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シナリオアナリシスでよくある質問(おすすめの映画)その8

2020年12月 7日 (月) 投稿者: メディアコンテンツコース

みなさん,こんにちは。メディア学部実験助手の菅野です。

今回も「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介します。
今回紹介するのはこの映画です。

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『シックスセンス(1999)』

 【監督】

M・ナイト・シャマラン

【脚本】

M・ナイト・シャマラン

【参考URL

https://movies.yahoo.co.jp/movie/85349/ 

【あらすじ】

小児精神科医のマルコムはかつて治療を担当した患者ヴィンセントが完治せず、マルコムに恨みすら抱いていた事実に落ち込んでいた。そんな折、かつてのヴィンセントに似た症状をもつ少年コールの治療に取り組むことになる。既にコールは数々の医師が担当しているものの、心を開くことがなかった。マルコムも当初は同じ態度を取られていたが、マルコムは熱心なケアによって、徐々に信頼されるようになっていった。

そんなある日のこと、コールが衰弱して病院に運ばれた際に、マルコムは秘密を明かされる。コールは幽霊が見える「第六感(シックスセンス)」の持ち主で、それゆえにトラブルを抱え、しかし母親すらそれを信じてくれず孤独だった。マルコムもまた最初は半信半疑だったが、ヴィンセントのことを最後まで信じて付き添えなかった反省から、決して諦めることなくコールと向き合った。やがてコールはそんなマルコムからの助言を受け入れ、幽霊と向き合っていく決意を固め、コールに助けを求めてきた少女の幽霊の願いを叶えたことで、自信を持てるようになった。

以後、コールの精神状態は安定するようになり、母親との関係も改善した。そしてそのコールから、マルコムは衝撃の事実を伝えられる。マルコム自身はもう既に死亡しており、そこにいるマルコムは、その自覚のない幽霊だったのである。ショックを受けるマルコムだったが、心残りだった案件の治療を成功したことに満足しており、成仏していくのだった。

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『シックスセンス』は、1999年の公開当時、監督のM・ナイト・シャマランと主演のブルース・ウィリスの連名で「この映画にはある秘密があります。まだ映画を見ていない人には、決して話さないで下さい」と前置きされたことが話題となり、その「秘密」を確かめようとする観客たちによって大ヒットした映画です。

このブログでは、先にあらすじを載せているので「秘密」がなんなのか、全く隠せていないことになるわけで、今まさにこのブログを読んでいる人はもちろん、M・ナイト・シャマランとブルース・ウィリスに私が怒られることは間違いありません。

しかしそれでも取り上げたのは、この記事が「プロのシナリオライターを目指すなら見ておいたほうが良い作品」を紹介するものだからです。

まだ「シックスセンス」を観たことがなかった人の中には、「ネタバレされた」とお怒りになる人もいることでしょう。しかし、それはあくまで一人の観客として楽しむ際の感覚です。
「プロのシナリオライター」として既存の作品を視聴する場合は、ネタバレがされていようがされてなかろうが関係なく、その対象作品の特徴を冷静かつ的確にとらえることが大事になります。

「シックスセンス」は、「秘密」が最後までバレないよう、巧みにシナリオが作られており、そのために「あえて見せているシーン」と「意図的に見せないようにしているシーン」があります。当時初めて見た人でも、途中で気がついた人は多かったようですが、あくまで実際の作中で秘密が明かされるまでは、答えを明かさないシナリオになっています。

そんなわけで「シックスセンス」はネタバレされていたとしても、各シーンの工夫が楽しめる作品になっています。ぜひ一度見てみてほしいと思います。そして、可能であれば、各種メディアの特典についている、監督のオーディオコメンタリー版も見てみてもらえると、監督・脚本家本人であるM・ナイト・シャマラン本人の口から工夫部分を聞くことができるので、チェックしてみてほしいです。

(文責:兼松祥央)

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