイン)。店の2階に案内されると、店員が隅のほうのテーブルを指差して、そこにヘミングウェイが来てたんだと教えてくれて、俄然興奮度が増していきます。

 

豚のローストは結構なでかさです。これは家族全員で1つで良かったな、と後から思いましたが人数分頼んでしまいましたよ。興奮でちょっと判断が鈍くなっておりました。味も、味は、正直言ってうますぎて死ぬ、ということは全くありませんでした。子豚の丸焼きとはこういうものか、という新たな知見を得た、という感じ。ワインは普通に美味しかったですが、神の雫とまでは感じませんでした。しかしながら「日はまた昇る」の最後のシーンに自分もいるようなことを思い浮かべながら食事すると、味がどうのよりもその経験はやはりそれなりの感動があるものだったと思います。そういう興奮度が少しは調味料にもなりますね。ちなみに担当だった店員がひどく愛想がよくて、楽しく過ごせたのもよかったです。

 

今回は写真がありましたので、子豚の丸焼きの写真など

 

20190906_162855 20190906_150541

Botinの外観と内部

 

 

20190906_152641 20190906_152616

丸焼きを切り分けています…

 

Img_2153  Img_2148

そして、これが丸焼きとリオハのワイン

 

 

太田高志

 

スマホアプリは面白い(カメラ編①)

2020年10月12日 (月) 投稿者: メディア技術コース

5年前から新しい研究テーマを始めた健康メディアデザイン研究室の千種(ちぐさ)です。人体を健康メディアとしてとらえメディアをつかって自らの健康をデザインするための研究を行っている研究室です。

皆さんはスマートフォンのカメラアプリを色々と使っていますでしょうか?顔画像に帽子をかぶせたりするSNOWは有名ですね。このSNOWは高精度の顔画像認識機能を使用してイラスト画と顔画像をぴったりと重ね合わせるAIを使用した技術です。この路線で1つアプリを紹介したいと思います。

第1弾として、Google レンズという無料アプリを紹介します。単なるカメラでなくAI機能付きのスマートフォンカメラアプリといった感じのものです。

Google

例えば印刷された文字をスマートフォンのカメラで撮影(左図)して文字認識(中央図、右図)することができます。

Ocr

また建物の写真を撮影して、位置情報を使わないで、画像情報のみで、建物の名前(左図、高尾山口駅)を認識(右図)することができます。

Photo_20201008154901

これらも含めた機能として、翻訳、文字、検索、宿題、ショッピング、場所、食事、の認識が可能です。皆さんもぜひとも使ってみてはいかがでしょうか?そして、新しいアイデアのスマートフォンアプリを企画できるのもメディア学部のひとつの方向性です。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その5

2020年10月11日 (日) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
今回紹介するのはこの映画です。

 --

Shall we ダンス(1996)』

【監督】
周防正行

【脚本】
周防正行

【参考URL
https://movies.yahoo.co.jp/movie/152763/story/

【あらすじ】
真面目だが無趣味で無気力な中年サラリーマンの杉山正平は、ある日の仕事の帰りに、物憂げな表情を浮かべて窓際にいたダンス教室経営者の娘・岸川舞に惹かれ、レッスンを申し込む。

何度か初心者レッスンを受けていたところ、いつもの先生が休みとなり、舞が代理を務めることになった。正平はこれ幸いと、レッスン後に舞を食事に誘ったが、不純な気持ちはあっさり見抜かれ断られてしまう。しかし、ダンスの楽しさに気づき始めていた正平は、舞のこともふっきれて練習に打ち込むようになり、アマチュア大会へ出場するまでになった

大会の当日、順調に勝ち進んでいく正平だったが、密かに応援に来ていた家族からの声援に動揺、パートナーのドレスを踏みつけて転倒、敗退となってしまった。正平はダンス教室通いを秘密にしていたことを家族に謝罪し、以後はダンスに関わらないことも約束する。

再び無気力なサラリーマンとなっていた正平に、舞からの手紙が届く。そこには、舞は正平がダンスに打ち込んでいる姿に励まされ、一度失敗した海外でのダンス大会に再び挑戦する決意をし、日本で最後にダンスパーティを開くので来て欲しい、と書かれていた。

出席はしないつもりだった正平だが、またダンスを続けて欲しい、と家族から背中を押されたこともあって、パーティ終わり際の会場に間に合い、正平は舞とのラストダンスを踊ることができた。

--

当時この映画は大ヒットしただけでなく、社交ダンス人気を引きおこすなど、非常に話題となりました。また、いまでこそ海外での多数放映も珍しくありませんが、当時としては珍しく19カ国で公開され、内容も高い評価を得て、後にアメリカ版「Shall We Dance?」が制作されています。この作品の視聴をオススメする理由も、そこに関係があります。

登場人物の設定や、舞台となる世界観こそ、当時の日本そのものですが、海外の人間でも内容を容易に理解することができ、楽しめる作りになっていることが、この作品の優れている点です。ダンスという海外でも受け入れやすいモチーフを扱っていることはもちろん、主人公の抱えている問題の数々が明確で、それらを綺麗に解決して結末を迎えるストーリー展開は見事です。

シナリオを制作するうえでは、なんとなく奇抜な人物設定や独自の世界観を盛り込みたくなるものですが、平凡な人間が、身近な問題を解決するだけでも、世界中で幅広く受け入れられる作品に仕上げることは可能なのです。

今回あらすじには書かなかった主人公以外の登場人物も大変魅力的ですので、是非実際に見て欲しい作品です。

(文責:兼松祥央)

後期プロ演「シナリオ・キャラ」スタート

2020年10月10日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.

後期が始まってから1週間と少し経ちました.
私が担当しているプロジェクト演習「シナリオアナリシス 」と「デジタルキャラクターメイキング」もそれぞれ初回が終わり,それぞれ受講生も固まったところです.
後期はどちらの演習も,前期と比べて座学少なめ,実制作多めの配分で実施します.したがって基本的にはZoomを使ったリアルタイムの授業です.ただ,一部の授業で対面授業が始まり,学生のみなさんがキャンパスに来る機会も徐々に増えてきたということで,私のプロジェクト演習でも対面でも受けれる形を模索しています.

前期の最後に受講生に行ったアンケートでも,後期も全て遠隔で受けたいと答えた方が半数いる一方で,もう半数は「少なくとも1回以上は対面で受けたい」と答えていました.
その中には「遠隔でのアドバイス・指導に不満はないが,対面ならもっと濃いディスカッションができそう」と言う旨の理由を書いてくださる方も多く,私たちとしても初めての遠隔授業の試みがある程度うまく行ったのかなと思う一方で,「作品について熱く語りあう!」をテーマにしている以上,やはり対面でのやり取りも望まれていることを痛感した結果になりました.

そこでこれら二つの演習では,第一回目に教員は教室から授業を行い,それを同時配信する形を試してみました.
学生は遠隔で受講できますが,他の授業などでキャンパスに来ている学生や,直接我々と話したい学生は教室に来ても良いという形ですね.
キャラクターメイキングのほうは実際に教室に来た学生はいませんでしたが,シナリオアナリシス では数名の学生が教室に来てくれました.
まだ第一回目は学生の発表やディスカッションは行っていないので,今後うまくいくかどうかはまだわかりませんが,同時配信も私たちにとって初めての試みですので,受講生の希望を聞きつつ,色々試して行こうかなと思っています.
ちなみに私としては,私の話に対する演習講師の先生のリアクションが直接みれたり,またその逆もあったりして,やはり対面のほうがやりやすい面も多いなと感じました.

なお,後期も遠隔で受けたいと回答した方の中には,やはり授業時間(19:00スタート)や,通学時間を気にしている方が多かったです.授業時間については外部の演習講師の先生をお招きしている都合上,日中に実施するのは非常に難しいですが,遠隔でも遜色なく受けれるように今後も工夫していくつもりです.

(文責:兼松祥央)

フレッシャーズゼミ後期

2020年10月 9日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース

コンテンツコースの椿です。

今日はフレッシャーズゼミについてご紹介します。

フレッシャーズゼミは1年生の前期と後期にある必修の授業です。少人数のクラスに分かれ、各クラスに担当の教員がつき、ホームルームのような意味合いもあります。毎回、決まったテーマに基づいて活動しますが、他の授業とは異なり、和気あいあいと楽しく行うものです。

例年、後期のフレッシャーズゼミではフィールドワークを行っていましたが、今年度は社会状況を鑑み、キャンパス外での活動を断念しました。代わりに、これまでとは異なる新しい活動を取り入れています。今週のテーマは、メディア学部教員の研究紹介でした。教員が作成した研究紹介ビデオを視聴した後、各クラスでそのテーマについて議論を行うというものです。

3人の先生がご協力下さり、以下のタイトルのビデオができました。
・身近なコンテンツ系AI~スマホアプリのAIサービス~
・映像コンテンツにおける演出・シナリオ・キャラクター制作支援に関する研究
・印刷で作るユーザインタフェース・インタラクティブオブジェクト

このように、ビデオタイトルを並べただけでも、メディア学部で扱う分野の多様性が想像できると思います。
また、ちょっと笑える部分もあり、フレッシャーズゼミでの視聴にぴったりのビデオになっています。

すでに視聴した1年生の皆様、いかがでしたでしょうか?
後期のフレッシャーズゼミでは、今後も教員の研究紹介を行います。
今後もどうぞお楽しみに。

シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その4

2020年10月 8日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

ここ数回は「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」として、「主人公が最後に死ぬ作品」やら「恋愛が成就しない作品」やらを挙げていたので、純粋にハッピーエンドを迎える作品を紹介しようと思います。
今回紹介するのはこの映画です。

 --

『グーニーズ(1985)』The Goonies

【製作総指揮】
スティーヴン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
キャスリーン・ケネディ

【監督】
リチャード・ドナー

【脚本】
クリス・コロンバス

【参考URL
https://movies.yahoo.co.jp/movie/6207/


【あらすじ】

 アメリカの田舎町に住む、主人公マイキーを含む4人組グーニーズは、マイキーの家の屋根裏で、地元に伝説の残る海賊ウィリーが残した財宝の在り処を示す地図を発見する。それは折しも多額の借金によってその家を明け渡す前日のことだった。

 マイキーたちは地図を元に、宝を求めて営業休止中のレストランにたどり着いたが、偶然にもそこは数日前に刑務所を脱獄したギャング「フラッテリー」たちの隠れ家になっていた。

不幸にもギャングたちに財宝の存在を知られてしまったマイキーたちは追跡をかわしながら、レストラン地下に広がる洞窟を捜索することになる。

 海賊ウィリーが財宝を守るために仕掛けた数々のトラップを、仲間たち全員の知恵と能力を駆使して突破したマイキーたちは、ついに海賊船と、そこに隠された金銀財宝を見つけだした。しかし同時にギャングたちにも追いつかれ、口封じのために殺されかける。

 しかし、ギャングたちが欲張って全ての財宝を持ち去ろうとしたため、最後のトラップが発動。海賊船が動き出し、混乱に乗じてマイキーたちはギャングたちからの逃走に成功し、洞窟から生還する。

 マイキーたちが密かに隠し持って帰った財宝は借金の返済に十分な価値をもつ宝石の数々。マイキーたちグーニーズは解散の危機を乗り越えたのだった。

--

この作品のシナリオが優れている点は、主人公マイキーと同じ年頃である10代の少年が、心ときめかせる要素満載で制作されていることです。某・週刊少年マンガ誌で現役の看板漫画は、大海賊の残した財宝をめぐる冒険作品ですが、35年前の作品である、このグーニーズでも主人公の少年は海賊の残した財宝を探し出すべく出かけます。

世界をまたにかける冒険ではありませんが、本来、親たち大人の問題である「多額の借金」を子供である自分たちが「海賊の財宝」によって解決しようと試み、見事成し遂げるというストーリーもまた痛快です。

映画内の財宝捜索の過程において遭遇する数々のトラップは、さすがに現在の映像に比べると古めかしいところがありますが、当時の子供達は、自分たちならどう突破するかを想像し、さながらテーマパークのアトラクションを楽しむような内容で、当時はとても好評でした。

メディア学部の演習「シナリオアナリシス」に参加する学生には、自作のシナリオのターゲットとして「10代の若者」を設定する人が多いのですが、今の「10代の若者」が視聴したとき、彼らが興味をもって楽しむ要素が何なのか把握できていない場合が、よくあります。

海賊をネタにすればいいというわけではありませんが、世代や時代を問わず愛されるモチーフが何なのか、逆に世代や時代に合わせたモチーフは何なのか、既存の映画作品から学べることはたくさんあると思います。

(分析:兼松祥央)

2020年3月に卒業された卒業研究「プロダクトデザイン」のポスター紹介 その3

2020年10月 7日 (水) 投稿者: メディアコンテンツコース

コロナ禍の中、後学期が開始となり、演習・実験・ゼミなどの少人数授業は対面授業が再開されました。いろいろと心配なことはありますが、1年生とはじめて直接お会いでき、私も嬉しかったです。1年生どうしも直接会えることにホットした様子でした。今後、感染状況が悪化しないことを願うばかりです。

さて今日は、腰塚さん、関川さん、田代さんのポスターを紹介します。

1_20201005172101

腰塚さんは、両親の共働き世帯の方が圧倒的に多い今、子供が家のカギを持ち歩き、管理する必要があることの課題に着目しました。まずは携行のための保持位置についての可能性について洗い出した後、現行製品を調査し、保護者へのヒアリングを行いました。その結果、いろいろな意味での安全感が求められていることが分かり、むしろよく見えて周囲が見守る意味でも安全感が高い上腕部に装着するホルダーのデザイン提案を行いました。

関川さんは、小物を整理するオーガナイザーはユーザーごとに整理整頓したいものが異なるにもかかわらず、ほとんどの製品のデザインが画一的である問題を指摘しました。そこで、置き場所や大きさなどのアンケート調査を行い、置き場所に応じた使い方ができることが求められていることを確認しました。このことを踏まえ、正方形(立方体)のプリミティブ形状を単位ユニットとしたカスタマイズ可能なオーガナイザーのデザイン提案を行いました。

田代さんは、スマホの使用時間が長くなった今、ホールドし続けることによる指や腕への疲労問題に着目しました。これを改善するための現行製品がいくつかあることは示し、長時間ホールド時の不満についてのユーザーアンケートを行いました。これらを踏まえ、スマホの長時間使用時に、目的に応じたサイズや位置で取り付けることができるスマホのオプションパーツをデザイン提案しました。提案物は簡易模型でも表し、疲労軽減効果を確認しました。

メディア学部 萩原祐志

後期授業が始まりました!

2020年10月 6日 (火) 投稿者: メディアコンテンツコース

メディア学部の伊藤(謙)です。

9月28日(月)から後期授業が始まり、1週間が経ちました。

前期の授業は「遠隔」(卒業研究や大学院での指導は後半から一部対面もあり)でしたが、この後期は「対面」「遠隔[リアルタイム or オンデマンド]」「対面+遠隔[リアルタイム]」の主に3つの開講形態となります。これにより1年生も晴れて大学の中に入ることができて、まさしく「入学」となったわけですね。その喜びに満ちた新入生の表情を見て、私もとても嬉しい気持ちになりました。

このように対面授業が行われるようになったのは喜ばしいことですが、授業によって開講形態が異なるといろいろと大変なこともあります。

例えば前の授業が「対面」で次の授業「遠隔」の場合、遠隔授業を受ける場所の問題が出てきます。そうした学生のために、学内で遠隔授業が受けられるよう開放教室を設けています。また、対面授業でも、大学に来られない学生が遠隔で受けられるように配慮しています。それでも、履修する科目の組み合わせによってはタイトなスケジュールになってしまうことや、科目の性質から学内での遠隔受講が難しく、大学から急いで帰宅して自宅で遠隔受講するケースもあるようです。

私の担当科目ですと、『卒業研究』は「対面」、『音楽創作論』は「対面+遠隔[リアルタイム]」、メディア専門演習『作曲演習』やプロジェクト演習『和声』、先端メディア学・ゼミナール『ミュージック・アナリシス&クリエイション」は『遠隔[リアルタイム]』といったように開講形態がまちまちです。特に『和声』ではマンツーマンによる遠隔での指導上、自宅の機材を使用する必要があるため、和声のレッスンが入っている日は自宅と大学を往復することになりました。まだ後期授業が始まったばかりで頭も体もペースを掴み切れていない状態ですが、徐々に慣れてくるでしょう。

季節の変わり目で、普通に過ごしていても体調を崩しやすい時期ですね。体調に気をつけながら、学生の皆さん一人ひとりが少しずつ後期授業に慣れて有意義な時間を過ごせるよう心から願っています。

(文責:伊藤謙一郎)

専門演習「CGアニメーション」の紹介

2020年10月 5日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

皆さんこんにちは。メディア学部 特任講師の川島です。
今回は、私の担当する専門演習「CGアニメーション」の取り組みについて紹介します。
この授業では、アニメーションのキー技術であるモーションキャプチャ技術を学び、それをフル活用した作品制作を行います。東京工科大学はプロレベルの大規模なモーションキャプチャスタジオを運用している数少ない大学の1つで、この授業ではその施設を活用し、実際にここで制作してきた劇場映画やゲームコンテンツの制作ノウハウを学ぶことができます。
…例年ならばここまで書いたとおりで、以前もその取り組みを紹介したのですが、今年度前期はコロナ禍で授業をオンラインで行わざるをえない状況となり、モーションキャプチャスタジオを使うことができませんでした。その点は非常に残念だったのですが、前期授業ではスタジオこそ使わないものの、Adobe社の提供するモーションキャプチャデータライブラリ"Mixamo"を活用のうえ、モーションデザインのテクニックを重点的に学ぶ授業としました。履修者は在宅の慣れない環境で苦戦しながらも、それぞれ個性あふれる力作を作り上げました!
この授業ではCGモデルの美術的な完成度の追求には時間をかけず、プロのセオリーを学んだうえでアニメーションにひたすらこだわります。そのため、ぱっと見のヴィジュアルは少し荒削りに見えるかもしれませんが、キャラクタの動きや、ストーリーを伝える工夫が凝らされています。そういった点に注目してみてください!
では、作品をどうぞ!

文責:東京工科大学 メディア学部 川島基展

 

 

 

 

 

 

ライブのインターネット配信

2020年10月 4日 (日) 投稿者: メディア社会コース

みなさんこんにちは。

社会コースの進藤美希です。

ライブの配信は、では、いったい、いくらくらいで行われていたのでしょう1000円~5000円の価格帯で行われることが多かったようです。この価格については試行錯誤の真っ最中で、いくらにしたらいいのか、みんなで検討しているところということができます。

ライブのインターネット配信

2020年10月 3日 (土) 投稿者: メディア社会コース

みなさんこんにちは。

社会コースの進藤美希です。

こうしたライブの配信は、リアルな劇場での公演ができないことによる減収を補いビジネスとして実施するためには、基本的には有料配信でなければなりません。以前は、インターネット上で提供される映像コンテンツは無料であるという観念があり、有料配信には困難が伴いましたが、近年では、ネットフリックスなどの有料配信が普及したことなどもあり、生活者の意識も変わり、有料配信が可能になっているということもあります。

ライブのインターネット配信

2020年10月 2日 (金) 投稿者: メディア社会コース

みなさんこんにちは。

社会コースの進藤美希です。

ライブ・エンタテインメントのビジネスでは、観客を迎えて作品を見せて入場料を得てきました。しかし、コロナ禍による緊急事態宣言のため人々の外出が難しい状態になったため、インターネットを用いた配信が広がりました。最初のころは過去の公演映像をオンデマンで無料配信する団体が多く見られましたが、その後はライブ映像をリアルタイム配信する団体が増えてきました。

ライブのインターネット配信

2020年10月 1日 (木) 投稿者: メディア社会コース

みなさんこんにちは。

社会コースの進藤美希です。

きょうは、コロナがどのようにライブ・エンタテインメント市場に影響を与えたかについてお話します。ライブ・エンタテインメントの市場規模は昨年2019年には6295億円でしたが、2020年は1836億円となったと試算されています(ぴあ総研、2020)。対前年度比で70%市場が縮小したことになりました。これは、業界そのものがなくなってしまうほどのインパクトであり、危急存亡の秋であったということができるでしょう。

« 2020年9月 | トップページ | 2020年11月 »