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シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その4

2020年10月 8日 (木) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

ここ数回は「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」として、「主人公が最後に死ぬ作品」やら「恋愛が成就しない作品」やらを挙げていたので、純粋にハッピーエンドを迎える作品を紹介しようと思います。
今回紹介するのはこの映画です。

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『グーニーズ(1985)』The Goonies

【製作総指揮】
スティーヴン・スピルバーグ
フランク・マーシャル
キャスリーン・ケネディ

【監督】
リチャード・ドナー

【脚本】
クリス・コロンバス

【参考URL
https://movies.yahoo.co.jp/movie/6207/


【あらすじ】

 アメリカの田舎町に住む、主人公マイキーを含む4人組グーニーズは、マイキーの家の屋根裏で、地元に伝説の残る海賊ウィリーが残した財宝の在り処を示す地図を発見する。それは折しも多額の借金によってその家を明け渡す前日のことだった。

 マイキーたちは地図を元に、宝を求めて営業休止中のレストランにたどり着いたが、偶然にもそこは数日前に刑務所を脱獄したギャング「フラッテリー」たちの隠れ家になっていた。

不幸にもギャングたちに財宝の存在を知られてしまったマイキーたちは追跡をかわしながら、レストラン地下に広がる洞窟を捜索することになる。

 海賊ウィリーが財宝を守るために仕掛けた数々のトラップを、仲間たち全員の知恵と能力を駆使して突破したマイキーたちは、ついに海賊船と、そこに隠された金銀財宝を見つけだした。しかし同時にギャングたちにも追いつかれ、口封じのために殺されかける。

 しかし、ギャングたちが欲張って全ての財宝を持ち去ろうとしたため、最後のトラップが発動。海賊船が動き出し、混乱に乗じてマイキーたちはギャングたちからの逃走に成功し、洞窟から生還する。

 マイキーたちが密かに隠し持って帰った財宝は借金の返済に十分な価値をもつ宝石の数々。マイキーたちグーニーズは解散の危機を乗り越えたのだった。

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この作品のシナリオが優れている点は、主人公マイキーと同じ年頃である10代の少年が、心ときめかせる要素満載で制作されていることです。某・週刊少年マンガ誌で現役の看板漫画は、大海賊の残した財宝をめぐる冒険作品ですが、35年前の作品である、このグーニーズでも主人公の少年は海賊の残した財宝を探し出すべく出かけます。

世界をまたにかける冒険ではありませんが、本来、親たち大人の問題である「多額の借金」を子供である自分たちが「海賊の財宝」によって解決しようと試み、見事成し遂げるというストーリーもまた痛快です。

映画内の財宝捜索の過程において遭遇する数々のトラップは、さすがに現在の映像に比べると古めかしいところがありますが、当時の子供達は、自分たちならどう突破するかを想像し、さながらテーマパークのアトラクションを楽しむような内容で、当時はとても好評でした。

メディア学部の演習「シナリオアナリシス」に参加する学生には、自作のシナリオのターゲットとして「10代の若者」を設定する人が多いのですが、今の「10代の若者」が視聴したとき、彼らが興味をもって楽しむ要素が何なのか把握できていない場合が、よくあります。

海賊をネタにすればいいというわけではありませんが、世代や時代を問わず愛されるモチーフが何なのか、逆に世代や時代に合わせたモチーフは何なのか、既存の映画作品から学べることはたくさんあると思います。

(分析:兼松祥央)

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