コロナ禍のハイブリッド授業って何?<7. システム図>
2020年12月 6日 (日) 投稿者: メディア社会コース
ずばり、これが私のハイブリッド授業配信システムの図面です。
左半分が配信スタジオです。1台のパソコンでやろうと思えば出来なくもないのですが、負荷がかかりますし、同時に見ることが出来る画面が一つだと不便なことが多くあります。例えば、スライドを表示しながらチャットの確認をしたり、動画を再生しながら次の準備をしたりと、同時に複数の作業をすることがあります。私の後ろにあるディスプレイには、スライドやゲストの方を映したりします。配信用の映像配線系統と分ける必要があるため、少し複雑になっています。私は小さなテレビ局を運営していると考えるようにしています。
また、配信スタジオのある研究室に学生がいる時は、音声にも気を遣う必要があります。Zoomの視聴者にちょうど良い音量でも、研究室内では聞こえなかったり、逆にうるさかったりするかもしれません。そのため、ミキサーを2つ用意して、配信に影響が出ないように研究室内の音量が調整できるようにしています。これも、少し複雑ですね。
大教室には映像と音響を操作していただく職員の方がいらっしゃいますので、大変助かっています。また、SA(スチューデント・アシスタント)の学生も1名いるので、メッセージでやりとりをしながら、教室の様子を確認して授業を進行します。
自宅から受講している学生は、何か問題があったらZoomのチャットを使って知らせてもらうことにしています。こちらからも声をかけて、確認しながら進めます。そのため、Zoomのチャットは大きく表示させて、いつでも見ることができるようにしています。
下の写真が配信用PCのデスクトップです。
スイッチャをコントロールするソフト、タイムテーブル、時計、チャット、音声入力レベルのインジケータなどが表示されています。ワンオペで配信をするのは大変ですが、慣れてくるととても楽しいですよ。
さて、ハイブリッド授業について、分かりましたでしょうか。もちろん実施方法は様々で、「ここまでやらなくてもいいのに!」と感じる方も多くいらっしゃると思います。しかし、大学教員になる前に映像や音響の仕事に関わってきた私としては、限界に挑戦したかったという思いがありました。また、これからもさらに追求していくつもりです。コロナ前の授業に比べて、大人数の授業においても学生とのやりとりが圧倒的に増え、学生の理解度や関心のある事を理解できるようになり、授業を進めやすくなりました。
対面授業は、目の前に学生がいることで伝わりやすい部分もあると思いますが、そこに"いる"ことだけで満足してしまい、理解しているように錯覚するというデメリットがあると思います。コロナが落ち着いて全てを対面授業で行うようになったとしても、今回得られた知見を生かして、さらに充実した授業を実施していきたいと思います。
最後に、カメラを通じてコミュニケーションをするには、目線が重要だと考えています。何もないと、どこを見て良いか分からなくなってしまうので、このような工夫をしました。
メディア学部 吉岡 英樹
略歴:バークリー音楽院ミュージックシンセシス科卒業後、(有)ウーロン舎に入社しMr.ChildrenやMy Little Loverなどのレコーディングスタッフや小林武史プロデューサーのマネージャーをつとめる。退社後CM音楽の作曲家やモバイルコンテンツのサウンドクリエイターなどを経て現職。1年次科目「音楽産業入門」を担当。現在のコンテンツビジネスイノベーション研究室は2020年度にて終了し、聴覚障害支援メディア研究室として新たなスタートを切る。
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