事前質問埋め込み授業
2020年11月 4日 (水) 投稿者: メディア技術コース
メディア学部2年次後期の講義「CG数理の基礎」では、授業の前週に公開した資料を予習させています。事前質問がある人には、授業2日前までに提出させています。
この方法だと私が前日に、授業資料に事前質問と私の回答を付記することができます。PowerPointでのコメント付記の機能を使います。そして授業中には通常の講義の中に、それらの質問と回答もなるべく説明するようにします。授業後には質問回答を付記した授業資料を改めて公開します。
これにより多くの質問を引き出し、結果的に補足説明も加わります。一般に大人数の授業では、質問を促してもその場で発言してくれる人はなかなかいません。この方法だと、2~3割の学生が事前質問を提出してくれます。私としても、どの部分で受講生がつまずくかわかりますし、講義内容の改善にもつながります。もちろん、受講生の理解度も確実に向上するはずです。より高度なトピックを紹介する機会もできます。
前期の遠隔授業で、チャット機能を使うことにより、大人数授業でも質問が出るようになりました。今回の方法はこれをさらに改善し、効率よく質問に答え、資料にも残せるようにしたものです。
理解度向上のためのよく知られている方法として「反転授業」があります。学生は事前に授業資料を十分に予習し、当日の授業中、教師は資料の説明はしません。代わりに演習や質疑応答やディスカッションをする、という方法です。学生同士で意見を出し合い教師は交通整理をする、という場合もあります。
私が上で述べた方法は、反転授業の要素(予習・双方向)を一部取り込んだものです。前日に回答を授業資料に埋め込むのは手間はかかりますが、コメント付記機能なので文章で書き込むだけで済みます。スライドのように見栄えを考える必要はありません。手間の割には効果は大きいという印象を持っています。
事前質問埋め込み授業とでも呼べる方法です。わりと考え付きやすい方法であり効果もありますので、すでに何か呼び名があるかもしれません。
メディア学部 柿本正憲
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