ディジタルスクラップブックという研究テーマ その4
2020年10月30日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん,こんにちは.メディア学部助教の兼松です.
本日も私の研究の主軸となっている「デジタルスクラップブック」について紹介します.
以前までには照明・ライティングに関するスクラップブックを紹介しましたので,今日はカメラワークのものを紹介します.
[王 晨,兼松祥央,茂木龍太,三上浩司,近藤邦雄, CGアニメーション制作のためのカメラワークスクラップブックの開発, 映像情報メディア学会・画像電子学会・芸術科学会,映像表現・芸術科学フォーラム,2014.3 ]
この研究では既存の映像作品を分析し,「カメラの動かし方・移動経路」に特化して分析を行いました.
カメラワークを設計するということは,キャラクターなどの被写体が画面上でどのサイズでどのように見えるか,どの範囲を写すかといった,画の構成を考えることです.そこで,カメラワークの分析や分類というと,書籍などでよくあるのはパンやドリーといったカメラの操作方法・手法で分類する方法です.これに加えて三分割法なども踏まえて画面の構図の作り方が紹介されるケースが多いです.
既存作品の例とともに,このような手法・考え方を解説する記事はカメラワークの勉強はもちろん,インスピレーションを得るという意味でも大変興味深いものです.しかし,私たちがデジタルスクラップブックで目指している「様々な手法をとっかえひっかえ試してみながら,自分の作品に適した手法を模索していく」という点においては課題が残ります.なぜならパンやドリーなどはあくまでも「カメラを水平方向に首振りさせる」といったような大雑把な概念でしかないからです.したがって大雑把な区分はできますが,自分の作品にあったカメラワーク を探すという意味では使いづらさが残ります.
そこでこの研究では,被写体に対してカメラがどのような経路で移動したか,そしてそのスピードなどのデータを取得し,ライブラリ化しました.
その後,この研究をベースとして,さらに特定のシチュエーションや要素に絞って分析した研究などもあります.これはまた別の記事で紹介したいと思います.
(文責:兼松祥央)
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