シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その7
2020年11月20日 (金) 投稿者: メディアコンテンツコース
みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。
今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
今回紹介するのはこの映画です。
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『ルパン三世 カリオストロの城(1979)』
【監督】
宮崎駿
【脚本】
宮崎駿、山崎晴哉
【参考URL】
https://movies.yahoo.co.jp/movie/146948/
【あらすじ】
偽札をつかまされたことをきっかけに、その製造元であるカリオストロ公国入りしたルパン一味。ルパンはそこで出会った、カリオストロ公国の姫クラリスから謎の指輪を託される。
偽札や指輪の謎を探るため、カリオストロの城に潜入したルパンは、苦労の末、いったんはクラリスのもとにたどり着いた。しかし、ルパンは指輪を奪い取ろうとしていたカリオストロ伯爵の罠にはまリ、撤退を余儀なくされてしまう。
数日後、周到な準備を整え、再びカリオストロの城に挑んだルパンは、偽札製造を明るみにして伯爵をおいつめ、クラリスと指輪を取り返した。
クラリスの一族に代々伝えられてきた言葉に従い、指輪が鍵となったからくりが作動すると、水門の崩壊とともに城を囲んでいた湖のそこから古いローマの町並みが現れた。指輪に秘められた謎の正体とはこの遺跡だったのである。
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『ルパン三世 カリオストロの城』は、2020年11月20日の日テレ金曜ロードSHOW!の放送で、通算TV放映回数が17回目になるとのことです。(日テレ以外での放送含む)
もはや見たことがない人の方が少ないかもしれませんが、言い方を変えるなら「誰でも見たことのある作品」として扱われ、シナリオライター同士の話題に当然の如く出てきます。まさに「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」と言えるでしょう。
さて、それだけ何度も放映されてきた本作は、宮崎駿初監督作品というメモリアル的な存在であるだけでなく、シナリオの面でも内容がとてもよくまとまっています。
優れているポイントをいくつか挙げるなら、「数々の困難を乗り越え、さらわれた姫を助け出し、最後には宿敵を打ち倒す」明快なストーリー。漫画原作およびTVアニメシリーズの実績が前提としてあるものの、初めて見る者にも魅力が分かりやすく表現されたキャラクター。そして、それらを2Dアニメーションならではの誇張と省略によって描写する演出、など。
東京工科大学メディア学部で映像コンテンツ向けシナリオの研究が始まったのは、もう20年近く前のことですが、「ルパン三世 カリオストロの城」は、その最初期に分析した作品の一つで、その後も様々な形で取り上げられています。
最初は「どうしてこの作品は面白いのだろう」「なぜ何度も放映されるほど人気なのだろう」といった、単純な疑問から出発し、やがてその理由を探っていった結果、前述したような「ストーリー」と「キャラクター」そしてそれらをつなぐ「演出」の重要性に行き着くことになりました。
最後に余談ではありますが、東京工科大学の大学院には、ルパン三世の原作者であるモンキー・パンチさんが生前、社会人修士として入学しており、20年前はまだまだ紙媒体が主流だった漫画に対し、デジタル化された漫画の表現と可能性について論文をまとめ、修了していきました。
そういう意味でもルパン三世は東京工科大学と縁のある作品です。
(文責:兼松祥央)
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