コロナ禍のハイブリッド授業って何?<3. 対面と遠隔の接点>
2020年12月 2日 (水) 投稿者: メディア社会コース
これは対面と遠隔の接点の一つで、リアルとバーチャルを繋ぐ重要な画像です。
教室にはネットワークカメラという広角レンズの小さなカメラが設置されています。iPadのアプリでご覧のようにきれいに動画をリアルタイムで視聴することが出来ます。カメラを上下左右に動かしたり、2本の指でピンチして拡大したりすることも出来ます。
カメラは高さ15センチほどで、電源とLANケーブルを繋ぐだけでセットアップがとても簡単です。これだけ小さくても、500万高画素・2592*1944解像度で十分キレイな動画を配信することが可能です。
さて、映像はこれで共有出来ましたが、問題は音です。
私は音楽制作をしてきたので、どうしてもアナログミキサーにこだわっています。
右のアナログミキサーには、自分のマイク、教室の学生の声をひろうマイク、BGMを流すiPadの音声出力、スライドを表示するメインのノートPCの音声出力などが入力されています。ミキサーの出力はそのまま配信用パソコンに送られます。ただし、これで終わりではありません。
教室にいる学生への音には、もう一工夫必要です。
この小さなミキサーで、さっきのアナログミキサーの音に加え、Zoomで参加している学生の声を混ぜて教室へ届けます。教室の学生は設置してあるマイクで話せば遠隔で受講している学生に声が届きます。教室にいる学生がZoomに入ってマイクをオンにしてしまうと、ハウリングして「キーーーーー!」という音が鳴ってしまいます。
最後に、対面と遠隔の重要な接点を紹介します。それは、チャットです。Zoomにもチャットがありますが、教室の学生がZoomに入っていないことが多いため、Google classroomのチャットを使っています。授業内容に対する感想や質問を投稿してもらい、私が口頭で返事をしていきます。これにより、学生の考えが共有され理解が一層深まります。
対面と遠隔の接点をいろいろと探っていくうちに、私と学生、そして学生通しがコミュニケーションをとる工夫についていろいろ考えました。結果として、コロナの前よりも授業内でのやりとりが活性化し、私も学生も楽しく授業に参加出来ていると感じています。
コロナがきっかけで、授業に対して新たな視点が生まれたことは良かったと思います。
明日は、マイクのこだわりについてお話します。
メディア学部 吉岡 英樹
略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在のコンテンツビジネスイノベーション研究室は2020年度にて終了し、聴覚障害支援メディア研究室として新たなスタートを切る。
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