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シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その10

2020年12月12日 (土) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
今回紹介するのはこの映画です。 

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『ジュラシック・パーク(1993)』 

【監督】

スティーヴン・スピルバーグ 

【脚本】

マイケル・クライトン
デヴィッド・コープ

【参考URL

https://movies.yahoo.co.jp/movie/10659/ 

【あらすじ】

生物学者のアランと古代植物学者エリーは資金援助を条件にコスタリカ沖の孤島へ視察に来るよう要請される。島に到着した彼らの目の前に現れたのは群れをなす本物の恐竜たち。アランたちはこのプロジェクトの未来に不安を感じるが、創設者ハモンドの孫である2人の子供たちと共にツアーへ出かけた。

その頃、パークの安全制御を担当するネドリーは、ライバル会社に恐竜の胚の入ったカプセルを売り渡すためカプセルを盗み出した。その影響でセキュリティ問題が発生し、アランたちの乗った車は緊急停車。恐竜を防護するフェンスの高圧電流も止まってしまった。すると、アランたちの目の前に巨大なティラノサウルスが現れ、襲いかかってきた。

辛くもアランと子供たちはフェンスを利用してティラノサウルスから逃げ、救助を得るべくヴィジター・センターへと急ぐことになった。その頃ネドリーは人知れずティロフォサウルスに襲われて命を落とし、もはや島内の安全制御は復旧不可能となる。 

アランたちはティラノサウルスの脅威にさらされながらもセンターへ到着する。しかしそこにはすでに凶暴で知能の高い小型恐竜ヴェロキラプトルに侵入されていた。アランが目を離した僅かな間に現れた2頭のヴェロキラプトルが、子供たちを追いかけ回す。その後、なんとか子供たちと合流したアランとエリーは、ヴェロキラプトルとティラノサウルスを戦わせることに成功し、一行は隙をついて島を脱出したのだった。

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『ジュラシック・パーク』は、当時まだ珍しかった「コンピューターグラフィックス」と、職人芸ともいえる「アニマトロニクス」を組み合わせ、まるで本当に恐竜が現代に蘇ったかのようなリアリティの映像を作り出したことで話題となって大ヒットし、今でも作中のツアーをモチーフにしたテーマパークのアトラクションとなって人気を博しています。

映画のジャンルを的確に言うのは定義が曖昧なこともあってなかなか難しいのですが『ジュラシック・パーク』は、窮地からの生還を目指す、いわゆる「パニックもの」ジャンルとしての特徴が強いといっていいでしょう。 

シナリオライターとして「パニックもの」のジャンルを取り扱うのは、とても難しいです。何故ならば、前述したこの作品の特徴である「コンピューターグラフィックス」と「アニマトロニクス」による表現は、シナリオ制作の段階で示すことが出来ないからです。

「ジュラシック・パーク」のヒットによる影響は大きく、その後「コンピューターグラフィックス」を映画に導入していく機会は増えましたが、投入する予算や人材によるクオリティの差は明確に現れることも、徐々に知られていくことになりました。

身も蓋もないのですが、低予算で実現不可能にも関わらず、シナリオには「ジュラシック・パークのような恐竜をCGで登場させる」などという記述がなされるような事態になっていきます。当然実現は無理なので、残念な見た目の恐竜を見せられることになります。

シナリオはやりたいことを書けばいいというわけではなく、書いた上でその記述部分が本当に必要なのか、実現可能なのかを吟味するために書くものです。「ジュラシック・パークのような恐竜をCGで登場させる」と書いたからには、相応のコストをかけることについて検討することになります。

そういったことをふまえると、継続的に、そして後半も観客を飽きさせない展開で、しかもコストのことまで考えて記述せねばならないパニックもののシナリオが、いかに難しいか、察することもできるでしょう。

シナリオライターを目指す方が、ジュラシック・パークを見る際は、登場する恐竜のタイミングに、ぜひ注目していただきたいと思います。本当に必要なシーンでしか恐竜は出てきていません。

(文責:兼松祥央)

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