VR演習再び…
2020年11月25日 (水) 投稿者: メディア技術コース
VRコンテンツデザインというプロジェクト演習があります。VRコンテンツということでHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を使って行うのですが、前期は御存知のようにコロナのせいでリモート授業になってしまい、機材を利用しての演習ができませんでした。しかーし、後期になってようやくキャンパスでの演習が実施できるようになったので、この演習もHMDを利用することを再開いたしました。コンテンツ自体はUnityという環境を使って行います。Unityによるコンテンツ開発は受講している学生の多くがclusterという環境で前期でも行ったので、今度はプラットフォームが違うだけとも言えますが、やはり自分で作成したものをHMDで見ることができると、PCのディスプレイで見るのとは違った感動があるようです。また、やはり演習中に学生が互いに相談や雑談ができるのはいいですね。
演習の様子:密をなるべく避けるようにして…
この演習では単に技術的に作品を作れるようになることを目指しているのではありません。むしろ、技術的にはごく簡単な内容のみを学びます。Unityで作成した3DコンテンツをHMDにインポートする方法、それから3Dワールド内を移動する方法、そしてモノ(オブジェクト)を掴んで持ち上げたり投げたりする方法です。これだけで、ちょっとしたアイデアのコンテンツを作ることができます。この程度の簡単な内容を学んだ後、「面白い」コンテンツのアイデアを企画し、それを最終課題として作成します。
さて、「面白い」コンテンツの発想が学生にとっては難しいところのようです。今回は特定の動詞をテーマとして各自選択し、その言葉から作品を考えるという課題です。動詞をテーマとする、とは「彷徨う」とか「かがむ」とかの言葉を自分で選んで、それに沿った作品の企画を考えるということです。これがなかなか難しいようで、「撃つ」を選んでシューティングゲームとするようなアイデアが大半を占めてしまいました。動詞として面白くなりそうなものをまず選ぶのが「面白い」テーマを作るための第一歩だと思いますが、観察していると、作るものとしてよく知っているゲームを思いつき、そこから逆にテーマの「動詞」を決めているような人も多そうです。こうした演習だとコンテンツ開発の「技術」を学ぶと考える人が多いかもしれませんが、メディア学部としては、VRという技術を新しいプラットフォームとしたコンテンツとして、新しいアイデアを提案できるようになってほしいと思っています。したがって、ここではそうした企画の立案プロセスをこの演習で学んで欲しい大きな目標の一つとしています。高度な技術や作り込みによってよりも、アイデアの個性を追求して欲しいのです。今期も最後に各自の作成したコンテンツを皆で体験する最終発表会を行う予定でいます。面白い作品ができることを期待しています。
太田高志
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