にゃんズ来る(ネコ×2とAI、その2)
2021年1月 8日 (金) 投稿者: メディア技術コース
さて、続きです。前回に学習モデルを作成したところまで説明しましたが、学習の成果を確認しましょう。Teachable Machineのプロジェクトのページのさらに右側に、Previewという領域があって、ここの”Input”を”ON”にするとカメラが起動し、学習したモデルを確認することができます。ということで、にゃんズカモン!また一匹づつひっつかまえてカメラの前に持ってきます。下に画像を載せますが、画像右下にある”Output”でそれぞれのネコに対応したラベルのグラフが100%になっているのがわかります。さらに、何も画面に写っていないときも、”nocat”ときちんと判定されていますね。これで学習モデルの準備はOKです。
学習成果の確認
これで、いよいよアプリケーション自体のプログラムに移ることができます。p5.jsは、ウェブ上でプログラムを作成、実行できる環境が https://editor.p5js.org にあります。このブログでは詳細は省きますが、まずこれでPCのカメラを使い、キーを押すと撮影画像を保存するものを用意しておきました。次に先程の機械学習のモデルをこのプログラムで使えるようにしていきます。
もう一度、Teachable Machineのページに戻ります。Previewのところにある”Export Model”をクリックすると、下記のようなウィンドウ(水色の部分)が表示されます。ここにJava Scriptから学習モデルを使うための情報が提供されています。学習モデルを利用するためのURLや、モデルを利用するためのJava Scriptのコードが表示されていますので、ここから必要な部分をコピーして先程自分で作成したカメラ撮影のプログラム中に適宜埋め込んでいきます。ここらへんは多少プログラミングを理解している必要がありそうですが、そこまで難しいわけでもありません。
Export Modelの画面:利用するためのコードが表示されている
さて、実行してみましょう。エディターの上部にある実行アイコンをクリックしてみます。まず何もカメラ前に居ないときには撮影が行われません。よしよし。次にまたにゃんズに協力をあおぎます。うにゃーというのをかまわずひっつかまえてカメラ前に連れてきます。カシャ!という音はしないのですが、画像が保存されたことが視覚効果でわかります。すごい、ちゃんと出来ているじゃないですか!もう一匹も連れてきても成功です。ちなみになんでもかまわず撮影しているわけではないのは、画像のファイル名にそれぞれのネコの名前が含まれるようにしたので、きちんと識別されているのが分かります。自分自身でカメラの前にいっても撮影されません。
エディター上のプログラムが実行されている様子
ということで、ネコとのにゃんにゃんブログを正当化するために実施した機械学習を利用したアプリケーション開発ですが、非常に簡単にAIアプリを作成することができました。さすがGoogleというところでしょうか。これで、実行したままにしておくと、ネコたちが画面前にやってきたときに自動的にシャッターがきられて画像が保存されるアプリケーションができあがりました。いたずらするところの決定的な写真を撮ったりするのに使えるかもしれません。まあ、まだ色々細かい調整や作り込みは必要でしょうが。今回の作業で一番大変だったのはネコをカメラ前に連れてきて学習データを取り込むところでした。なにしろじっとしていなくて暴れまくるのでカメラに写るようにつかまえているのが大変でした。ものによるとは思いますが学習データの用意が一番面倒な部分ではないでしょうか。それなりの量も用意しなくてはならないでしょうから。今回は、それぞれ200枚〜250枚くらいの画像で行いました(他のネコの写真は20枚くらい。用意するのが大変だったので)。それさえ用意できれば非常に簡単にAIを自分のコンテンツに取り込むことができました。課題はAIの機能を「何に」「どのように」使用するかというアイデアを考える部分になりますね。独自のアイデアがあれば、面白いものを簡単に作ることができそうです。来年の演習にでも取り込もうかな。
さて、ネコと遊ぼう…
太田高志
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